【この記事の目次】
「a href」「width」「align」「img src」
いきなりだが上記のHTMLのタグ名称をあなたはスラスラと読めるであろうか?
かつてはデザインやコーディングをする専門家のみが扱っていたHTMLタグだが、今やWeb未経験でもWeb担当者となってしまう時代。そんな人の机の上には使い込まれたHTMLタグのリファレンス本が置かれているのをあなたも目撃したことはないだろうか。
同僚や外注業者と共同作業でWebを作って行く場合、このような用語を用いたコミュニケーションは必要不可欠だ。そこで各自が勝手な読み方で会話を進めてしまったら、そのたびに「それってこれのこと?」と聞き直す手間が生じる。
あなたも「いい加減正しい呼び方を覚えなきゃ」と薄々感じているのではなかろうか?もちろん、先日までの私もそうだった。この機会に今までバラバラに呼んでいたHTMLのタグの呼び名を、せめてあなたと、あなたと一緒に仕事をする仲間たちの間だけでも、統一させてしまおうではないか。
【登場人物紹介】
よしお: Webディレクター歴12年。経験と勘と体力だけで生き抜いてきた会社の古株ディレクター。
明美: 先月入社したWebディレクター歴3年の新入り。几帳面でチェックや校正が得意。
「エーハーフって何よ?」
よしお: 明美ちゃ~ん、さっきC社さんから上がってきたページなんだけど、ざっとソースのチェックをお願いしてもいいかな~?
明美: わかりましたー。やりまーす。(直訳「また細かなチェックを私に押し付けんのかよ!」)
よしお: あ、そうそう、C社さんから上がってくるHTMLって、いつもエーハーフ内のURLの記述が間違っていることが多いから気をつけてね。
明美: えっ?よしおさん、ちょっと、いま何と……??
よしお: いや、だからURLの記述が間違っていることが多いから、
明美: いえ、その前に何と言いましたか……??
よしお: え?エーハーフのこと?リンクのタグじゃん。いっつも使ってんじゃん。
明美: あわわ……それってもしかして、これのことをおっしゃっていませんか?
よしお: なんで?俺何か間違えた?
明美: よしおさん、もしかしていままでずっとその呼び方をしていたのですか……((((;゚Д゚))))
面白いので質問攻めしてみた(笑)
明美: よしおさん、せっかくだからクイズ出してもいいですか?(この人、予想通りの間違え方してくれそう((o(^∇^)o))ワクワク)
よしお: い、、良いよぉ~。(うっわぁ、嫌なこと言うなぁ~こいつ)
明美: 問題!「width」このタグの呼び方はなんでしょうか?
よしお: わ、ワイ……ズ、かな~。
明美: (プププッッッ!!予想通りwww)続いて問題!「align」はどうでしょう?
よしお: アリグン。(若干涙目)
明美: (これも予想通りすぎてwww!!)まだまだ行きます!「height」は?
よしお: これはヘイトでしょう~。
明美: (やっぱりそう呼ぶと思った~www!!)じゃあ「img src」は?
よしお: それはアイエムジー エスアールシーでしょう!違うの?
明美: もぉ~よしおさん、完璧にこっちの思った通りの回答をしていただきましてありがとうございます!
よしお: 合ってたってこと!?
明美: 違います。全部ハズレです!
よしお: まじですか?
10回声に出して、この場で正しい呼び名を覚えよう!
明美: じゃあ答え合わせしましょうか。まずは「a href」。これは「アンカー エイチレフ」と呼びます。「href」は「hypertext reference」の略です。
よしお: へぇ~。俺の周りで「エイチレフ」まで呼んでる奴ってあまりいないかも。みんな「エータグ」って呼んでない?
明美: 「エータグ」も多いですね。でも正確には「アンカー」です。アンカーにはエイチレフだけじゃなくて「a name」とか「a target」とか色々ありますよね?「エータグ=a href」にしちゃうと、ごっちゃになりますよ?
よしお: 確かにね~。アンカー エイチレフね。アンカー エイチレフ、アンカー エイチレフ、アンカー エイチレフ、アン……エッチ…じゃなくてアンカー エイチレフ……
明美: はい、じゃあ次の行きますね。「width」、これは「ウィドゥス」、「ウィズ」2つの呼び方がありますけど、私は「ウィドゥス」って呼びます。「ウィズ」って呼ぶとなんか「with」と区別がつかなくなっちゃいますからね。このタグはよく使うのにダントツで言いにくい名称じゃないですか?
よしお: もう、ワイズでいいじゃん、って思っちゃうけどね。わかりました(泣)。ウィドゥス、ウィドゥス、ウィドゥス、ウィダス、間違えた。ウィドゥス……
明美: いいですね~。じゃあ「align」行きますね。これは「アライン」です。さっき、よしおさん何て言いましたっけ?アグ……
よしお: アリグンって言いました(涙)!!
明美: そう、それよりもアラインの方が発音しやすくないですか?
よしお: まぁね~。じゃあアラインね。アライン、アラ(以下省略)
明美: それから「height」。よしおさん、この呼び方を超自信満々に言ってたからマジウケました(笑)。
よしお: 俺はぶっちゃけこれは合ってると思ったよ?違うの?
明美: ヘイトって「hate」ですからね。
よしお: あ。
明美: 正しくは「ハイト」です。
よしお: ハイト!ハイト!ハイト!ハイト!ハイト!ハイト!ハイト!……
明美: ラスト行きましょうね。「img src」これは「イメージ ソース」です。覚えやすくないですか?
よしお: えっ?ソースだったの!?そうは読めない略し方じゃない?
明美: ですね。もちろん「source」の略ですが。
よしお: そっか~。これは言わなくてもすぐ覚えられるな!
明美: じゃあ復習しましょうか。私が言った5つの呼び方を順番に復唱してください。
よしお: えーっと、エーエイチレフ、ワイズ、アイン、ヘイト、ソース、かな?
明美: ダメだこりゃ(´Д`;)
呼び方を統一させることを侮るなかれ
いかがだったであろうか。以上の呼び間違いは実際に私や私の周りの人間が言っていた呼び方なのだ。
HTMLに限らず、呼び方が統一されていないとまず何のことを言っているのかが相手に正確に伝わらない。もう何年も仕事を一緒にやっている間柄であれば、「あ~はいはい(仕方ねぇな)」で済むこともあろうが、Web業者もデザイン、運営、SEO、SEMと多角化した今の時代、新しいパートナーと仕事を共にする機会は以前よりも確実に増えている。
また、年月が経ってあなたの経験も積まれれば、やがてあなたの後に後輩が入ってくる。彼らがあなたの間違った呼び方を、後から間違いと知ったとしたらどう思うだろうか?
1回や2回間違うくらいなら構わない。日々やり取りを繰り広げる中で、何10回と間違った呼び方を繰り返し続けて、そのたびに相手を不安な思いをさせてしまったり、正しい呼び方を確認させる手間を考えたら「たかが呼び方、されど呼び方」だ。
間違った呼び方による業務の停滞、つまり無駄が1回10秒だったとしても、それが1日10回あれば100秒。1ヵ月でざっと見積もっても100秒×12回=1200秒、1年で1200秒×12ヵ月=14400秒、1年で1人当たり4時間もの悶々とした無駄な時間を送ることになってしまうのだ。
あなただけならまだいい。この悶々とした4時間を一緒に送っている同僚やパートナーが3人いればあなたを含めて16時間、5人いればあなたを含めて24時間分の無駄なコストを排出していることになる。
一度、関わっている全員のおよその時給にこの時間をかけてみればあなたもきっと正しい呼び方にしたくなるであろう。
呼び方を統一させれば、それだけ大幅な時間短縮を図ることができる。時は金なり。ひいてはそこで得た時間をより生産作業に当てることができるのだ。
(文/HOW MATCH編集部)