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30代で貯金600万円!これって、多い?少ない

投稿日:2017年4月11日 更新日:


ある調査によれば30代夫婦の平均貯蓄は600万円とのこと。「多い!」「少なくない?」その金額に対する意見は様々でしょう。

はたして、30代で600万円の貯金というのは妥当なものなのでしょうか。気になる老後資金の面からも、あわせて検証してみたいと思います。

30代で貯金600万円は妥当か?

平成27年家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]によれば、全年齢のシングル世帯における平均金融資産保有額は773万円となっています。

ただし、貯蓄や金融資産がゼロという世帯を除くと、1,486万円が平均となります。また総務省統計局の家計調査報告(貯蓄・負債編)-平成27年(2015年)平均結果速報-(二人以上の世帯)によれば、2人以上の世帯では1805万円もの貯えがあることが明らかになっています。

持つ者・持たざる者の格差が広がっているとも言えるかもしれません。

上記を見ると、貯金600万円に不安を覚えるかもしれません。ただ、実はそれほど気に病むことはありません。貯蓄額は年代が上がれば上がるほど増え、60代でピークを迎えます。

高齢化の影響もあり、上記数値の平均年齢は50代になっているため、年代を絞って見るとかなり数値がかなり低くなります。

実は30代の貯蓄額は二人以上の世帯でも、平均638万円です。また通貨性預貯金額は260万円なので、600万円の貯金は平均より随分多いのです。

30代、3人に1人が貯金ゼロ!

一方で30代の3人に1人が貯金ゼロという実態も明らかになっています。

マイホームを購入したばかりで子どもの養育費もかさむ若い夫婦だけではなく、単身者でもまったく貯金ができないというケースは少なくありません。

30代で1,000万円の資産を形成する人もいますが、貯金がないという人もけっして少なくはないのです。

子どもが生まれてからは貯金ができない

「30代では貯金ができなかったけど、40代で取り返せばいい」と、思っている人もいるかもしれません。確かにそういう方法もありますが、その目標を達成するには並々ならぬ努力が必要です。

なぜならば、40代の多くは子どもが高校生から大学生に差し掛かる時期でもあり、ますます学費がかかるようになるからです。

子どもにお金がかかるのは、無認可保育園を頼らざるを得ない小さな子がいる時と、高校生・大学生になる頃が二つのピークと言われています。

30代の初めだけではなく、40代以降も同じ様に貯金できない可能性が高いということを理解しておいて下さい。

30代のうちに貯金1000万円を目指そう

年齢が上がるほど収入は増えますが、同時に子育て等々でよりお金がかかるようになってきます。30代のうちに600万円、できれば1,000万円の貯金をしておくことが理想的です。

ただ漫然と「貯金したいな」と、思っていてもお金は貯まりません。「いつまでにいくら」と目標を定めて、いくつか注意しなければいけないポイントもあるのです。

30代で貯金1,000万円を達成するためのヒントを紹介しましょう。

先取り貯蓄

お金は「貯めるぞ」という意識を強く持っていないと、なかなか貯まらないものです。毎月なんとなく生活して、余った分を貯金に回そうという考えは今すぐ捨てて下さい。

給料をもらったらまず貯金する「先取り貯蓄」こそ、貯金の極意です。差し引きした金額でやりくりする習慣をつけるようにして下さい。

  • 給料天引き
  • 自動振替

など毎月自動的に差し引かれるようなものを利用すれば「今月は貯金に回さなくてもいいか」というような意志の弱さを回避することもできるでしょう。

給料天引きによる財形貯蓄、自動振替による積立定期預金など、様々な商品があるので、金融機関に相談してみてはいかがでしょうか。

資産運用

銀行金利は低迷し続けています。今後、急激に上向きになるとも思えません。ある程度の貯金ができて資産運用をしたいと考えている人にとって、ただ銀行に預けておくことが賢い選択なのかどうかは悩ましいところです。より高い金利が期待できる投資信託などを利用してみるのも一つの方法でしょう。

しかし、運用商品にはリスクが付き物ということも忘れてはいけません。効率良く資産を殖やすことができるチャンスもあるかわりに、目減りしてしまうリスクもあるのです。

すべての貯金を運用に回すのはあまりにリスキーなので、とりあえず一部だけ運用してみるというのがおすすめです。プロに運用をまかせるだけではなく、自分で挑戦してみるのもいいかもしれません。

また、初期費用0円から将来の資産形成ができる不動産投資もあります。

いずれにせよ、好機を逃さず、時には思い切った投資をすることも、大きく資産を殖やすには必要ということも覚えておいて下さい。

物を大切に使う

ネットショップなどで、クリック一つで何でも買うことができる時代です。「またすぐ買い直せばいい」とばかりに、衣服から日用品まで使い捨て感覚で物を扱っている人も多いのではないでしょうか。

一つ一つの価格は安くても、塵も積もれば大変な金額になるものです。毎日使っているものこそ、大切にする習慣を見に付けて下さい。

知らず知らずのうちに使わなくてもいいお金が逃げていくような悪習慣は、今日を限りに断ち切りましょう。

買い物の回数を減らす

街を歩けばどこにでもコンビニがあります。つい立ち寄って何かを購入していませんか?それは、本当に必要なものでしょうか?また、毎日の食材もいちいちスーパーで買物をしていては、つい散財してしまうものです。

買い出しは一週間に一度と決めて、限られた食材の中でメニューを工夫するようにしましょう。一週間の献立を考えるようになれば、栄養バランスをとることもできますし、食材を余らせて捨てるといった無駄を省くこともできるのではないでしょうか。

カード払いを絞る

カードでの買物は大変便利なものです。しかし、手持ちのお金が足りないからといって「カードならば買える!」と、ついカードを使うクセは捨てて下さい。

カードというのは支払いを先延ばしにしているだけです。

まして、高額商品をリボ払いで購入するのは絶対にやめましょう。リボ払いというのは高い金利を支払うことになるのはご存じでしょうか?どうしても欲しい商品があるならば、お金を貯めて買う方がはるかにお得なのです。

60歳で貯金3,000万円を目指そう

ゆとりある老後のためには60歳で3,000万円の貯金があることが理想的とされています。

厚生労働省の資料によると、平成19年度の夫婦2人分の平均的な年金は月額約23万円とのことです。年金の給付がスタートする65歳から85歳まで生きたとして、

23万円×12カ月×20年=5,520万円

が支払われる計算です。結構な金額のように見えるかもしれませんが、総務省の家計調査では平均的な夫婦2人家庭でも毎月24万円の生活費は必要という結果が出ています。

つまり、単純計算しても年間で12万円は不足してしまうのです。

毎月の生活費の不足分だけではなく、

  • マイホームの修繕費
  • 賃貸ならば家賃・更新料
  • 自動車ローン
  • 冠婚葬祭費
  • 趣味やレジャーのためのお金

などを合わせると、やはり夫婦2人で60歳までに3,000万円は貯めておきたいところです。できれば退職金を含めずに3,000万円を貯めることができれば心強い限りと言えるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。3人に1人は30代で貯金ゼロという世相を鑑みると「無理!」と、思う人はけっして少なくないかもしれません。確かに、30代で600万円の貯蓄があるというのは、様々なラッキーが重なった結果とも言えそうです。

しかし、老後のためには60代で3,000万円の貯金が必要とするならば、30代では何としても頑張っておきたいところです。

まだまだ若い30代、いろいろと誘惑もあるかもしれませんが、財布のヒモをしっかりとかたくしておくことが、その後の人生も大きく左右する年代であるということを覚えておいて下さい。

(文/木野きのこ)

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