「若者の車離れ」が叫ばれるようになったのはいつ頃だったでしょうか。かつてはマイホームと同じように若者の憧れだった車は、今では地方でしか必要とされていません。
もちろんまだまだ車を購入する人はいますし、車で通勤している人も多いでしょう。しかしもし首都圏に住んでいるのであれば車を維持するほうが無駄が多いかもしれません。
車の利用目的1位は買い物
車は好きなところに好きなタイミングで行ける優秀な移動手段です。しかし首都圏であれば公共交通機関が網羅していますし、本数もかなり多いです。普通に移動する分には困らないレベルと言えるでしょう。
しかしそれでも車を持っている人は意外と多いですよね。東京では世帯あたり0.5台、神奈川では世帯当たり0.7台の所有率となっています。地方に比べればかなり少ないほうですが、それでも2世帯に1台はあるわけです。ちなみに千葉・埼玉は場所によって差が大きいのか、世帯あたり1台です。
ではそんな車を何に使っているのか。オートバックスが行ったアンケートによると、なんと1位は買い物です。ネット通販が普及したにもかかわらず、24.7%の人が買い物のために使うことが1番多いとのこと。
たしかに実店舗のほうが安い場合は多いですが、車の維持費を計算に入れたらネット通販のほうが安いのではないでしょうか…。
車の維持費は年間50万円
車の維持費については走行距離や排気量によって左右されますが、平均としては年間30~40万円くらいだと言われています。しかしこれが車の購入代金を含めると50~60万円にまで跳ね上がります。
廃車にするまでではありません。毎年50~60万円かかるのです。むしろ購入金額によっては100万円に達することさえあります。
もちろん車は便利です。好きなところに行けますし、他人に気を遣う必要もありません。そういった意味では非常に優秀な移動手段です。
しかし年間50万円の維持費は問題でしょう。ネットスーパーとAmazonや楽天といったネット通販を駆使すれば50万円以下のコストで同じ買い物ができるでしょう。
車ならタクシーを使う
実家に帰ったり旅行に行ったときも同じです。よほど辺鄙なところに行くなら話は別ですが、日本国内なら公共交通機関で近くまで行けるでしょうし、そこからタクシーを使えば問題ありません。
「タクシーなんて無駄遣いの筆頭!」と目の敵のようにタクシーを否定する方もいますが、実際はタクシーのコストは車と大差ないどころか場合によっては安いです。
日常的な買い物でタクシーを使うと考えてみましょう。週に2回買い物帰りにタクシーを使うとして、1回2,000円と仮定します。1年は52週なので倍の104回、つまり年間208,000円です。
買い物の他に月1回10,000円分使ったとしても328,000円です。車の50万円という年間コストより遙かに安いです。むしろ1回2,000円分も乗らない可能性が高いので実際はさらに減るでしょうし、週1回の買い物で済ませられるなら半分になります。
都市部では車がない方が動きやすい
地方では車は必須の移動手段です。車がないと行けない場所も多いですし、公共交通機関も本数が少ないですから時間に左右されます。
しかし都市部であれば車は逆に動きにくくなることもあり得ます。車で移動すれば停める場所を考えることになり、帰りも車を止めた場所まで戻らなければなりません。
一方で公共交通機関であれば乗り遅れたとしても次まで15分も待ちません。朝早くから深夜まで絶え間なく運行されていますから、必要なときに乗れるでしょう。
つまり首都圏で車のメリットはほとんどありません。もちろん旅行が多いとか車通勤なら交通費が出るなどの場合はその限りではりませんが、維持するコストや目的地での手間などあらゆる面で無駄が多いのが車です。
さらにここに交通事故リスクも関わってくるので所有するメリットはありません。むしろ毎年50万円払うのであれば交通の便がいい家に引っ越したほうがいいかもしれませんね。
(文/kaztel)