節約・貯めたい

ビジネスマナーだけじゃない!新社会人になったら貯金をする癖をつけよう!

投稿日:2017年6月19日 更新日:


新社会人になって仕事や職場の雰囲気にも慣れてきたのではないでしょうか。

社会人として目指すべきは、まず1人前に仕事を任され人材になることですが、それと並行して自分の人生設計を考えたり、生活していくうえでの基本スキルも身につけていく必要があります。

それにはマナーやコミュニケーション力もありますが、大きなものとして貯金はぜひ自分の「」になるくらい当たり前のこととしてできるようにしましょう。なぜそれが必要なのかということは本文でご説明しますが、これは若いうちに必ず身につけておきたいスキルです。

そこでここでは、なぜ貯金が必要なのか、具体的にいくらくらいすればいいのか、といったことについてご紹介します。

何のために貯金の癖付けが必要なのか?

学生時代はおこづかいやバイト代で収入があっても、ほとんどの人はそれをその月内や短期間で使い切っていたのではないでしょうか。

しかし社会人になったら、その中からコンスタントにお金を残す、つまり貯金をするという癖をつけることが必要です。その理由は以下の通りです。

収入内でやりくりする、という基本的なスキルを身につける

まず、独身にしろ将来結婚するにしろ、「世帯」というものを維持していくうえで「収入の範囲で暮らしていく」ということは最も基本的な生活態度であり規範です。足りなくなっても親などに援助してもらえる立場ではもうありません。

そういう金銭感覚を早めに卒業しておかないと、いずれ足りない分を借金で補うようになり、それが当たり前になると最悪いずれは自己破産ということになり、社会人としては終わってしまいます。

ですので、仮に15万円の手取りの給料があったとしたら、その範囲で生活費をまかなうというスキルを身につける、ということが重要です。

それができれば、収入が増えた時、あるいは結婚した時でも、真っ当な暮らしをして、将来何があっても何とか生活していける基盤を作ることができます。

「予算内でやりくりする」というのは仕事の基本スキル

また、いずれ1つの仕事を任されるようになる可能性が高いわけですが、多くの場合その仕事には金額の多寡は別にして「予算」がつきます。

仕事は基本的にその予算内で行い、期待されるミッションを達成しなければなりません。足りないからもっとくださいとか、ミッションは達成しましたが費用も多く使ってしまいました、ではその仕事を成功させたことにもならず、返って自分の評価を下げてしまいます。

自分の収入の範囲で暮らしていく、というのは仕事で必要となる予算管理のスキルを身につけることにもつながります。

将来の大きな出費に備える

今の2つの話は、収入内で暮らす大切さのことで、それが基本中の基本ではありますが、その中から貯金に回す大切さの話ではありませんでした。ここからは、その「収入から支出を引いた残りを貯金する」理由の話です。

1番大きくて、身近な理由は「将来かかるはずの大きい出費に備える」ということです。たとえば結婚資金です。

結婚したい人ができた時に、愛だけでは結婚できません。挙式や披露宴、新婚旅行はしないでおこうと思えばそれも可能ですが、新生活を始める上では、家具、電化製品、新居の敷金や礼金など、ほぼ確実にかかる費用があります。

また、結婚はまだでも、賃貸マンションなどに1人暮らしをしている場合は、基本的に2年ごとに更新料がかかります。あるいは今は実家暮らしでも、勤務地が変更して通勤が不便になったり、あるいは転勤で引越しが必要になったり、少し広い部屋に住みたくなったりしたときに、引っ越費用と新居の敷金、礼金がかかります。

そのような将来かかるであろう大きな費用に備えて貯金する必要があるのです。

将来の自分の可能性にできるだけ制限を持たせないようにする

また、自分の将来の可能性の広がりは、現実問題として貯めている貯金額がある程度左右します。

たとえば仕事で昇格していくうえでは英語のスキルや何らかの資格を持っていたほうが有利ですから、そのための学費は準備しておいた方がいいでしょうし、あるいはステップアップのために転職を考えた時も同様です。

特に転職の場合は、すぐに新しい仕事が決まればいいですが、転職活動期間中に無収入になったら、その間の生活費を用意しておく必要もあります。

また、もう1つのステップアップの手段として海外留学を考えた場合も、渡航費、留学先での生活費と学費などを貯めておく必要があります。

さらには、自分で資格を取ったうえで独立したり、あるいは起業したり、という時にも必ずお金が必要です。

ここで重要なのは、すでにそういう目標がある人はしっかり貯金を始めてるでしょうが、今その目標を持っていなくても「それを思いついた時に、お金がないからできない」という、自分の可能性をお金がないことによって制限してしまうことを避ける、ということなのです。

ですので、自分の将来の可能性に自由度を与えるためにも貯金は必要なのです。

不意の出費に備える

また、そこまで大きな話ではなくても、人生の中では不意の出費が発生する場合が多々あります。たとえば、友人の結婚式に招かれることが今後は増えますが、その時にはお祝い金や、会場が遠ければそこまでの交通費が必要になります。

あるいは、ちょっと重い病気にかかって短期間でも入院しなければならなくない場合は、治療費と入費が必要になります。

そのような不意の出費に備えるためにも貯金が必要なのです。

いくら貯めればいいのか?20代の平均貯蓄額と貯金額の目安

貯金の癖とはどういうことか?

では貯金はいったいいくらを目標に、毎月どれだけ貯めればいいのでしょうか。

まず大前提は、給料からその月の支出を除いて月末に残った分を貯金に回す、というのでは「貯金の癖」にはならないということです。それでは、たまたま残ったから貯金にし、残らなかったら貯金しないということなので、逆に足りなくなればすぐに貯金を取り崩してしまいかねません。

大切なのは、まず1年あるいは3年でいくら貯めるのかという目標を立てることと、同時に1か月にいくら貯めるのかという貯金額を先に決め、その残りで生活することです。

20代の貯蓄額の平均は

いくらを目標に貯金をするのか、ということはその人の人生の目標とリンクしますので人それぞれですが、当面、資格取得、転職、留学などを考えていない場合であれば、普通の20代の平均貯蓄額をメドにしたらよいでしょう。それは以下のような金額です。

年収300万円未満の人 65万円
年収300万円~500万円未満の人 221万円

毎月の貯蓄額の目安を決める

また、毎月の貯金額ですが、目安は「手取り月収額の1~2割」です。

ちなみに手取り額と額面給与の違いとは、会社から支給される給料の総額が額面額で、そこから所得税、住民税、健康保険料、雇用保険料、厚生年金を差し引いたものが手取り額です。1度給与明細をじっくり見れば、そのような計算になっていることがわかります。1か月の暮らしはこの手取り額が基本になります。

ですので、手取り額が15万円だったら、先に1万~3万円を除いた残りの金額で暮らすようにしましょう。ただしこれは1人暮らしの場合であって、実家暮らしであれば、実家に入れるお金もあるでしょうが、4~5割は貯金しましょう。

これをベースにすると、先に決めた貯金の目標額がどれくらいの期間で貯められるか、ということが計算できます。たとえば、200万円が目標で、月に3万円づつ貯金をした場合、1年の貯金額は36万円、これにボーナスも10万円を2回分貯められれば年間56万円ですので、目標額には約4年で届きます。

もしも3年後に留学したい、などの将来設計があるのであれば、それに合わせて毎月の貯金やボーナスから貯金を少し増やす、などの計画を立てればいいわけです。

また始めて数ヵ月後に、毎月3万円の貯金だけれどもう少しできる、と思ったらその分遊興費を増やすことなどはしないで、貯金を5000円増やすなど、無理のない程度に少しずつ貯蓄額を増やすのもポイントです。

無理なく貯金をするには?天引きをうまく使おう

それでは目標が決まり、毎月の貯金額が決まったところで、それをどのようにうまく続けていけばいいのか、つまり癖にしていけばいいのかということです。

1 自分で別口座に移す

シンプルなのは、給料日に貯金する額をATMで下して、ほかの銀行口座に移すことです。

同じ口座の中で貯金をすると、いくら貯まっているのか、目標まであといくらなのかが分からずに不便であることと同時に、貯まってきた実感がなくモチベーションも上がりません。

また、お金が足りない時につい貯金の方から流用してしまう可能性もあります。ですので、別口座での管理は必須です。

しかし、いちいち自分で下して移す、というのは手間ですし忘れる可能性もあります。そういう時には、天引きのシステムを使いましょう。

2 給与からの天引きを利用する

給与天引きとは、会社が所得税などを引いた手取り額を振り込んでくれると同時に、貯金も引いてくれるシステムです。

特に、社内預金制度や財形貯蓄の制度がある会社に勤めている場合は利息なども得なことが多いのでぜひ利用しましょう。ただし、財形貯蓄は万一必要になっても一定期間を過ぎないと下せないので注意が必要です。

3 積立定期預金を利用する

そういう制度がない場合、あるいは会社とは別の形で貯金したい場合は「積立定期預金」というシステムを使用しましょう。

これは銀行が扱っている制度で、毎月一定額が口座から自動で同じ銀行の定期預金の口座に振り替えられる方法です。1回手続きすれば、毎月同じ日に振り替えがあるので、給与の天引きと同じになります。

あるいは、同じ銀行でなくても自動送金という方法で、積立定期預金と同じように、他の銀行の定期預金に毎月積み立てることもできます。利率の少しでも良い定期預金ということで考えるなら、この方法もあるでしょう。

4 できるだけクレジットカードは使わない

また貯金方法とは別ですが、社会人になるとクレジットカードを持つ人が増え、それは買い物をしたり食事に行ったりしたときに便利なので1枚は持っていたほうがよいですが、しかし若いうちは、日常の買い物などではできるだけ使わないことをおすすめします。

クレジットカードとは要は後払いのことなので、自分が今月いくら使ったのかが見えにくいですし、引き落とし日に想定以上の金額が引き落とされて驚く、ということもあり得ます。

またリボルビングなどを使えば毎月定額の支払いで大きな買い物ができるとTVCFなどで誘っていますが、これは簡単に言うと「借金」のことなのでよほどのことがない限り利用しないほうが無難です。

若いうちはまだ考えなくていいこと

さらに、社会人になるといろいろな金融機関から営業されます。

たとえば投資信託などの資産運用や、医療保険、健康保険への加入などです。特に健康保険は会社の社員食堂などに保険会社の外交員が出入りしている場合も多く「社会人になったら保険くらい入らなきゃ」と言って勧誘してくるでしょう。

しかしいずれもまだ考える必要はありません。

まず資産運用は、まだ「運用」という段階ではなく、仮に将来運用するとしても、今はその「もとになるお金」を作る時期です資産運用は、貯金が500万円を超えてから考えれば十分です。

また医療保険、健康保険は将来への不安を煽って加入させようとしますが、若いうちは病気にかかるリスクも少なく、同時に仮に死亡しても残された家族の生活を心配することがありませんから必要ありません。

ですので、まずは地道に毎月貯金をすることだけを考えましょう。

まとめ

いかがですか。

新社会人になると色々と新しいことも多いですし出費も増えますが、しかし自分がきちんと社会人として1人立ちをするということは「世帯を維持する能力」を身につけることです。

ですので、仕事を頑張って給料が上がる努力も大切ですが、その中かからお金を確実に貯金していくということも同じように重要です。ぜひ若いうちにその癖を付けて、しっかり1人前になりましょう。

(文/丹波りん太郎)

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