貯金って、どれくらい貯めればよいものなのでしょうか?
たとえ親しい友人などであっても、お金回りの話となれば、相手の家庭内の経済状況にとても踏み込んでしまうため、仲が良くてもなかなか聞けるものではありません。
ここでは、収入や、家族構成に合わせた貯金額の目安を紹介します。
世代別貯金割合
一人暮らし世代については、
- 実家住まいか否か
- 将来的に結婚するか・しないか
- 仮にするとすれば子どもは何人持つか
- 現在の仕事と年収はいくらか
等々、あらゆる条件が未確定であるため、具体的に「これだけ貯金が必要だ」と示すのが難しくなります。
とはいえ一般的には、貯蓄にあたっては、収入の15~25パーセント程度を貯蓄に回せるとよいとされています。ですので、月の手取りが
- 15万円の方は2~3万円程度
- 30万円の方は4~7万円程度
を目安に貯めていくとよいでしょう。
とはいえ、独身で一人暮らしの間から、結婚して子どももいない間というのは、一番お金が貯めやすい時であるのも事実です。29歳以下の平均貯蓄率が約35パーセントというデータもあるため、将来の結婚・育児を見据える方は、より高い貯金割合を目指していくとよいでしょう。
子育て世代前期(子供が小学生まで)については、これも子どもの人数や、入れる学校が私立か公立か、習い事の有無等々といった諸々の条件に左右されますが、子どもがいない時分と比べ、子育てにかかる費用がどうしても出てきてしまうため、より貯蓄に回せる金額が少なくなってしまいがちです。
一人暮らし世代の箇所で説明した15~25パーセントという数字はなるべくキープするように努めましょう。なお、この世代に相当するであろう30~39歳の平均貯蓄率は約20パーセントです。
子育て世代後期(子供が中学から独立まで)については、
- 子どもの進学先が公立か私立かといった事情に加え
- 大学卒業までサポートするかどうか
- また大学へは実家から通わせるか一人暮らしさせるか
等々といった事情で、大きく出費が左右され、それに伴って貯蓄に回せる金額が少なくなってしまいがちです。
子育て世代前期同様に、15~25パーセントという数字はなるべくキープするよう努めたいものですが、子育てしていく上で、最も不慮の出費が起こりやすい時期でもあります(子どもが私大に通わせるしか選択肢がなくなった等)。
子どもの幸せを第一に考えるのであれば、本来貯蓄に回すお金を教育費に回すなど、状況に応じて柔軟に考えましょう。
子育てが終了した世代については、あとは自分たちが老後暮らしていくための資金を考えるだけで済みます。これまでの貯めてきた貯蓄額や、退職金の有無などによってもケースは分かれますが、可能なら15~25パーセントの貯蓄率は維持した方がいいでしょう。
こうした貯蓄を実現していく上で、大切なのは、「無理をしない」ということです。
貯蓄を行っていくために、毎月の家計をカツカツに切り詰めても、長続きはしません。毎月の収入・支出額の見通しが立ったら、無理のない貯蓄率を目標値に据え、それを達成すればよく、娯楽費として設定している金額はちゃんと娯楽費として使い、ストレスなく楽しむことを忘れないようにしましょう。
貯金のコツ
貯金については色んな話がありますが、要約すると
- 収入を増やす
- 支出を減らす
ことが大切ということです。また、具体的な目標を少し高めに持つというのも有効です。
例えば、既に貯金が500万円程度ある共働き夫婦(子どもなし)が、今後の出産・育児費用として、3年後までに1,000万円程度貯めておきたいと目標値を据えるとします。
そこから逆算して、
- 「1年間に平均170万円程度貯めなくてはいけない」
- 「夫婦の手取り年収が500万円程度だから、支出は年間330万円以下に抑えなくてはいけない」
- 「年間330万円以下の支出ということは、月間の支出は28万円以下に抑えなくてはいけない」
- 「月間の支出を28万円以下に抑えるためには、家賃・電気代・ガス代・水道代・ネット回線料金・携帯電話代・食費等々は、◯◯円以下に抑えなくてはいけない」
と考えていくのです。この少し高めの目標を夫婦で共有し、強力し合って、達成に向け努力を積み重ねていくのです。
「節約する=支出を減らす」という視点から大切なのは、日々の細々とした出費を抑えるのもいいのですが、特に何か大きな支出を伴う意思決定をしようとしている時に、「本当にそれは必要か」と問い直し、可能ならやめておくことです。
具体例でいえば、例えば、夫婦で「車を買いたい」という話になったとします。これで、50万円の中古車を買うのか100万円の車を買うのか300万円超の車を買うのかでは、当然、支出が大きく違ってきます。
夫婦でもとより3人以上子どもを作って育てようという話をしているのであれば、300万円超のミニバンを購入するという選択肢も検討してよいかもしれませんが、それほど経済的に余裕がなく、子どもを1人しか持つ予定がないというときに、300万円超のミニバンなどを購入しても、宝の持ち腐れとなりかねず、たかだか数十万円程度の軽自動車でも十分かもしれません。
このように意思決定を変更した場合、2百万円以上もの節約効果があるわけです。繰り返しになりますが、「巨額の出費」が伴う意思決定には、よくよく注意をしましょう。
また、貯金をしていく上で、「節約する=支出を抑える」という点に目が行きがちなのですが、逆に「収入を増やす」という点も、積極的に検討してみるとよいでしょう。
特に現在では、スマートフォンやパソコンで、インターネットを通じて、手軽に行える副業なども増えてきています。仮にこうした副業で、月3万円の副収入があったとしましょう。すると、
- 年間では3万円×12か月=36万円
- 3年では36万円×3年=108万円
の副収入があることになります。これはもちろん、家計にとって大助かりであり、目標とする貯蓄額達成のための大きな力になるのは言うまでもありません。
資産運用
また、資産を増やすという意味では、資産運用を始めるということも検討してみるとよいでしょう。
現在の日本では、銀行に預金していても、利率は微々たるものですし、お金をどんどん増やしていくということには繋がりません。一方で、投資などを行うと、お金に働いてもらってお金を稼ぐことができるようになるのです。
とはいえ、投資と聞くと、どうしてもハードルが高いと感じたり、損をするリスクがあるため、怖いなと感じる方もいらっしゃるかもしれません。そのような方は、まずは投資信託から始めてみることをオススメします。
投資信託は、投資の専門家にお金を預けることで、資産運用をお願いするというものです。つまり、自分自身が株や為替を取り巻く市場環境について、四六時中モニタリングしたり学んだりする必要もないため、ハードルが低いのです。
もちろん、その専門家が失敗すれば、損をするという可能性もあるのですが、投資信託の中には、長年に渡って安定的にプラス運用を続けているところもありますので、そういったところを選んで任せると安心できるかもしれません。
おわりに
一人暮らし~夫婦子なし世代は一番貯金しやすいチャンスですが、基本的にはどの世代も、家計の15~25パーセントを貯蓄に回せるのが望ましいです。
節約術やネット副業、資産運用などのテクニックも駆使しつつ、貯金を増やしていきましょう。
まとめ
- 特に子育て関係の支出が絡むため、世代によって必要な支出額は異なり、結果、貯蓄率も異なってくる。とはいえどの世代でも、概ね、貯蓄率が15~25パーセント程度あるのが望ましい
- 貯金のコツは、要約すると支出を減らし、収入を増やすこと。特に大きな支出に気を付けたり、ネット副業や資産運用を始めてみるのもよい
(文/tdom)