春から新入社員として働き始めた人も、ようやく仕事に慣れてきた時期ではないでしょうか。少しずつ給与と支出のサイクルも決まってきたかもしれません。
今はお金を使いたくなる時期ですが、実は、新入社員として働き始めたタイミングは貯金を始めるべき時期です。入社1年目に身に付けたい貯金の習慣をご紹介します。
住民税がない1年目はビッグボーナス
入社1年目は2年目以降と比較すると手取り収入が多いです。その理由は、住民税の支払いがかからないからです。なぜ、住民税の支払いがかからないことが貯金のメリットになるのでしょうか。
住民税は前年の所得に応じて支払う税金です。そのため、入社1年目の新社会人には住民税の負担が発生しません。一般的な新卒社会人は、平均して額面給与20万円前後だと思います。
入社2年目からは毎月10,000円程度の住民税が課せられてしまい、手取り収入が減ってしまうのです。
言い換えると、新卒社会人の場合は入社2年目以降と比較すると、1万円余分に貯金できることになります。このタイミングをきっかけに、貯金癖を身に付けるようにしましょう。
新入社員が覚えておきたい貯金術のコツ
学生時代と違い、社会人はもらえるお金が増えます。多くの人は学生時代の収入が毎月数万円程度だったはずです。しかし、社会人になると一気に数倍の収入に変わります。初任給を手にしたとき、社会に認められたと実感できるのではないでしょうか。この初任給をどのように管理するかで、今後の貯蓄事情が決まってくるといっても過言ではありません。
一人暮らしだと月々の家賃や食費、水道光熱費などの生活費も自分で払わなければならず、実家暮らしよりも使えるお金は少ないのですが、それでも「貯金をしている人」と「そうでない人」がいることも事実です。社会人1年目に貯金の習慣を身に付ける方法を見てみましょう。
まず、試したい貯金の方法は定期積立です。給料日に口座からお金が自動的に引き落とされる仕組みを作れば、あらかじめ積立分が天引きされた状態で1か月が始まります。意識せずに貯金ができるため、貯金習慣が作れるはずです。
次に、会社で財形貯蓄制度が行われている場合、利用するのも貯蓄方法のひとつです。一般的な金融機関の金利よりも条件がよいため、預け入れておくとお金が増えます。
また、定期積立以上に自分で引き出すことが難しいということもあって、貯金しやすいというメリットがあると思います。新入社員のうちに財形貯蓄制度を始めることで堅実さをアピールでき、会社からの印象もアップするかもしれません。
「残った分を貯金する」ではなく、このように一定額を「先取り」で貯金をしていけば、目標を決めて計画的に貯められ、平均貯蓄額を上回る資産形成も不可能ではありません。
数年経って、年収が上がったとしても、まったく貯蓄習慣がなかった人は、あればあるだけ使ってしまい、貯金しようと思っても意外とできないものです。自分に合った貯蓄方法を身に付け、習慣づけていくことが何より大切なのです。
また、新しく口座開設する場合は、勤務先に確認したうえで、給与振込口座に指定するメインバンクと、用途によって使い分けるためのサブバンクの2行を開設することをおすすめします。振込手数料やATM利用手数料が無料か、金利の比較的高いネット銀行にするかなど、生活パターンや消費のスタイルによって選ぶポイントが違うと思います。特に、手数料は1回だと少額でも、年間~この先何十年もの単位で考えると「チリも積もれば山となる」でかなり大きな出費になります。
また、ネットショッピングをよくするという方は、楽天スーパーポイントが貯まる楽天銀行なども良いでしょう。
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副業や投資はペースを掴んでから
社会人1年目は、「もっとお給料がもらえると思っていた」というギャップがある時期かもしれません。住民税はかかりませんが、厚生年金などの社会保険料や雇用保険等が差し引かれるため、額面と手取り額の違いに驚く方も少なくないでしょう。
そこで、副業や投資を始めたいと考える人もいると思います。しかし、副業や投資は社会人生活に慣れてからにしましょう。
まず、副業についてはたくさんの時間を取られてしまいます。社会人として成長する時期に目先の現金を追いかけると、本来なら身に付くべきスキルが習得できなくなってしまうのです。自分の時間を確保し、成長するためにも副業は先延ばしにすべきです。
投資については、人によっては多くの時間をとられることなく始めることができます。しかし、投資はハイリスクハイリターンです。
社会人としての金銭感覚が定着していない状態で始めると、少し結果が出たときに無駄遣いを覚えたり、大きく負けたために生活が安定しなかったりということが考えられます。ある程度社会人として安定してから投資を始めるのがよいでしょう。
また、転職について考える人もいるかもしれませんが、特に第二新卒の場合、転職して、年収があがるのはごく一部だと言われています。転職が給与アップにつながるなどと期待せず、今の会社で一人前になれるよう、まずは先輩社会人に習って経験を積むべきです。
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少しずつ貯金をする習慣を作ろう
住民税が発生しない社会人1年目は、貯金を始めるのに最適な時期です。言い換えると、社会人1年目で貯金の習慣が身に付かないと、今後の社会人生活で貯金ができなくなってしまうかもしれません。
少しずつでよいので貯金の習慣を身に付け、将来の目標に向かって資産形成を始めましょう。
(文/三堂有人)
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