電車を利用した旅行を計画したとき、理想とするのは「乗り換え回数が少なくて」「安くて」「早く」目的地に着く方法です。上野から熱海に行く計画を立てたとき、真っ先に浮かぶのは2015年3月14日に開通した上野から熱海まで乗り換えなく一本で行けるようになった「上野東京ライン」です。
上野から熱海までの乗り換えが不要になったことで所要時間が1時間41分になりましたが、熱海に行くには他にも特急や新幹線を利用する方法もあります。普通運賃の他に2,000円ほどプラス料金がかかりますが、熱海には20~50分ほど早く着きます。
「時間を(お金で)買う」とよく言いますが、その反対に「時間を売る」と考えてはいかがでしょうか。1時間足らずの時間を売った2,000円、そんな2,000円には色々な使い道があります。
2,000円でランチを楽しむ
東海道線は長い歴史を誇る長距離路線です。朝ラッシュ時は大変混雑していますが、それ以外の時間は空いています。
特に平日の日中ならばグリーン車両を使う必要もないほどガラガラなので、もし3、4人で旅を楽しむならば先頭寄りの車両のボックス席を陣取って電車の旅を楽しんでみるのはどうでしょう。
朝10時に上野を出発しても12時前には熱海駅に到着します。熱海といえば海!魚介類をふんだんに乗せた海鮮丼や金目鯛などの魚の煮つけなど様々な海の幸を楽しむことができます。
熱海駅周辺でランチが楽しめるお店の平均予算は2,000~3,000円、旅費で浮いた2,000円を投入すれば格安といっても良い値段で海の幸を楽しむことができます。
2,000円で夕食や部屋をグレードアップ
午前中に用事があって午後になって出発しても15時には宿に到着。チェックインしてから夕食までのんびりと温泉を楽しんだりして身体を休めることができます。
平日の旅行ならば宿泊費もお得。熱海の宿は1泊2食付で10,000~20,000円が相場ですが、宿泊費に2,000円プラスすることで1ランク上のサービスを楽しむことができます。
具体的には食事内容をグレードアップ、伊勢エビや金目鯛など高級食材を楽しむプランに変更できます。
他にも食事を部屋で食べる形にすることで気兼ねなく会話を楽しめるプランに変更することや、泊まる部屋を高層階にすることで熱海の夜景を存分に楽しむプランに変更することもできます。
2,000円で熱海の夜を楽しむ
熱海は日本屈指の温泉地です。カラコロと下駄を鳴らして歩けば風情のある温泉街、海沿いでは潮騒を聞きながら散歩することができます。せっかくの旅行なので目いっぱい夜を楽しんではいかがでしょうか。
風情あるロマンチックな夜に旅館の浴衣じゃちょっと……という女性の方向けに色とりどりの浴衣から好きな浴衣を1,000円ほどでレンタルできる宿があります。洋装と和装では似合う色が違いますが、浴衣になれた従業員が相談に乗ってくれるので普段着なれない色の浴衣を楽しむことができます。
女友だちとの旅行でも恋人との旅行でも、浮いた2,000円でいつもと違う雰囲気を存分に楽しんではいかがでしょうか。
更に温泉地にはお酒を楽しめるところも多数あります。夕食でお腹は一杯かもしれませんが、酒場には宿には無い魚介類や料理がたくさんあります。
2,000円で昔から熱海など伊豆の人たちが食べてきた地元の料理を楽しみながら、お酒軽く1、2杯楽しむことも大人にしかできない熱海の楽しみ方ではないのでしょうか。
2,000円がプラマイゼロ?乗り過ごしに要注意
旅の余韻に浸りながら帰路につき、ついウトウトという経験は誰にでもあるのではないでしょうか。平日の空いた車両は気持ちのいいうたた寝を邪魔することなく、旅程の1時間41分はあっという間に過ぎることでしょう。
ここで注意しておく必要があるのはもう東京が終点ではないことです。東海道線にとっていまや東京駅はただの通過駅です。
東海道線は上野東京ラインに乗り入れ、高崎線、宇都宮線もしくは常磐線へと名前を変えてどんどん進んでいきます。寝過ごして気づいたら前橋、なんてことにならないよう乗り過ごしには十分に注意してください。
前橋まで行ってしまうと帰ってくるのに約2,000円かかってしまい、せっかく浮かせた2,000円がパーになってしまいますよ!
(文/高橋 亮)