「省エネを意識した住宅を建てたい」「オンラインで仕事ができるようになったので、東京圏から引っ越して自然豊かな場所に住みたい」「エコな生活ができるリフォームをしたい」
このようなことを考えている方は2021年の今がチャンスです!
この記事では「グリーン住宅ポイント制度」の概要やポイントと交換できる追加工事・商品について紹介します。
2021年グリーン住宅ポイント制度の概要
2021年2月に事務局ホームページが公開され、情報が随時更新されている「グリーン住宅ポイント制度」
この制度は国土交通省が新型コロナウイルスの影響により落ち込んだ経済を住宅投資によって回復させることを目的のひとつとした施策です。
さらに、地域の発展、グリーン社会実現への貢献も目標としています。
これらの目的・目標に関わる条件に当てはまる住宅を建築・購入、またはリフォームした場合、相応のポイントが発行され、それを追加工事や商品と交換できるというのが制度の特徴です。
なお、本制度の対象となる第一条件は、2020年(令和2年)12月15日~2021年10月31日までに、工事請負契約または不動産売買契約を締結した場合です。
契約がこの対象期間から外れている場合は制度適用の対象とならないので注意しましょう。
ポイント発行申請をしないともらえない
グリーン住宅ポイント制度を利用する場合、ポイント発行申請を行わなければなりません。
申請期間や揃える必要のある書類などを確認して、期限に間に合わせるようにしましょう。
入居後の申請が基本ですが、入居前の申請が可能な場合もあるので、必ず該当するケースでの申請の流れを確認しましょう。
グリーン住宅ポイントの申請方法|新築・購入・リフォームの流れと必要書類
ポイント発行申請の対象となるケース
ポイント発行申請ができるケースは大きく分けて以下の4ケースです。
それぞれの基本的な要件をまとめます。
新築住宅を建てる・買う
新築住宅を建てる(注文住宅)もしくは新築分譲住宅を購入する場合、制度の対象となる可能性があります。
申請者となり得るのは、注文住宅では建築主や発注者、分譲住宅では購入者で、それぞれ申請者本人が居住することが前提となります。申請できるのは1人1回のみです。
そして、グリーン住宅ポイント制度ならではの申請条件が「省エネ性能を持つ住宅」です。
- 高い省エネ性能等を有する住宅(認定長期優良住宅やZEHなど)
- 一定の省エネ性能を有する住宅(一次エネルギー消費量等級4以上かつ断熱等性能等級4の住宅)
このいずれかの省エネ基準に該当する住宅が対象となります。
「高い省エネ性能」で40万ポイント、「一定の省エネ性能」で30万ポイントが発行されます。
また、
- 東京圏の対象地域外への移住
- 災害リスクの高い区域からの移住
といった移住目的で新築住宅を持つ場合はポイント加算の対象となります。
- 3人以上の18歳未満の子供がいる「多子世帯」が新築住宅を得る
- キッチン、浴室、トイレor玄関の中のどれか2つ以上が複数個ある「三世帯同居仕様の住宅」を新築で得る
という場合もポイントが加算されるので、該当しそうな方は詳細を確認してみましょう。
詳しい内容はコチラ
https://greenpt.mlit.go.jp/new-house/
既存住宅を買う
グリーン住宅ポイント制度上の既存住宅とは、不動産登記事項証明書で2019年12月14日以前の日付にて「新築」と記されている住宅を指します。
既存住宅の場合も、購入者自身が居住することが条件。同一住宅での申請は1回のみ可です。
また、売買代金が税込100万円以上でなければ制度の対象となりません。
さらに以下のいずれかに当てはまることもポイント発行対象の必須条件になります。
- 空き家バンクに登録された住宅である
- 東京圏の対象地域から移住するために購入した既存住宅である
- 災害リスクが高い区域から移住するために購入した既存住宅である
- 住宅の除却(解体)に伴い購入する既存住宅である
なお、既存住宅のリフォームも行うという場合、次に説明するリフォームの申請条件に該当したとしても、既存住宅の申請と併せて行うことはできません。
既存住宅もしくはリフォームのいずれか一方での申請のみ可となります。
既存住宅で発行されるポイントは15万、30万、45万のいずれかになります。
詳細は以下よりご確認ください。
https://greenpt.mlit.go.jp/exisiting-house/
リフォームをする
リフォームの場合、個別申請と一括申請の2タイプがあります。
一括申請とは、同じ建物内の複数の住戸についてリフォームを発注し、その複数戸分の申請をまとめて行うことを指します。
申請者はいずれもリフォーム工事の発注者となります。
個別申請と一括申請で、工事完了前もしくは完了後に申請できるかどうか条件が変わるので注意しましょう。
なお、賃貸住宅のリフォームも対象です。
申請方法は以下で確認
2021年グリーン住宅ポイント制度の申請期限は?おさえるべき対象期間
発行ポイント数はリフォーム工事の種類によって異なります。1申請あたりの合計ポイントが5万ポイント以上の工事でなければ申請の対象となりません。
さらに、下記のいずれかに当てはまる工事をする場合がポイント発行の対象となります。
- エコ住宅設備を設置する
- 開口部の断熱改修をする
- 外壁、屋根・天井または床の断熱改修をする
重ねて、耐震改修、バリアフリー改修、リフォーム瑕疵保険等への加入なども併せて行うと、ポイントが加算されます。
なお、発行ポイントには上限があり、既存住宅を購入するかしないか、若者・子育て世代かどうか等によって30万・45万・60万と変わります。
上限内であれば、同一の住宅でも複数回申請が可能です。
対象となるリフォーム工事の条件など詳細は以下よりご確認ください。
https://greenpt.mlit.go.jp/reform/
賃貸住宅を建てる
賃貸住宅建築でのポイント発行の場合、戸建て住宅は除外されます。
住居として独立したユニットが2戸以上ある共同住宅などがポイント発行の対象となりますが、店舗併用の建物、所有者の居宅を含む建物は対象外なので注意しましょう。
さらに、全戸について下記を満たしていることも必須条件となります。
- 全戸の床面積が40平米以上
- 住宅のトップランナー制度(建築物省エネ法に基づく)の賃貸住宅にかかる基準に適合
発行ポイント数は1戸あたり10万ポイント×総戸数です。
なお、賃貸住宅建築の場合、ポイントは追加工事のみと交換可能で、商品との交換はできません。
賃貸住宅建築のケースでさらに詳しい情報は以下よりご確認ください。
https://greenpt.mlit.go.jp/rental-apartment-building/
ポイントと交換できる追加工事
ポイントは商品のほか、追加工事に充当することも可能です。
1ポイントが1円相当となり、1000ポイント単位で追加工事の費用すべてもしくは一部に充てることができます。
なお、追加工事を行う事業者は、ポイント発行の対象となる契約を結んだ事業者と同一でなければいけません。工事交換申請書の提出が必須になりますが、事業者が代理で申請を行わなければならないので注意しましょう。(完了前ポイント発行申請の場合、必要となる完了報告も事業者が代理で行います)
なお、交換対象工事のジャンルは大きく分けて
- 新型コロナウイルス対策も踏まえた、「新たな日常」に資する追加工事
- 停電や台風、地震対策の一環となる、防災に資する追加工事
この2つになります。
それぞれ、どのような工事が対象になるか簡単にまとめます。
「新たな日常」に資する追加工事の対象
新型コロナウイルス対策として「新たな日常」に対応することが求められている昨今、快適なおうち時間が過ごせるようになる以下のような工事が対象となっています。
- ワークスペースの設置(間取りの変更、テレワーク関連設備の設置等を含む)
- 菌・ウイルス拡散防止工事(抗ウイルス・抗菌建材や非接触型設備の設置等)
- 空気環境向上工事(換気設備などの設置等)
- 音環境向上工事(防音設備の設置)
- 家事負担軽減に資する工事(キッチンやトイレ周りなどの設備設置等)
防災に資する追加工事の対象
毎年のように全国のどこかで大きな被害をもたらす自然災害。その防災に役立つ以下のような工事も対象です。
- 水害・台風対策(窓ガラスや屋根瓦の飛散防止など)
- 地震対策(家具固定器具や感電ブレーカーの設置など)
- 停電・断水対策(太陽光発電や蓄電池の設置、雨水タンクや貯水タンクの設置など)
追加工事についての詳細は以下よりご確認ください。
https://greenpt.mlit.go.jp/additional-construction/
ポイントと交換できる商品
交換商品が2021年3月29日に公表されました。
引き続き、商品の募集は続いています。(2021年11月30日まで追加予定)
募集している商品のテーマは以下の通りです。
- ウイズ・コロナに対応する「新たな日常」に資する商品
- 生産・加工等の工程で環境への配慮がある省エネ・環境配慮に優れた商品
- 災害の被害防止や避難などに役立つ防災関連商品
- 子供の健やかな成長に役立つ子育て関連商品
- 家事負担軽減に資する商品
- 高齢者が安心して暮らせる環境づくり、健康の増進などに役立つ健康関連商品
- 特定地域の資源を活かした農林水産物や伝統工芸品など地域振興に資する商品
まとめ
新型コロナウイルスや度重なる災害など、日常生活を送る中で不安が尽きない状況の中、生活の拠点となる住居を少しでも安心で居心地のよい空間にしたいと考えている方は多いでしょう。
グリーン住宅ポイント制度を利用すれば、災害リスクの高いエリアから移住するために住宅を購入したり、省エネにつながるリフォームをしたりすることで、よりよい日常を送るためのポイントがもらえます。
不安が多い中での住宅投資は勇気がいることかもしれませんが、この状況だからこそ生まれた制度と考えると、チャンスを活かして今こそ生活の向上を目指すときなのかもしれません。
この機会に新しい生活を手に入れませんか?