今、大学生以上の人たちでスマホを含めた携帯電話を持っていない人はどれぐらいいるでしょうか。ビジネスの場でも、携帯電話は当たり前のように使われ、会社から支給された携帯電話と個人で契約している携帯電話の2台を持っている人もたくさんいます。今や、中学生や小学生でも親が携帯電話を買い与え、子供でもスマホを持っていてもまったく不思議ではない時代です。
そんな中、わざわざ月々の基本料金が必要で、通話毎に料金がかかる固定電話を持つ意味はあるのでしょうか。
固定電話にはデメリットしかないのか?
携帯電話を持つことが一般的になった15年ほど前から、固定電話を持つ人が年々減り続けています。
携帯電話なら、話したい相手に直接電話ができますし、家族に交換してもらう必要もありません。また、相手が不在か在宅中か気にしなくても気軽に電話することができます。そういった携帯電話のメリットがたくさんある中、固定電話にはどのようなメリットがあり、デメリットがあるのでしょうか。
かつて、電話といえば固定電話しかありませんでした。私が思春期の頃は、ガールフレンドの家に電話をかけたいが、彼女の父親が電話に出たらどうしようと悩んだりしたものです。
一方、携帯電話であれば、ガールフレンドと直通なので、相手の親とどんな会話をしたらいいのか、悩む必要はまったくありません。また、固定電話には使わなくても維持費がかかるので、携帯電話を持っているなら、わざわざ固定電話を持つ必要がないと考える人も多いでしょう。
結局、固定電話は本当にデメリットしかないのでしょうか。
いえ、そんなことはありません。固定電話にもきちんとメリットがあるのです。
固定電話しかなかったときの子供時代を思い出してみてください。例えば、友達のたかし君の家に電話をするとき、友達の親が電話に出た場合、「こんにちは、たかし君のお宅でしょうか。私は◯◯ですが、たかし君はいらっしゃいますか。」といった風に、かならず電話に出た人へ自分が誰かを紹介し、挨拶をし、要件を言ってますよね。
子供の頃の経験が、将来の仕事の場でも活きる
このように、固定電話を使うことで、子供たちは、挨拶の仕方、自己紹介の仕方、要件の言い方を日常生活で学んでいったのです。これはビジネスにも言えることです。
ビジネスの場面で社員が自席で電話をしているとき、上司は、部下がどのような言葉づかいをしているのか、取引先に対して失礼な対応をしていないか、横で聞くことができます。
しかし、部下が携帯電話を持って席をはずして電話をしてしまった場合、上司は部下がどのような言葉づかいをしているのか、失礼な対応をしていないかが、まったく分からなくなってしまいます。これこそが、携帯電話のデメリットといえるでしょう。
固定電話は自分の信用アップにつながる
今の時代、固定電話はデメリットばかりのように感じがちですが、必ずしもそのようなことはありません。また、安易に番号を変えることができる携帯電話と異なり、固定の電話を持っているというだけで、信用度合はずっと高くなります。
携帯電話と異なり、固定の電話はNTTの権利を購入しなければならないなど、さまざまな制約があるため、簡単に番号を変えることができません。すなわち、固定の電話番号があるということで、いつのまにか電話番号主が変わっていたということは発生しにくいのです。
実際、住宅ローンを組むときは、携帯電話だけではローンの契約はできないこともあります。固定の電話を持つということは、自分の信用情報を上げるということ。今の時代でもちゃんとメリットはあるのです。