あなたのご家庭では毎月しっかりと貯金をされてますでしょうか?
人生の中では局面ごとに大きな資金が必要となることがあります。独身の場合には男性も女性も結婚資金を貯めておく必要がありますし、結婚してからは住宅資金や保険、学費や老後のために一定額の資産を築いておく必要があります。
長い人生の中で必要なお金は、自分のためのお金と夫婦や子供など家族のために必要なお金があり、それらを合わせると多額の金融資産が必要となってきます。
この記事ではそれらをしっかりと貯えるために理想的な貯金額について紹介します。
貯金額の理想は手取りの割合で考えると分かりやすい!
理想の貯蓄額がいくらなのかの目安を計算する方法はとてもシンプルです。一般的に貯金額は年間収入の2割程度が理想といわれています。
年間収入の2割を貯金に回すと生活費とのバランスがよく、無理な節約をせずにしっかりとお金を貯めることが可能です。
でも、給料明細には勤務先から支給される給与の総額と、税金や社会保険を引かれた金額があり、どちらで計算していいのか分からないという人もいらっしゃいます。まずは、年収と手取りの違いについて把握しておきましょう。
年収と手取りの違い
まずは会社から支給される給与は、基本給+残業代+各種手当で構成されています。これがいわゆる額面金額で、年間トータルでの額面金額が年収にあたります。
ここから健康保険料、雇用保険料、厚生年金、所得税、住民税が引かれ、残った金額が手取りといわれます。
扶養家族の数や税率などによって異なりますが、一応の目安として年収に対する手取りの金額を紹介しますので参考にしていただければと思います。
年収に対する手取り金額
年収200万円の場合 | 約150万円~170万円 |
年収300万円の場合 | 約200万円~240万円 |
年収400万円の場合 | 約280万円~320万円 |
年収500万円の場合 | 約360万円~400万円 |
年収1,000万円の場合 | 約650万円~720万円 |
理想的な貯金額は額面の年収ではなく、手取りの年収に対して2割が目安となります。
手取りに対しての理想的な貯金額
手取り金額ごとの理想的な貯金額を個別に見て行きましょう。あなたの手取り金額の項目をぜひご覧ください。
年収200万以下円の場合
年収200万円の場合の理想的な貯金額は年間40万円です。
月割すると毎月の手取りが16万6,000円、貯金額が3万3,000円となり、正直苦しい生活を強いられることとなります。
こういった場合には理想の貯金額にこだわり過ぎると生活に支障をきたすので、手取りの10%程度まで貯金の比率を下げても良いでしょう。定収入の場合は毎月少しずつでも良いので、コツコツと貯金をしていくように心がけましょう。
年収300万円の場合
手取りが300万円の場合の月々の手取りは25万円、理想の貯金額は5万円です。手取り200万円と比較するとある程度は楽な生活とはなりますが、決して余裕のある手取りではありません。
かなりギリギリの収入であるため、貯金をしようとするとしっかりと節約をする必要があるでしょう。長期ビジョンを持って継続的に貯金をし、将来に対する備えをしいておきましょう。
ちなみに日本の平均年収での手取り金額はこの層となっているので、多くの人が節約をしながら生活費と貯蓄のやりくりをしていることが伺えます。
年収400万円の場合
手取りが400万円の場合は月収33万3,000円、理想の貯金額は6万6,000円となります。
生活は楽になってくる年収層ではありますが、ちょっと贅沢をすると生活が厳しくなる層でもあり油断はできません。
住居のランクを上げて固定費が割高となると、低収入層と同様に厳しい生活を強いられることもありますので、収入と固定費のバランスをしっかりと考えるべき収入層ともいえるでしょう。
年収500万円の場合
手取りが500万円の場合は月収41万6,000円、理想の貯金額は8万3,000円となります。生活もある程度楽な年収層で、多少贅沢をしてもしっかりと貯金が可能です。
一般的には生活費のバランスがとりやすい層ともいわれているので、安定しやすい年収だといえそうです。
年収1,000万円以上の場合
手取りが1,000万円の場合は月収83万3,000円、理想の貯金額が16万6,000円です。
年収1,000万円を超えている場合は、随分生活が楽となり、ある程度贅沢をしてもしっかりと貯金をすることができるでしょう。
ただし、支払う費用も大きくなってしまうケースもありますので、浪費グセが付かないように注意が必要です。
少なくともみんなと同じくらいの貯金をしたい!年代別の貯金額
今度は年代別の貯金額を見て行きましょう。年代別の理想の貯金額は実際にその年代の人たちがどれくらいの手取りなのかの平均値を参考に、2割分を貯金にまわした金額を理想としたいと思います。
少なくとも周りの人と同じくらいの貯金はしたいという人は、これらの数値を目標に定めると良いかと思います。それでは具体的に各年代の理想の貯金額を見て行きましょう。
20代の場合
20代の手取りの平均は約280万円であるため、同じ世代の人たちと同水準の貯金をするためには年間56万円、毎月4万6,000円の貯金が必要です。
最近は晩婚化しており、独身時代が長くなっていますので貯金がしやすい期間も長い状況です。結婚資金を貯めるべき年代でもありますので、無駄遣いをせずにしっかりと貯えておきましょう。
30代の場合
30代の手取りの平均は約380万円です。同世代の周りの人たちの水準で貯金をするためには年間で76万円、毎月6万3,000円の貯金が必要となります。
30代は住宅資金や子供の教育費、生命保険代に固定費がかかることが多く、出費が多くなってしまいますが、収入も20代よりも増えており、増えた分を何に使うのかが重要となります。
特に教育資金は早めの準備が重要であるため、節約意識と貯金の意識をしっかりと持っておくべき年代ともいえるでしょう。
40代の場合
40代の平均手取り額は約480万円です。年間の貯金額は96万円、月々8万円の貯金が必要となります。
40代になると資産を貯えるための準備が既に終わっている場合が多い反面、新たな金融商品など、他に得なものがないか見直す時期でもあります。
お金に対する知識の有無によって損得の格差が出やすい年代でもありますので、ファイナンシャルプランに対する知識をつけておくか、ファイナンシャルプランナーに家計の相談すると良いでしょう。
50代の場合
50代の平均手取り金額は約590万円です。年間118万円、月9万8,000円の貯金が理想となります。
50代はある程度の貯金が貯まってきている年代でもありますが、そろそろ老後資金を準備しはじめる年代でもあるため、浪費はしないように注意が必要です。
子供の教育資金にしても老後資金にしても、準備期間が長いほどより多くの金額が貯まります。貯めたい金額が決まっている場合には準備期間が長いほど月々の支払いが楽になります。
いずれにせよ、準備期間が長いほど有利となりますので、早めに準備を始めることが大切だといえるでしょう。
まとめ
貯金額の理想は手取りの2割だといわれています。複雑な計算をしなくても2割だと覚えておけば万人に通用する目安となりますので、ぜひ覚えておきましょう。
ただし、低収入である場合には目安にこだわり過ぎると生活が困難となりますので、無理のない範囲での設定が必要です。
(文/田中英哉)