かつてアイロンほどの大きさで、肩から斜め掛けして使う数キロほどの重量を持つものを「携帯電話」と呼んだ時代も今は昔。スマートフォンの普及率はいまや7割に迫るといわれ、Wi-Fiに光回線・電気事業と、ここ数十年の間に通信会社の事業は多岐に渡るようになりました。
そんな通信キャリア御三家のひとつ、ソフトバンクの年収や会社情報について調べてみたいと思います。
【この記事の目次】
御三家の中でも「攻めてる」イメージのソフトバンク
ソフトバンクのWebサイトによると、同社の設立は1981年。東京都港区に本社を置き、資本金は約2,387億円です。
子会社、関連会社を含めると800数十社にものぼり、NTTドコモ、KDDI(au)の2社より遅れて通信事業に新規参入したとはいえ、今や押しも押されぬ大企業です。
CMの「お父さん犬」で親しみやすさを感じつつも、なんとなく革新的な攻めているイメージがあるソフトバンク。孫社長の経営理念「情報革命」に賛同する人々が集まり、創業30年以上を経てなおITベンチャー気質を保っているからかもしれません。
平均年収は1,164万円、ベンチャーといえども大企業
Yahoo!ファイナンスで最新の会社概要を確認すると、ソフトバンクグループの平均年収は1,164万円と出ています。
平均年齢は40.2歳、ソフトバンクグループ単独の従業員数は199人ですが、関連企業を含めた社員数は6万人を超え、単独の会社規模こそ小さいものの、連結従業員数と平均年収はNTTドコモとKDDIを抜いてトップです。
ITベンチャー企業とはいえ、入社すればかなりの高収入が期待できるといえるでしょう。
30歳時点の平均年収は約660万円
ただ、やはりというべきか平均勤続年数は5~7年と短めです。他2社の平均勤続年数が16~17年であることと比べても、これはかなり短めだといえるでしょう。
会社のこれまでの経営方針を考えても「ゆったりのんびり働いて年功序列で収入アップ」とはいかないようですね。
年収・収入に関する総合情報サイト「年収ガイド」によると、ソフトバンクの30歳時点での平均年収は約660万円ほどと出ています。新しい事業展開に熱意を持って働けるなら、およそ40代前半で年収1,000万円台に上がることも可能でしょう。
若い世代でも中途採用であっても、能力があれば頑張り次第で十分高収入が狙える環境だといえそうです。
同業他社に比べて生涯賃金の差が1億円も
同じく「年収ガイド」でNTTドコモとKDDIの平均年収を調べてみると、定年直前まで働いても年収は1,000万円台に上がることはなく、最終的な生涯賃金はそれぞれ約3億2,000万~4,000万円と出ていました。
ソフトバンクグループの生涯賃金は約4億1,400万円なので、生涯賃金の差はなんと約1億円ほどあることになります。
NTTもKDDIも決して年収が低い訳ではないことを考えると、やはりソフトバンクは高収入が狙える企業だといえそうです。
革新的な経営方針にどこまでついていけるか?
データだけを見れば、平均勤続年数や平均年収は年々右肩上がりの優良企業のようですが、前出の通りベンチャー気質で平均勤続年数も同業他社に比べれば短いため、入社後にしっかり社風についていけるか、どこまで熱意を持って情報革命に挑めるかが出世のカギとなるでしょう。
ただ、フロンティア精神のある社員は途中で独立起業を考えるために勤続年数が伸びない、という側面もあるかもしれません。ソフトバンクグループは、野心のある社員にとって最高の学びの場所であり、モチベーションを保てる環境が用意されている企業なのでしょう。
独立にあたり「ソフトバンクで働いていた」という経歴は充分メリットになり得ると考えられます。
孫社長の求心力で大きくなった、と言っても過言ではないソフトバンクグループ。経営理念とモチベーションがマッチした結果、社内で出世や高収入を狙うもよし、経営スキルを学んで独立起業の野心を燃やすもよし。
「生きた企業」の魅力に溢れた会社に、あなたもトライしてみてはいかがでしょうか。
(文/木野紫 写真/GongTo / Shutterstock.com)