高い利息がついた時代の資産運用といえば定期預金でしたが、低金利になった今はさまざまな資産運用があります。その中で一番メジャーなのは投資ではないでしょうか。
投資を始めたきっかけはさまざまありますが、具体的にお金がもらえる(配当金)、特典がある(自社製品や商品券のプレゼント)など「お得」が分かりやすいという点で株主優待を目的とした株投資をする人はとても多いです。
株主優待を上手に利用してお得な生活をしてみませんか?
株価が下がっても株主優待はもらえる
1,000社以上が株主優待を導入しているいま、多くの株を保有する優待マニアがいるほどです。株取引は怖いという人は多くいますが、その理由の大半は損が怖いのです。
確かに価値が下がれば損はしますが、現物取引の場合は株を保有している会社が倒産しても価値ゼロになるだけで、信用取引のようにマイナス(=借金)になることはありません。
例えば1株1,000円の株を現物で100株買うと10万円、1,010円に価値が上がっても10×100=1,000円しか得できません。しかしここに株主優待が入れば利益が増えます。
また株主優待のメリットは株価が下がっても優待内容は変わらないのです。ただし株主優待を得るには「該当の株を持っていなくてはいけない時期」があるので注意しましょう。
株主権利に注意
株主権利とは配当金、株主優待、株式分割、株主総会への出席などその銘柄を保有することで株主として得ることができる権利です。その権利を得て株主優待を手にするるためには「権利確定日」と「権利付き最終日(権利取り日)」と「権利落ち日」について理解しておく必要があります。
- 権利確定日 … 権利が確定する日
- 権利付き最終日 … 権利確定日の3営業日前(権利確定日当日を含まない)
- 権利落ち日 … 権利付き最終日の翌営業日
2016年3月31日(木)が権利確定日の場合、3営業日前の3月28日(月)が権利付き最終日です(土日祝は営業日にカウントしません、間にある場合は注意して下さい)。
権利確定日に買えば株主優待をもらえると勘違いしている人が多いので注意が必要です。株主優待が欲しい場合は該当銘柄の株を権利付き最終日時点で保有している必要があります。
「株主優待がもらえたらその株はもう要らない」という人もいるでしょう。その場合は権利落ち日(3月29日)以降に売りましょう。権利落ち日に売っても株主優待を得ることができます。
このことから株価は権利付き最終日に向かって上昇し、翌日の権利落ち日に一気に下がります。権利確定だけが目的だったり、他に投資したい銘柄がある投資家は多く、それだけ株価が下がるのです。株式の売買でも利益を得たい場合はタイミングに注意して下さい。
おすすめの株主優待(権利月:3月)
オリックス(8591)
家族で出かけたいと考えている人にはがオリックス(8591)をおすすめします。オリックスの株主カードはレンタカー、レジャー施設などで割引を受けることができます(レンタカー利用料30%割引、水族館入場料10%割引、ホテル・旅館の宿泊料割引、プロ野球観戦が優待価格など)。
またオリックスの権利確定月は3月と9月ですが、3月のみ5,000円相当の自社取引先取扱商品をカタログから選べます。どちらも100株以上保有していれば受けられる優待です。
過去1ヶ月の株価は1,500~1,600円/株で変動しているので、これから株価が上昇することを考えると15~18万円で購入できると思います。
ANA HD(9202)
頻繁に飛行機を使う人はANA HD(9202)がおすすめです。1,000株以上の保有で国内路線片道1区間の50%割引の株主番号案内書1枚プレゼント。保有株数に応じて枚数は増えます。
過去1ヶ月の株価は320~340円/株で変動しているので、これから株価が上昇することを考えると32~36万円で購入できると思います。
その他おすすめの株
他にもお得に外食をしたい人にはアトム(ステーキ宮、甘太郎、北海道などアトムとコロワイドグループ各店で使える株主優待ポイントを100株から保有株数に応じてプレゼント)、家電製品などの購入を考えている人はヤマダ電機(500円分の株主優待券を100株から保有株数に応じた枚数プレゼント)がおすすめです。
株主優待を受けたいならお早めの購入を
優待内容は各社さまざまなのでライフスタイルに合わせて選択する必要があります。また株主優待はすぐに送られてくるわけではないので注意しましょう。通常の銘柄では権利付き最終日から2~3ヶ月後に届きます。お得に旅行したいと考えている人は今買えば夏休みに間に合うかもしれません。
株主優待を目的とした個人投資家はとても多いので前後で大きく値動きします。資金に余裕のある人は2ヶ月ほど前から購入しておくことをおすすめします。
また1,000社以上の会社が株主優待をしており、権利月は1月~12月までさまざまです。事前にチェックして月ごとに投資するのも株主優待で得する1つの方法です(利用しない株主優待をネットオークションで運用する個人投資家もいます)。
(文/高橋亮)