薄型テレビが2003年頃に登場してからテレビの進化は急速だったと思います。
登場した当初は32インチが20万円という馬鹿げた価格でしたが、今では同じ値段を払えば50インチ以上の大画面のテレビが買えてしまいます。
また、テレビの進化と同時にパソコンのディスプレイも進化・低価格化しており、最近私も21インチを2万円で購入したところです。
しかし今、テレビやディスプレイといった映像コンテンツには新しい波がきています。
子どものころに夢見たヘッドマウントディスプレイ
かつてアニメやゲーム、映画に登場した頭に装着するタイプのディスプレイを見て、「ほしいなぁ」と思った方は多いと思います。私もその1人でした。
しかし夢見ていたのもつかの間、ついに現実になるときが来たようです。
知っている人は知っている、「Project Morpheus」と「Oculus Rift」の登場です。
「Project Morpheus」はソニーが開発しているヘッドマウントディスプレイ(以下、HMD)で、「Oculus Rift」はOculus VR社が開発しているHMDです。
どちらも今までの映像視聴を目的としたHMDとは違い、VR(バーチャルリアリティ)を実現するHMDです。
簡単に言えばこのHMDを付けたまま右を向けば右が見えて、上を向けば上が見えることになります。つまり映像と装着者の動きが連動するわけです。
映画館がなくなる?
どちらのHMDも動きと連動することで没入感を高めるため、ゲームや新しいコンテンツのデバイスとして注目されていますが、「Oculus Rift」では「VR映画館」も登場する予定です。
VR映画館は映像を映すだけではなく、映画館での映画鑑賞をシミュレートする大変興味深いコンテンツで、まるで映画館の席に座っているかのような状態で映画を見られます。
席が気に入らなければメニューを開いて席移動もできますし、前の席に座って邪魔になる背の高い人もいません。完全にプライベート映画館状態です。
実はわざわざ映画館をシミュレートすることには理由があって、映像を直接映すよりも「リアルに感じられる」からだそうです。こればっかりは使ってみないとわからないですけどね。
どちらも発売は2016年を予定
気になる2つのHMDですが、どちらも今のところは2016年の発売を予定しているようです。
ただし2つの違いとして、「Oculus Rift」はWindowsやXbox Oneに対応する予定で、「Project Morpheus」はPlayStation4専用のデバイスとなることです。
今のところ両者の性能差はよくわかっていませんが、「Oculus Rift」をパソコンで使えるようにするには「Oculus Rift」の値段込みで20万円近くになり、「Project Morpheus」はPS4と両方買っても7~8万円と言われています。
ただし「Oculus Rift」が20万円というのはパソコンで使える環境を整えるのに必要な金額が含まれており、HMD本体の価格はどちらも3~5万円を予定しているそうです。
これは映画やゲームの専用ディスプレイとしては破格とも言える価格です。わざわざ20万円を払ってまで大画面のテレビを買う必要はなくなり、テレビよりも迫力のあるHMDが3~5万円で買えます。これは革命でしょう。
もちろん本当に大迫力なのかは体験してみないとわかりませんし、音響の善し悪しや長時間使うことの影響も課題となるでしょう。しかし映画・ゲーム好きの1人としてはいまだかつてないほど心躍る製品です。
対応コンテンツに期待
2大HMDのどちらにしても問題はコンテンツです。いくら優れたデバイスであってもコンテンツに魅力がなければ売れることはないでしょう。その点はすでに優れたコンテンツを多数抱えるPlayStation4専用の「Project Morpheus」が有利でしょうか。
テレビ番組程度にHMDを使うことはほとんどないと思いますが、今後のテレビのありかたに大きな影響を与えるかもしれません。映画やゲームなどの既存コンテンツへの対応はもちろん、新しい映像コンテンツの登場も期待したいですね。
もちろんポップコーンとコーラの用意も忘れずに。
(文/kaztel)