預金や貯金をしていると、元のお金に対して利子がついて、お金が増えて行きますよね?しかし、この利子にも税金がかかっていることはご存知でしょうか?
税金は所得を得た時にかかる所得税や、遺産相続をした時にかかる相続税、財産を貰った時にかかる贈与税など、お金や財産を得た時にかかることが大半です。
利子もお金を得ることになりますので、ちゃんと利子所得に対しての税金が取られるのです。
でも、全ての状況において税金がかかるというわけではありません。中には税金がかからない貯蓄の方法や、税金がかからない人もいらっしゃいます。
知らないと損する貯蓄に対する税金事情を理解しておきましょう。
【この記事の目次】
どれくらい税金がかかっているの?
では利子には一体どれくらいの税金がかかっているのでしょうか?結論から申しますと、利子にかかる税金の率は20パーセントです。これは、金額の多い少ない、預金口座の種類の如何に限らず一律で20パーセントと決まっています。
20パーセントの内訳は、国に納める国税が15パーセント、地方に納める地方税が5パーセントです。ただ、2037年までは少しだけ税率が高くなっており、20.315パーセントとなっています。
これは、東日本大震災の復興のために、2013年1月から2037年12月末までの間、税率が上乗せされているという事情でこのようになっています。
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どうやって税金を納めればいいの?
では、利子にかかる税金はどうやって支払えば良いのでしょうか?たとえば会社員の場合は、所得税も住民税も従業員の代わりに会社が支払ってくれています。
個人事業主の場合は、所得税も住民税も自分で支払わなくてはなりません。銀行引き落としにしている人や、コンビニで支払っている人などさまざまな方法で支払っておられるようですが、最近はクレジットカードで支払いができますので、税金を支払う時にもお得にポイントを貯めておられるかたもいます。
預金の利子の支払いはといいますと、銀行が税金を差し引いてくれており、預金者に代わって納めてくれています。
このように、税金を引いて納めてくれる方法を源泉分離課税といいますので、よかったら覚えておいて下さい。
税金を納めなくて良い人もいるの?
利子には一律で税金がかかると紹介しましたが、実は税金がかからない人もいます。一体どういう人なら税金がかからないのでしょうか?
それは、
- 「身体障害者手帳の交付を受けている人」
- 「障害年金をもらっている人」
- 「遺族年金や寡婦年金をもらっている妻」
などが対象となっています。このことを障害者等のマル優といいまして、少額貯蓄非課税制度とも呼ばれています。
でも、無制限というわけではありません。貯蓄している元のお金が1人あたり350万円までにかかる利子が非課税となっており、それ以上の場合は課税されます。
そういうと、「じゃぁ銀行を分けたら節税できるの?」と思われるかも知れませんが、複数の口座の元金を合わせて350万円までですので、銀行を分けても同じです。
利子にかかる税金が非課税になるのは嬉しいことかも知れませんが、ちょっとした手間もかかります。それは、預金の度に確認書類を提示の上、申告書や申請書の提出が必要です。
また、ネット銀行では適用不可の場合もありますので注意が必要です。
財形貯蓄とは
障害者等のマル優に該当しなくても、利子に対する税金が非課税となる方法もあります。
それは、財形貯蓄です。財形貯蓄は勤務先の企業が給料から天引きでお金を貯めてくれるシステムです。会社が管理しているわけではなく、会社の取引している金融機関で貯めてくれているので安心です。
財形貯蓄制度には
- 使い方は自由な一般財形貯蓄
- 住宅資金を蓄えることを目的とした財形住宅貯蓄
- 老齢になってからの財形年金貯蓄
の3種類がありますこのうち、財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄の2つの利子が非課税となります。
こちらも上限がありまして、財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄を合わせて元本が550万円を上限としています。
ただ、この2つの財形貯蓄は住宅購入や年金を蓄えるための制度なので、目的外に使用した場合は過去5年にさかのぼって利子がかかってくるので注意が必要です。
しかし、5年以上前の分は非課税となりますので、目的外に使った場合もお得に利用することは可能といえるでしょう。
税制メリットのある確定拠出年金とは
資産を蓄えていく方法の中で税制のメリットが大きいものに確定拠出年金というものがあります。
通常年金は国や企業が一定基準で老後の保証をしてくれますが、確定拠出年金は加入者が自ら資産運用をして、その実績に応じて年金額が決まるという方法です。
基礎年金や厚生年金の補完的な役割としてポジションを確立している年金であり、公的年金の上乗せを目指して運用をしている人も多いようです。
確定拠出年金には企業型と個人型があり、それぞれ中身は違います。では、それぞれの内容を見て行きましょう。
個人型と企業型の違い
確定拠出年金の個人型は、サラリーマン(企業年金や企業型の確定拠出年金の対象となっていない)や、自営業者が加入対象となっています。
掛け金は自分で出さなければならず、会社から出すのはNGです。本人の申請によって任意での加入となっています。
企業型は、企業と従業員の合意によって成立します。掛け金は原則、企業が出しますが、個人が出すことも可能です。労使の合意によっての加入が条件となります。
掛け金が所得から控除される
確定拠出年金には3つの税制メリットがあります。
- 掛け金が所得から控除されるというメリット
- 運用で得た利益は非課税というメリット
- 受け取る時も優遇されるというメリット
の3つです。
まず、掛け金が所得から控除されるというメリットについては、会社が負担した企業型確定拠出年金の掛け金には税金がかかりません。個人型確定拠出年金の掛け金も所得控除となって非課税となります。
所得控除というのは、税金の計算の時に一定額は省いて計算してもいいよという金額のことで、要するに税金が軽くなるというイメージをしていただければ大丈夫です。
確定拠出年金で積み立てをすると、控除のお陰で所得税や住民税が軽減されるというメリットがあるのです。
運用で得た利益は非課税
通常、金融商品の場合は20パーセントの税金がかかると解説しましたが、確定拠出年金を運用したことによる利益には課税されません。
そのため、運用益を元本に乗せて、新たに運用することが可能ですので、いわゆる複利の効果が大きいといえるでしょう。
受け取る時も優遇
受け取る時も税制のメリットがあります。退職の時にまとめて受けて取る場合(一時金の場合)は、退職所得控除として税金が控除され、年金受け取りをする場合には公的年金控除となりますので、いずれにしても税制のメリットは大きいでしょう。
このように確定拠出年金は、入り口から出口までの間、税制メリットを享受できるうれしい制度だといえます。
まとめ
繰り返しになりますが、預貯金の利子には実は税金がかかっており、その税率は一律で20パーセント以上となっております。
しかし、障害者等のマル優の場合は350万円までは非課税ですし、財形貯蓄も税系住宅や財形年金は合わせて550万円までは非課税となります。
他にも税制メリットの大きい確定拠出年金などもあり、こういったことを知っている人ほどお得に資産を蓄えることが可能となります。
大切なお金ですから、しっかりお得に蓄えて行きたいものですよね。