現代の日本では40代、50代に老後貧乏予備軍が増えていると言われています。
現在の日本では65歳から年金生活がスタートするとなると、会社員として収入を得ていた時に比べると収入は一段と下がり年収にして200万円から240万円で日々の生活を送る必要があります。
貯蓄をしていることで多少余裕のある生活を送ることができるのですが、実際に自分の老後にいくらの資金が必要になるのか?については漠然としている人も多いでしょう。
私たちが高齢者になる頃には老後はもっと悲惨に!
最近よく聞くようになったのが「老後破産」という言葉です。今はサラリーマンとして十分な収入を得て順風満帆な生活を送っていれも誰でもこの老後破産に陥ってしまう可能性があると言われています。
老後破産とは簡単に言えば高齢者が貧困によって破産状態の生活を余儀なくされている状態のことであり、日本では年々増加しているのです。
年齢を重ねると若い時には考えてもいなかったトラブルが起こります。
例えば
- 突然の病気や怪我などによる医療費
- 住宅ローン
- 家族や親戚間の問題
- 詐欺被害
などです。長生きをすることでそれだけトラブルに遭遇する機会も増えるということですね。
現代の高齢者の中にも老後破産が増えていると言われている中でより不安に感じるのがこれから老後を迎える人たちではないでしょうか。
公的年金を将来受け取ることができるのか?受け取ることができたとしてもそれだけで生活していくことはできるのか?など不安に思うことは様々です。
そしてさらに公的年金の支給年齢が上がることで退職時期と年金を受け取ることができる時期に大きな空白期間ができてしまいます。
日々の生活をしていくのがやっとで趣味や社会活動などに回す余裕はなくなってしまいます。
日本で貧しく暮らす?海外で裕福に暮らす?
頼りない年金制度、余裕があるとは言えない支給額を考えると老後に不安はつきものと考えがちですが、日本で支給される年金額でも物価の安い国に移住することで余裕のある豊かな生活を送ることができます。
老後の海外移住先として人気の国7選
タイ
実は日本の年金支給額が20万円程度であればタイでは100万円の生活ができると言われています。
現地の言葉がわからなくても日本語だけで暮らせるような地域もあり、日本料理を提供するレストランなども多くあります。年間の温度差が小さいので気候に関しても住みやすい国と言えるでしょう。
リタイアメントビザを利用することができます。
マレーシア
海外移住先としても人気となっているのがマレーシアです。一年を通じて常夏の気候となっており、普段の生活に必要な食材なども安価な価格で購入することができるので物価は非常に安くなっています。
リタイアメントビザを利用することができます。
フィリピン
月に12万円程度あればセキュリティの万全な住居で満足な暮らしを送ることができます。
リタイアメントビザを利用することができます。
カナダ
- 医療費が無料
- 教育水準が高い
- 相続性や住民税がない
- 治安がいい
などの理由で移住先として人気があります。不動産価格はここ数年で値上がりしていますが、日本の都市部と比較すると割安です。
オーストラリア
オーストラリアは世界でも屈指の多民族国家です。日本人が住んでみたい国ナンバーワンでもあり、
- 日本より物価が安い
- 治安がいい
なども人気の理由となっています。24万円はオーストラリアでは日本の40万円ぐらいに相当するようです。
リタイアメントビザを利用することができます。
カンボジア
非常に物価が安いことから今注目されている移住先の一つです。
主食は米や麺で辛さや甘さなどが日本人に合っており、フランス統治下にあったのでパンも美味しいです。日本人には受け入れやすい食文化となっています。
ベトナム
日本の1/4の生活費で生活することができるのがベトナムです。治安もよく日本人が歓迎される国でもあります。
ではベトナムに移住する際に必要な資金と生活費を実際に見てみましょう。
○初期費用・・・合計5万円程度
- ビザの取得
ベトナムにビザなしで滞在できる日数は15日間です。
移住を目的とするのであれば一ヶ月、二ヶ月、三ヶ月のビザを取得する必要があり、代行業者に依頼すると1万円程度かかります。 - 家賃の保証金
現地で住むための住居を準備する際に賃貸の場合は保証金が必要になります。これは家賃によって異なりますが1万円程度です。 - 移動手段
日本のようにバスや電車が時間通りに来る国は少ないと言ってもよいでしょう。日々の生活で必要な移動手段を用意しなければなりません。
楽な移動手段として普及しているのがバイクです。中古で3万円程度で現地で購入することができます。
○現地での固定費・・・3万円程度
家賃や光熱費、ネット料金などでだいたい3万円あればお釣りが来ます。
○食費・・・1万円程度
日本食を食べるか食べないかによって違ってくるのですが、現地の食事であれば一食100円前後です。1日3食×30日としても1万円程度です。
日本食を食べる場合やお酒を飲む場合には3万円程度あればお釣りが来るでしょう。
○生活雑貨・・・500円程度
トイレットペーパーや洗剤、飲料水などですが1ヶ月で500円程度です。
○ガソリン代・・・500円程度
スクーターであれば満タンにすると1ヶ月は持つのではないでしょうか。だいたい500円程度です。
○携帯代・・・500円程度
現地でSIMカードを購入して1ヶ月500円程度です。
○散髪・・・400円程度
ローカルの美容室であれば400円程度です。
現地での生活にかかる合計が41,900円です。夫婦二人で移住したとしても83,800円となり、年間でかかる生活費は100万円程度となります。
ただしビザの更新が三ヶ月のビザを取得すると年間3回必要になるので夫婦二人で6万円必要になります。年収200万円でも80万円程度は浮く計算になりますね。
このように日本よりも物価の安い国に移住することで悠々自適な老後を送ることができると言われています。ですがメリットばかりではなくデメリットもあるので安易に移住を決めるわけにはいきません。
海外移住のデメリット
- 言葉がわからない
- 食事や水が合わない
- 治安が不安
- 気候が合わない
- 医療が不安
- 現地の日本人と合わない
- 衛生面に不安がある
- 交通面に問題がある
- 金銭的なトラブルが不安
- 土地に馴染めない
- 孤立するのが不安
- 税金や年金、ビザの手続きが面倒
海外移住は気が進まない人にはロングステイ!
物価の安い海外の国に移住することで日本で老後を送るよりも遥かに裕福な老後を送ることができます。ですが、やはり完全に海外に移住することはできない、気が進まないという人も多いのではないでしょうか。
そんな中で増えているのが1年のうち数ヶ月間、半年などのロングステイです。
渡航費の問題や現地での生活費などの問題を考えながら、完全な海外移住の準備としてもロングステイを利用する人が増えています。
ロングステイってどんなもの??
移住や永住ではなく帰国を前提とした二週間以上の長期海外滞在型の余暇をロングステイと言います。
生活に必要な設備が整っている住まいを保有して、生活の原資は日本で発生する年金や預金利子、配当や賃貸収入など現地での労働収入は必要としません。
自由時間の活用を目的として豊かな時間を過ごしながら現地の人と交流をすることができたり、非日常の空間での日常体験を目指すものです。
ロングステイをすることができる人って?
最低限、旅行に困らない程度の英語ができる、パソコンが使える、健康に問題がない、海外滞在あるいは個人手配旅行の経験がある、経済的にゆとりがある。
このあたりが必要になるのですが、まずは旅行気分で移住を検討する国に出向き現地の空気を感じ、実際に自分の目で見て確かめることが重要です。
少しづつ滞在期間を伸ばしながら慣れて行くことで移住を検討する材料にもなるのではないでしょうか。
(文/中村葵)