こんにちは!冨田賢です。2月1日から連載してきたこのコラムもとうとう最終回です。今回は予告しましたとおり、みなさんからいただいた質問にひとつひとつ回答します。
これまでお話してきた内容をさらに深掘りしているのもありますので、文字量はちょっと多いですが、ぜひ読んでみてください!では、始めましょう。
【この記事の目次】
【Q1】毎日の目標設定について
Q.大きな目標から毎日の目標への落とし込みが難しいです。どのように考えれば良いか、考え方のコツってありますか?(24歳・女性)
仕事を全部書き出そう
A. まず、進め方としては、目先にやらなければならないことや、すぐ間近のことも少し先のことも、To Doのリストとして書き出してみましょう。そうすると、まず処理・対処する必要のある仕事がどれだけあるかが、視覚化されます。
その上で、優先順位も重要ではありますが、あまりこだわらずに、やれることからどんどんこなして行きましょう。そうすると仕事が処理・完了されて行くにつれて達成感も出てきて、またさらに何かやってみようという気持ちなれるのでは、と思います。
分解して考えよう
それから、考え方のコツとしては、達成しなければいけない、あるいは達成したいと思っている大きな目標の達成のためには、何をクリアーして行かなければならないかを分解して考えてみましょう。
分解してみると、それぞれがもう少し具体的な目標に変わって行きます。そうなったら、その目標を達成するためには、具体的に何をクリアーしなければならないのか、そのクリアーしなければならないことを達成するためには、何をしなければならないか、と順番に分解して考えてみましょう。
たとえば、私は今、慶應大学から博士号を取得しようとしていますが、博士号の取得のためには、TOEICのハイスコアが必要なのと、査読論文が2本と国際学会の発表1回が必要というように、具体的な目標に分解できます。
その上で、TOEICのハイスコアを取るためには何をしないといけないか、どういう問題集をいつまでにどのようにこなさないといけないか、TOEICの対策講座をどのようなスケジュールで受講するか、そして、TOEICを受験する時間をどのようにスケジュールするかというように、分解した目標を達成するために、やらなければならないことを明確にして行きます。
計画達成のプロセスを考えよう
さらに、TOEICの問題集を計画通りこなすためには、毎朝少し早めに起きて問題を解く必要があります。その毎朝少し早めに起きるという目標をクリアーするためには、何をしなければならないかを考えて、対処をして行くことになります。
そのように考えて行けば、一見大きな目標でも、中ぐらいの目標、さらに具体的な小さな目標となって把握でき、その具体的な小さな目標の達成のために、行動することができるようになります。
以上のようなことを、参考にしながら、取り組んでみていただけたらと思います。
【Q2】「ビジョンとリンクさせる」ことについて
Q.「ビジョンとリンクさせる」ということについてもうちょっと具体的に知りたいです。昇進したい、給料を上げたいというビジョンはあるのですが、それが普段の仕事となかなか結びつきません。(27歳・男性)
A. ひょっとしたら、単に「昇進することは良いことだ」とか、「給料が上がったら、気持ちがいいのではないか」と思っているだけで、本当はそれほど、昇進や昇給を望んでいないのかもしれませんね。まずは今の生活や立場に満足してしまっていないか、自問自答してみることが必要です。
あなたが昇進や昇給をそれほど望んでいないのは、昇格や昇給のその先にあること、つまり「ビジョン」がないからではないでしょうか?もしそうだとしたら、そもそもその先の人生のビジョンがないわけですから、「ビジョンとリンクさせる」こと自体、できるはずがありません。
まず最初に、なぜ自分は昇進や昇給を望んでいるのか、その先に何があるかを考えることが必要です。 「〇〇〇のために、昇進をしたい、給料を上げたい」ということが明確になれば、日々の仕事にもっと意欲が湧き、成果を上げるために、全力でがんばれるようになるはずです。
漠然と、昇進をしたい、給料を上げたいと思っているだけでは、ダメではないかと思います。
【Q3】キャリア形成について
Q.冨田さんは証券マン、大学勤務、コンサルタント、経営者、さまざまな顔をお持ちですが、どうしてそこまで多くの仕事で成功されたのでしょうか?(31歳・男性)
A. この連載の中でも、述べましたが、常に、結果を出すことに執着をしてきました。もちろん、うまく行かなかったことや、失敗したこと、悔しい思いをしたことは、一般的な方々よりも、何倍も多いのではないかと思います。
ただ、私は自分の力を信じて、とにかく興味を持ったこと、何が何でも自分がやろうと思ったことに全力で、それこそ“死ぬ気”で取り組んできました。「日々、進化」をモットーに、前に進み続ける、それを続けた結果だと思います。
自分の能力を100パーセント発揮させることを、私はいつも大切にして過ごしています。それが、成果につながっているのでは、と思っています。
それから、これからの時代は、ひとつの顔、側面だけを持つ人ではなく、複数の多面的な顔(これは、二重人格、表裏があるという意味ではありません)、いくつもの側面を持つ人が生き残って行く時代にもなると思います。
【Q4】困難の乗り越え方について
Q.困難を乗り越えるときの乗り越え方について。冨田さんはどのように乗り越えてきたのか、ご自身の経験から教えていただけますか?(34歳・女性)
A. 困難に直面した時に、どうするか?これが人生を決めると思います。
まずは、「逃げずに、乗り越えよう」とすること。とにかく、さまざまな手を尽くしてみることです。そして、全力で、恥も外聞も気にせずに困難を乗り越えるためにできることは何でもやる!という気概が重要だと思います。
困難を乗り越えられないという方のほとんどは、すぐにあきらめてしまう人です。それでは困難に乗り越えることはできません。しつこいくらいに粘り強く、七転び八起きで粘り強く、問題解決に向けてがむしゃらに取り組む、ということです。
そうやってみると、何か解決のきっかけが見つかるはずです。一生懸命やっていると、助けてくれる人も出てきます。協力してくれる人も出てきます。最終的には人の助けも借りながら問題解決をして行く、そして困難を乗り越える、ということになると思います。
私の経験から言っても、がむしゃらに取り組んでいると、思いがけずラッキーなことに助けてくれる人が出てきてくれて、困難を乗り越えられたという経験が何度もあります。
やはりまずは、自分自身の困難を乗り越えようとする姿勢、行動が大切で、それがあれば運も引き寄せることができます。困難というものは自分の行動をベースとしたうえで、自分だけの力ではなく、他人の協力も得ながら乗り越えて行くものではないかと思っています。
あとは、松下幸之助さんも言っていますが、「人は、順境であれ、逆境であれ、その境遇を受け入れる」ということも必要だと思います。
【Q5】バイタリティについて
Q.常に全力な冨田さんのその原動力はどこからくるのでしょうか?また息抜きはどのようにされてますか?(28歳・男性)
人生計画は変わるもの
A. 私の原動力は何か?ということは、よく質問されることですが、自分でも、何が原動力なのか、分からない面も、正直なところあります。
簡単に言ってしまえば、「全力でやるのが、自分の性格、性分だ」となります。癖とも言えますね。この連載で、「ビジョン」ということを言いながらも、自分の「ビジョン」が果たしてどういうものなのか?と考えることもあります。
私はいつも、おおよその人生計画は作っていますが、人生は思いがけないことも起こるので、その計画がズレることも当然よくあります。ズレるたびに、また新たに人生計画を考えなおして、それを達成して行こうとしています。
挫折を乗り越えて
私が思い当たる、私の原動力のルーツについてお話します。私は、石川県の人口2万人の町で生まれ育って、中学受験をして金沢の国立大学の附属中学校へ進学し、電車とバスで片道1時間以上かけて通学していました。あのころからのハングリー精神が私のベースにはあると思います。また、子供のころや大学入学時、そして社会人になってからのさまざまな挫折の経験などから、強くなっていったと思います。
そして、自分のイメージする生活や社会的な立場で過ごして行けるように、常に前向きにチャレンジをするようにしています。
多趣味であること
もうひとつの質問の「息抜き」への答えですが、私はともかく、趣味の数が多いのです。
スポーツも、乗馬、ゴルフ、マウンテンバイク(MTB)、テニス、スキー、そして、スポーツクラブなど、何でもやります。その他、バイク、ルアーフィッシング、ラジコン、家電量販店巡りなども趣味です。
趣味を1日2つから4つこなす
私はできるだけ、休日は普段と違う脳の部分を使うようにしています。頭というものは、休めようとしても休まるものではなく、普段仕事や研究で使う脳の部分と違う部分の脳を使うと休まると思っています。そのためにはどんどん違うことをやることで、脳が刺激されるとともに脳が休み、息抜きになっていると思います。
私は上記のような趣味を、休みの日には1日で2つから4つはこなすようにしています。そのくらいやってやっと、平日の過密なスケジュールや、切れ目のない終日のご来客の対応、コンサルティング・ミーティング、そして多くの講演や論文等の執筆をこなせているように思います。
あと、テレビを見るのも大好きです。テレビを見ながらビールを飲むのが、一番の息抜きかもしれません。
【Q6】これからの日本の仕事について
Q.あと10年後、20年後の日本の仕事はどうなると冨田さんは予測されてますか?(41歳・男性)
A. 創造性(クリエイティヴィティ)や独自性(オリジナリティ)がある人が、生き残る時代になると思います。
人工知能の時代がくるでしょう
オックスフォード大学のフライ氏を中心とした研究でも、人工知能の発達によって、多くの仕事がなくなると予想されています。国立情報学研究所教授の新井紀子さんの「ロボットは東大に入れるか」のプロジェクト(東ロボ・プロジェクト)でも、人工知能は、まだ東大入試はクリアーできないものの、MARCH(明治、青学、立教、中央、法政)レベルには合格できるところまできています。つまり、一般的な私大卒のレベルの仕事は、人工知能(ロボット)に取って代わられるということです。
そういう時代に、何が人材の質を決めるのかと言えば、人工知能(特に機械学習)では、まったく新しいものを創造することはできないわけですので、創造性のある人が、生き残ると思います。また、同質的な仕事はロボットがやって行くとしたら、独自性、個性のある人が組織においても重宝され、存在意義が出てくると思います。
他人との違いを際立たせる
人工知能と共存し、人工知能によって人間の仕事の質を“深化”させるオーギュメンテーションを考えたとしても、他人とは違う“際立った部分”がある人が、生き残って行ける時代になってくると思います。
そういった時代に備えるためには、オリジナリティを大切にして、新しいものを生み出せる能力(創造性)を磨いて行くことが大切だと思います。そういった“努力”を建設的にして行かないと、仕事の面で尻すぼんで行ってしまうのではないでしょうか。
これからの10年、20年どう動くか
今回の連載では、年収1000万円を目指そう、ということにしていますが、まずは1000万円、次は2000万円、その次は3000万円を目指して達成できるようになって行けば、人生はまた違ってくると思います。そのためには、仕事のあり方の変化に対応して行くことが求められます。
これからの10年後、20年後の仕事のあり方を大きく変える要因は、人工知能の発達です。人工知能の発達をむしろ利用しながら、その流れの中で自分自身がどういう役割を果たし、どういう価値を世の中に提供して行けるのかを考えましょう。
より高い価値を世の中に提供して行くための“努力”さえ続けていれば環境変化にも対応できますし、どんな時代になったとしても怖がる必要なく、十分な収入を得ながら心身ともに豊かな人生を送って行けると思います。
連載の終わりにあたって
「日々、進化」を大切にしながら、この連載でお話させていただいたように、“小さな成功体験”を積み上げて、“自信”を付け、それによって、さらに前向きに仕事に取り組み、“結果”を出し続けて行きましょう。
そのためには、まずは、“行動”に移すことです。
今、世界最高峰の会社のひとつであるGoogleが大切にしている「10の行動指針」のうちの2つを、最後にご紹介しましょう。
- Be bold and experience…and learn from it.
(勇敢にどんどん試そう、そして学ぼう) - Get started now!
(すぐに取り掛かろう!)
読者のみなさんのこれからの成長、そして、みなさんが望む人生を送れることを願っています。
【連載】冨田賢・直伝!まずは年収1000万円目指せ!【第1回】将来のお金の不安など「自分で稼げる力」さえあれば何も怖くない! 【第2回】年収が上がらないのは「努力のやり方」が間違っているからだ! 【第4回】年収1000万円のために最後に必要な力は「実行力」だ! 【第5回】Q&A!あなたの悩みに冨田賢が直々に回答! |
(文・冨田賢)