新年度がスタートしてしばらく経過する。
筆者は個人事業主なので、またまた来年の確定申告に向けての、ちょっとした書類の整理なんかも一からやり直している。
昨年末は、自分で言うのもなんだけど、かなり確定申告がスムーズに進んでいた。
2月の頭には全ての準備が完了したし、万事問題なく済ませることができたし、還付金も戻ってきている。
しかし、慣れない人にとっては確定申告というのは、なかなかの鬼門だ。
個人事業主になって2年とか3年目の人なんて、まだまだ困惑することも多いようだ。
青色申告って、いいよね!
一般的に、個人事業主が確定申告をする場合、白色申告と青色申告があるというのは、周知の事実。
簡単に書くと、白色は青色よりも付帯するサービスというか、メリットの還元が少ない。
一応、白色申告の場合でも、自分の業務を家族が手伝う場合、家族1人につき年間500,000円から860,000円までの控除を受けることができるが、目に見える利点は本当にこのぐらい。
対して青色は、最高で650,000円までの特別控除を受けることができたり、家族が業務の手伝いをしてくれる場合、その給与を経費として全額計上できる。
また、以前は白色申告の方が明らかに手続きが簡単だったけど、現在では白色も青色も、手間はそんなに変わらない。
なので特別なめんどくさがり屋さんでもない限りは、青色申告を選択する方が何かと良い。
青色の場合、用意する決算書の種類が白色より若干多いが、それだって別に手間取るものでもない。
会計ソフトなんかを導入しておくと、そういった手間もガイダンスに従って数字を入力するだけで完成するので、後はそれをプリントアウトするなりしておくだけでいい。
それと、個人事業主にとって目の上のたんこぶなのが、赤字だ。
白色申告の場合、赤字はあくまでも赤字で、翌年への繰り越しはできない。
しかしこれも青色申告ならば、向こう3年先まで赤字繰り越しができる。
初年度は赤を打つ可能性が高いビジネスに着手するというのであれば、最初から白色は選ばないで、青色にしておくと安心できるだろう。
青色申告したいなら、申請書を忘れず提出!
上記のように、青色申告には白色にはない利点がいくつもあり、個人事業主をバックアップしてくれる。
ただ、だからと言って昨年度に白色申告をしていた個人事業主が、「じゃあ俺も、来年は青色で~」と軽い気持ちで青色申告の準備をしていると、これは徒労に終わる。
というのも、青色申告をしたい場合には、青色申告承認申請書を事前に提出しておかなければならないからだ。
筆者の知人は、このことを知らなかった。
そのため、せっかく苦労して青色申告の書類を用意したのに、税務署で恥をかくことになってしまった。
なんとか青色で通してほしいと思ったそうだが、そこはルールに則って行うものなので、結局知人はこの年、白色申告で処理されてしまったそうだ。
青色申告承認申請書は、税務署ならどこにでも置いてある。
だから一番いいのは、確定申告の時期に税務署を訪れて、帰り際にもらっておくことだ。
また、ネットでダウンロードすることもできる。
税務署のサイトではネット経由でも確定申告書類を提出できる「e-Tax」という仕組みもあるので、極端な話、いちいち税務署に出向かなくても何から何まで手続きすることもできる。
まあなんにしても、青色申告をしたいなら、申請書を提出することは欠かせないし、これに例外はないということだけ覚えておこう。
青色申告承認申請書の申請期限は毎年3月15日まで!
で、この青色申告承認申請書の提出期限だけど、これは毎年3月15日までとなっている。
確定申告が済んだら、すぐにでも申請しておけば問題がない。
というか、確定申告の書類を提出することと、翌年度の承認申請書を提出することは、一つのセオリーとして覚えておくべきかもしれない。
万が一提出し忘れたら、残念ながら翌年度は青色申告はできない。
この場合は白色申告をした後に、欠かさず翌年の青色申告を申請しておこう。
(文/松本ミゾレ)