貯金はないよりあった方がいい。しかし、なかなか貯められない…こんな負のスパイラルに陥っていませんか?
何も考えずに、ただ「貯金したい」と思っているだけでは、正直無理です。貯金をするには、自分の悪い癖を見抜き、それを修正していくしかありません。
そこで、一般的な貯金額と、貯金ができる人に変わるための生活習慣について考えてみました。
みんな、どれぐらい貯めているのか?
最初に、一般的な貯金額はどのぐらいなのか?という水準について考えてみました。
18%程度が一般的です
総務省の家計調査(平成27年)によれば、勤労者世帯の収入と貯蓄の状況は、次のようになっています。
世帯人数 |
実収入の月額(円) |
可処分所得の月額(円) |
預貯金(円) |
貯蓄率(%) |
|
29歳以下 |
1.52 |
332,368 |
278,053 |
99,477 |
35.8 |
30~39歳 |
2.92 |
447,948 |
369,517 |
79,299 |
21.5 |
40~49歳 |
3.16 |
537,347 |
431,874 |
78,297 |
18.1 |
50~59歳 |
2.74 |
537,473 |
428,329 |
72,174 |
16.9 |
平均 |
2.71 |
469,200 |
381,193 |
69,001 |
18.1 |
なお、可処分所得は給料から社会保険料・税金を引いた手取額と考えてください。
大体、給料の18%を貯めている計算になるわけですね。
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実際、どれぐらい貯めていればいいのか?
調査の結果を踏まえ、どれぐらい貯めていればいいのかを真剣に考えてみました。
まずは年収の2割を目指そう
先ほどの調査によれば、平均値は給料の18%でした。ここから、年収の2割を年間で貯められれば合格点と言えるかもしれません。さらに掘り下げ、年代ごとの目標も考えてみました。
20代×独身の場合
これは、実家暮らしか1人暮らしかによって、目標を分けておきたいところです。実家暮らしなら、家賃は掛からないので、かなりの額を貯金に回せます。給料の手取り額のうち、4割を貯金に回すのを目標にしてください。
1人暮らしなら、家賃を節約することで貯金に回せます。シェアハウスや会社の寮の利用も視野に入れてください。目標としては、給料の手取り額のうち、2割を貯金に回したいところです。
都心だとなかなか厳しいかもしれませんが、1割は貯金できるとかなり違いますよ。
30代×夫婦2人の場合
これも、共働きかどうかで変わります。共働きなら貯金をするチャンスです。給料の手取り額の4割を貯金に回せれば理想でしょう。専業主婦(夫)の場合でも、2割は貯められるように頑張ってみましょう。
40代×子育て期の場合
なかなか貯金は厳しいかもしれません。まずは、毎月の家計を黒字にするのを目指しましょう。その上で、貯金プランを練ってください。給料の手取り額の1割を貯金できたらだいぶ違います。2割なら上出来です。
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でも、貯金できないのはなぜ?
ツイッターを見ていると、「貯金ができない」というつぶやきを案外多く見かけます。世間の人はそれなりに貯金をしているようなのに、なぜこういうことが起こるのでしょうか?
貯金できない人の特徴を10個まとめました
そこで、貯金ができない人の特徴をまとめてみました。
特徴1 貯金する目標金額を決めていない
貯金をするためには、いくら貯める、という目標額を決めなくてはいけません。ただなんとなく「貯めたい」と思っているだけでは、具体的に何をすればいいのかわからないのだから、貯まるはずはないのです。
まずは、貯金する目的を決め、そこから目標金額を導き出しましょう。
特徴2 クレジットカードの支払額を把握していない
クレジットカードは確かに便利です。現金が手元になくても支払いができてしまうので、ついつい使いすぎてしまいます。これがかなり危険です。
現金だと、お財布に入っているお金が無くなるシステムなので、すぐに変化に気づけますが、クレジットカードだとなかなか気づきません。クレジットカードを使う際は、常に支払額をチェックする習慣を身につけましょう。
特徴3 毎月の支払い額を把握していない
毎月の給料を把握している人は多いはずです。しかし、毎月どれだけのお金が出て行っているかを把握していますか?
「そういえば、先月の携帯代いくらだっけ…」と迷っていませんか?毎月の支払額を把握することも、貯金をするためにはとても重要です。家計簿をつけるなど、しっかり意識して生活してください。
特徴4 残ったら貯金する思考を持っている
「お金が残ったら、貯金しよう」なんて考えていませんか?この後にも詳しく書きますが、貯金は先取りでやった方が、きっとうまくいきます。残ったら貯金しようという考えでは、あまりうまくいきません。まずは考え方を変えましょう。
特徴5 借金の額を把握していない
借金はないに越したことはありません。でも、一時的に借金をしなければ生活できないことだってあり得ます。
そうなった場合、大事なのは「自分がいくら借金をしているか」をしっかり把握することです。把握できれば早期に返済するために計画的にお金を使うという意識が芽生えます。
しかし、把握できていなければ、ずるずるとお金を使い続けてしまい、貯金どころか返済もできなくなるのです。借金にとどまらず、現状を把握することが貯金には大事と心得てください。
特徴6 衝動買いをする
後先考えず、「これ欲しい!」と気が付いたら買い物をしている…衝動買いですね。ごくたまになら、気分転換ということでいいかもしれませんが、常態化していたら注意してください。
「これは本当に必要なものなのか?」としっかり考えてみましょう。買う前には考える、を習慣づけるだけでも、無駄な買い物はぐっと減るはずです。
特徴7 リボ払いと分割払いの違いを知らない
クレジットカードのリボ払いと分割払い、違いは判りますか?どちらも、代金を何回かに分けて払うという意味では一緒です。しかし、次の違いがあります。わかりやすく表にまとめてみました。
リボ払い |
分割払い |
|
毎月の支払額 |
固定(自分が設定した額) |
利用金額によって変わる |
支払い回数 |
利用金額によって変わる |
固定(自分が設定した回数) |
この違いを押さえて賢く使わないと、いつまでたっても支払いが終わらないことも…注意してください。
特徴8 ATMでお金を引き下ろしている
貯金をするには、予算を決め、その中でやりくりをするのが基本です。ATMで必要になる都度、お金をおろしていたのでは、やりくりになりません。
もちろん、突然の出費があるのは仕方がありませんが、普段はできるだけATMに行く回数を減らし、決められた予算のなかでやりくりする習慣を身につけましょう。
特徴9 部屋が汚い・散らかっている
あなたの部屋はきれいですか?部屋が散らかっていると、必要なものをすぐに取り出せません。探しているうちに、時間がどんどん過ぎてしまいます。
必要なものを取り出せないから、といって、すぐに代わりのものを買っていたのでは、いくらあってもお金が足りません。やはり、部屋は定期的に掃除し、いらないものを処分する癖を身につけましょう。
特徴10 自炊しない
貯金、という意味においては、自炊をするのが最強の手段です。外食をするより、栄養バランスのいい食事が安く食べられます。
外食はあくまで、お付き合いのツールやイベントの一部としてとらえるスタンスでいきましょう。
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貯金できる人に変わるには?
貯金できない人を脱却し、貯金できる人に変わるにはどうすればいいのでしょうか?誰にでも実践できて、しかも効果の高い3つのテクニックを考えてみました。
貯金できる人に変わる3つのテクニック
その1 貯金の先取りを設定する
貯金をしたい場合、給料のとらえ方を変える必要があります。式に表すと
「給料-貯金=使っていいお金」
となるので、しっかり覚えておきましょう。つまり、給料が入ったら、何よりも先に貯金をする仕組みを作るのが大事です。
一番簡単にできる方法のは、自動積立定期預金でしょう。やり方は本当に簡単です。次の書類などを用意して、銀行に行けば問題ありません。
- 利用申込書(銀行の窓口にあります)
- 通帳
- 銀行届出印
- 身分証明書(免許証、パスポートなど)
最近では、公式ホームページ上でも申し込みを受け付けているので、ぜひ活用してください。
その2 毎月必ず支払わなければならないお金を少なくする
あなたの生活に、「固定費」はどのくらいありますか?家賃・保険料・携帯電話代など、考えてみれば結構ありますよね。これらの支出を減らす方法も考えてみました。
○家賃を減らす方法
賃貸アパート・マンションに住んでいる場合、家賃の引き下げ交渉を行ってみましょう。不動産のオーナーさんにとって一番怖いのは、家賃の高さを理由に、入居者が出て行ってしまうことです。入居者が出て行ってしまっては、家賃が全く入らなくなってしまうのですから。
月に3,000円家賃を下げてくれるだけでも、年間36,000円の節約になります。管理会社・仲介会社に一度話してみてください。できれば、更新のタイミングを狙うといいでしょう。家賃を下げてくれたら更新する、というスタンスを見せると、案外うまくいきます。
○保険料を減らす方法
いつ契約したのかわからないほど昔に契約した保険なら、一度見直しを行うのをおすすめします。インターネット販売型の保険が普及したことで、安い保険料で充実した保障を受けられる商品もかなり増えました。
保険の一括比較サイトなどを使い、「自分にとって必要な保障」と「自分が払い続けられる保険料」を考えながら、最適な商品を選ぶのをお勧めします。
自分では選べない、という方は、無料保険相談を利用してみるのも一つの手段です。専門家のアドバイスを受けながら選べるので、納得がいくでしょう。
○携帯電話代を減らす
スマートフォンを利用されている方は、格安SIMの導入をお勧めします。格安SIMのスマートフォン+大手キャリアのガラケーだったら、通信料が安くなる上に、緊急時の連絡手段も確保できるので、おすすめです。
どこの格安SIMにするかは、比較サイトを利用して、ご自分に合ったところを選んでみてください。
その3 アプリで支払いを把握する
家計簿、つけていますか?手書きだとなかなか続かないですよね。そういう方には、スマートフォンのアプリを導入するのをおすすめします。
お小遣い帳感覚でつけられるライトなものから、インターネットと連動し、銀行口座やクレジットカードの情報との連動を行うものまで、ニーズに応じて選び放題です。
最近では、レシートをカメラで撮影するだけで、データを自動生成してくれる機能も珍しくなくなりました。面倒くさがりの人におすすめです。
家計簿をつけて、日々の支出を管理すれば、ご自分がどこで無駄遣いをしているかがバッチリわかります。そこから生活習慣を見直し、確実に貯金につなげていきましょう。
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一番大事なのは、まず行動すること
ここまで読んでもまだ貯金に踏み切れないあなたに、まとめとして元気の出るアドバイスをします。
人は現状を維持したがる生き物です
経済学の専門用語に「現状維持バイアス」という言葉があります。わかりやすく言えば、「人は現状を維持したがる生き物である」という意味です。
例えば、ダイエットを例に考えてみましょう。痩せたいなら、食事内容を見直す、運動をするなど、何か具体的な行動を起こすのが前提になります。でも、「ダイエットがうまくいったの!」という人って、案外少ないと思いませんか?それは、具体的な行動を起こし、続けていくのが難しいからです。
この現象の前提として、先ほどの「人は現状を維持したがる」が出てきます。つまり、「このままの生活がいい」と無意識に思っているため、新しい行動を起こせず、結果も出せません。
貯金についても同じことが言えます。最初の一歩を踏み出すのがとても難しいから、うまくいかないのです。
まずは行動してみよう
では、最初の一歩を踏み出すにはどうすればいいのでしょうか?おすすめしたいのは、1度思い切って、ご自分にできる方法を試してみることです。こんな方法はいかがですか?
- 飲み物を買う代わりに、水筒を持ち歩き、浮いたお金を貯金箱に入れる。
- 一日の終わりに、財布を整理し、小銭を貯金箱に入れる。
- 金利の高いネット銀行を選び、毎月少額でもいいので積み立てをしてみる。
何か一つ行動すれば、あなたも「貯金できる人」に変わります!悩んでいるより、まずは体を動かしましょう。
(文/菊地美亜)
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