同じ年収500万円だとしても、独身での年収500万円と結婚して家族を養っていく場合の年収500万円では、その生活水準は異なります。
生活水準だけでなく、出費するものの種類も大きく異なるでしょう。たとえば独身時代には自分の好きなものに消費することが中心だったのに、結婚したあとは住宅ローンや生命保険、子どもがいる場合には教育費用など、月々支払わなければならない固定費の割合が格段に高くなるでしょう。
この記事では独身での年収500万円と結婚してからの年収500万円の違いについて紹介します。はたして結婚したら生活がどのように変わるのでしょうか?
【この記事の目次】
年収500万円は低所得世帯に入るのか?
そもそも年収500万円は低所得世帯なのでしょうか?実は一般的に低所得世帯といわれているのは年収200万円以下とされています。
国税庁の調査では、平成26年の日本の平均年収は415万円です。世帯年収の平均で見ますと厚生労働省が統計を発表しており、549.6万円とのことです。
ただ、平均値は富裕層などが極端に稼いでいると一気に跳ね上がってしまいます。たとえば年収500万円の人が4人、年収1億円の人が1人いる5人グループの場合、大半が年収500万円なのに、平均は2,400万円となり、参考にならない場合もあります。
そこで、データを小さい順に並べたときに中央に位置するデータである中央値も参考にすると、中央値は438万円となります。
平均値と中央値のどちらを参考にしても、年収500万円は中流以上の年収といえそうです。
年収別の結婚率データを紹介
内閣府の「結婚・家族形成に関する調査」によると、男性の場合と女性の場合の結婚率はほとんど差がありませんが、男性の場合は年収の高さと結婚率の高さはほぼ比例しています。
20代の場合、年収500万円以上ですと結婚率も4割近くなりますが、
- 年収400万円から500万円で36.5パーセント
- 年収300万円から400万円ですと25.7パーセント
- 300万円以下になりますと8.7パーセント
までに低下します。
30代の場合も同様に、
- 年収500万円以上で35.3パーセント
- 年収400万円から500万円で29.4パーセント
- 年収300万円から400万円ですと26.5パーセント
- 300万円以下になりますと9.3パーセント
までに低下します。
女性は年収にばらつきがありませんが、男性は年収と比例しますので、男性はしっかりと稼がないと結婚しにくい状況といえます。
独身で一人暮らしの理想的な家計
年収500万円の人の手取りは約400万円です。月割すると33.4万円の手取りとなります。この金額をもとにファイナンシャルプランナーの資格を持つ著者が、無理なく生活できるレベルの理想的な家計をモデルケースとして提案します。
【年収500万円 独身の場合のモデルケースの提案】
収入 | 33.4万円 | |
支出 | 家賃 | 9万円 |
食費 | 6万円 | |
通信費 | 2万円 | |
水道光熱費 | 2万円 | |
衣服費 | 1万円 | |
日用品 | 1万円 | |
保険料 | 1万円 | |
交際費 | 2万円 | |
遊興費 | 2万円 | |
その他 | 2万円 | |
合計 | 28万円 | |
残り | 5.4万円貯蓄にまわす |
このモデルケースのポイントは、貯蓄をしっかりとしながらそれなりにゆとりのある生活ができるというところです。
住宅を購入する場合のローンの月々の支払の目安は、一般的に収入の25パーセント以内と言われているので、今回の場合は10万円ほどの家賃を支払うことができるのですが、独り暮らしですので少し切り詰めて8万円までを提案いたします。
保険料は家族がいない間は保険料が安い掛け捨てタイプでも良いでしょう。家族ができてから貯蓄性のある保険も検討しましょう。
貯蓄は毎月5.4万円貯めていると、64.8万円貯まります。10年で648万円となりますので、自由にお金が使える間に少しでも貯えておくことをおすすめします。
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結婚したらまず考えるべきこと
結婚をした場合は、それまでの金銭感覚や生活水準でいた場合には苦しい状況となってしまうでしょう。
夫婦2人の世帯の場合だとしても、家族が増えた分、食費は倍になりますし、通信費も倍になります。
独身の時よりも部屋の間取りが広くなると家賃も高くなる可能性がありますし、水道光熱費も上がるでしょう。
そして、娯楽費も今まで1人分だったのが倍になりますので、できることなら家計簿をつけるなどして、出費のペースを把握しておきましょう。
出産前はいつまで働けばいいの?
もしも奥さんが妊娠した場合、いつまで働けば良いのでしょうか?あくまでもお金の観点からお話すると、出産直前まで働くと経済的には楽だといえます。
ただ、大事なお子さんを安全に出産することが最優先ですので、体調的には医師としっかりと相談することが必須です。
また、出産前後には産休を取ることができますし、産休のあとは育休を取れることも法律で保障されています。
出産前後は物要りとなりますが、出産に関する手当や育児休業に対する手当など、さまざまな手当がありますので、そういった公的制度をきっちりと活用して経済的負担を軽減することをおすすめします。
学資保険のすすめ
無事に子どもが生まれたら学資保険への加入をおすすめします。学資保険は教育費用の設計を目的に、毎月支払った保険料が満期になった時に返ってくる保険です。
保険会社や保険商品にもよりますが、毎月保険料を支払い、大学入学時から断続的に保険金がおりるものや、小学校や中学校の入学などの時にもちょこちょこと保険金がおりるものもあります。
いずれにせよ、子どもの教育費用は公立か私立かにもよりますが、おおよそで700万円から2,000万円かかるといわれています。
節目のタイミングで少しでも費用が捻出できるように、子どもが産まれたらすぐにでも学資保険を検討しましょう。
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年収500万円4人世帯の理想的な家計
夫婦2人と子ども2人の場合で住宅ローンがある場合のモデルケースを提案します。
正直にいいますと、この場合はかなりギリギリといわざるを得ません。共働きをおすすめしますが、事情があってご主人だけの給料でやっていく場合は下記を目安に家計プランを立てられてはいかがでしょうか?
【年収500万円 4人世帯の場合のモデルケースの提案】
収入 | 33.4万円 | |
支出 | 住宅ローン | 10万円(ボーナス払い含む) |
水道光熱費 | 2万円 | |
食費 | 6万円 | |
日用品 | 1万円 | |
通信費 | 2万円 | |
教育費 | 3万円 | |
小遣い | 2万円 | |
保険 | 1.5万円 | |
遊興費 | 1万円 | |
自家用車関連 | 1.5万円(車検代、自動車保険含む) | |
住宅維持費用 | 1万円(固定資産税含む) | |
合計 | 31万円 | |
残り | 2.4万円:貯蓄にまわす |
切り詰めるところは切り詰めながら、無理のない生活ができるプランを提案しております。
住宅ローンや教育費、保険など、一般的に言われている目安の最低基準程度で設計し、まとめて払わなければならない車検代や固定資産税などの積み立ても同時に行っています。
冠婚葬祭などの臨時出費にそなえるために、貯蓄もしっかりとしておきましょう。
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まとめ
ご覧頂いたように、同じ年収500万円だったとしても、独身の場合と結婚してからでは使えるお金が大きく変わります。
結婚すると生活費が上がりますし、マイホームを購入すると住宅ローンがのしかかります。子どもが産まれると教育費用がかかってくるので、独身の時からしっかりと貯えておくことが大切です。
結婚後も無理のない範囲で節約をしながら、貯蓄はしっかりとしておくことがおすすめです。