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「少欲知足」お金に対する欲を解消するカギは仏教?

投稿日:2016年5月20日 更新日:


私たち日本人は、海外の人から拝金主義(お金がすべての考え方)と批判されることがあります。しかし、「武士は食わねど高楊枝」という時代があったことを考えると、現代は異常な状態なのかもしれません。

これからを生き抜くために必要な、「少欲知足(しょうよくちそく)」という仏教の考え方をご存じでしょうか。

拝金主義が通用しない21世紀の日本

「戦後の日本人は、お金儲けのことばかり考えていたのではないか」と、指摘されることがあります。その理由は、敗戦後の日本が経済復興のために成長を目指し続けたからです。

拝金主義の考え方は、高度経済成長期の時代には通用しました。みんながみんな、たくさん消費し、自分の夢を叶えるために働いていた頃です。しかし、バブル崩壊以降の日本のように経済がマイナス成長している状況だと、拝金主義ではうまくいかなくなってしまいます。

2000年代に入って、拝金主義が元凶となった多くの事件が発覚しました。たとえば、脱税事件や不祥事事件は枚挙に暇がありません。企業のコンプライアンスに対する認識不足が、メディアを通じて槍玉に挙げられたのです。

21世紀に入って見直される少欲知足

私たちは拝金主義から脱却し、新たな考えを持たなければなりません。新たな考え方を持つために、少欲知足がヒントになると思います。少欲知足とは、仏教から生まれた言葉です。

生きるためには、「得られていないものは欲することをせず(少欲)」、「今の状況で足りていることを知ること(知足)」が大切だと言います。

21世紀に突入し、改めて少欲知足の考え方が見直されるようになりました。これは、19世紀の頃にヨーロッパで生まれた進歩思想(経済や科学・技術の成長)に対する限界を感じ、「もっと、もっと」と、欲に飲まれない必要があるからです。

日本社会は、バブル崩壊後の「失われた十年」を経験しました。さらに、リーマン・ショックを発端とした未曾有の世界的不況も経験しています。生き方を見直そうと思う人たちの間で、少欲知足という考えが浸透しているのです。

拝金主義の国家は崩壊する?

少欲知足の考え方を持つ人は、物欲やお金にとらわれない生き方ができると思います。もし、拝金主義を続けたままでいると、どのような未来が待ち受けているのでしょうか。

金融機関の破たんラッシュは、拝金主義の限界を感じさせるできごとでした。リーマン・ショック時代、世界中の金融機関が倒産しましたが、これは金融商品への過剰な投資が一因だと考えられます。今までレバレッジを掛けて投資していた金融商品が吹き飛んでしまったために、あのような経済的悪影響が起きたのです。

投資の背景には、ラクして儲けるという考え方が潜んでいます。言い換えれば拝金主義と言ってもよいかもしれません。「とにかく稼げ」という姿勢でお金に執着し続けていると、いずれはお金が原因で自滅してしまうのです。

改めて試される日本人の品性

かつての日本人は高い品性を持っていました。お金だけにとらわれず、もっと大切なものを知っていたのではないでしょうか。貧しくても慎ましく生きることがよしとされ、お金以外の価値観があったのです。

お金を稼ぐことは大切です。しかし、稼ぐことばかりを目指していると、どれだけ高収入になっても満足できません。お金に対する欲求に飲まれた結果、リーマン・ショック時の金融機関のように、破滅が待ち受けています。

少欲知足は、拝金主義で苦しむ現代人にとって救いとなるはずです。資本主義社会のなかで生き残るためには対立する考え方のように見えますが、欲を追い掛け過ぎないようにすると、よりよく生きるためのヒントが見えてきます。できる範囲でよいので実践してみましょう。

(文/三堂有人)

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