2014年10月に上場した株式会社リクルートホールディングス(以下リクルート)。有価証券報告書によれば平均年収904万円とあり、1,000万円を超えるのも間近と言われています。
長引く不景気の中、なぜこのような高水準をキープしているのでしょうか?
高収入の理由は「ミッショングレード制」にあり!
リクルートの平均年収が高い理由のひとつは「ミッショングレード制」という給与体系にあります。業務や職務に等級をつけ、高い等級の仕事をしている社員ほどたくさんの報酬を得ることができるようになっているのです。
ミッショングレード制は年功序列と関係なく、本人の能力次第で若くても高収入を期待できることが大きな特徴です。年収以上の賞与が出ることもあるため、若手社員のモチベーションアップに一役買っていると言われています。
インセンティブ収入も見逃せない
ミッショングレード制を利用すれば、最短で入社8年目には平均年収904万円に到達することも可能です。大卒で入社した後、30歳になるまでひたすら仕事に打ち込む社員が多いというのも納得できます。
最短コースをそのままたどれば
- 入社9年目で年収1,000万円
- 10年目で1,150万円
- 11年目で1,375万円
- 12年目で1,600万円
とのことですが、やはり一般的な会社と比較して若いうちに高収入に到達することも可能なのは間違いありません。
さらに、リクルートはインセンティブ収入が多いことでも有名です。リクルートの営業は、以下のようなタイミングでインセンティブが支給されます。
- 目標を達成することができた時
- 目標を早期に達成することができた時
- 高い達成率を記録した時
- 戦略商品を売ることができた時
- 敢闘賞やMVPで表彰された時
目標は月間、四半期、半期、通期ごとに設定されているため、インセンティブが支給されるタイミングも複数回あるというわけです。平均して毎月4~5万円、年間100万円以上を獲得する人もめずらしくないとのことですから、社員のやる気は否が応でも上がるというものです。
「若い力」を活用したいという企業文化
リクルートは若いうちに独立して起業する「元リク」と呼ばれる人が少なくありません。
リクルート自体、長期就業よりも若いうちにやれるところまで活躍してくれることを若手社員に期待するような企業風土があります。早くから責任を伴う仕事をまかせ、それに見合う報酬を与えているのです。
一方、社員の方も、いち早くノウハウと独立のための資金を貯めることができるなど、お互いWin-Winの関係にあるといっても過言ではありません。
ただし「リクルートは若い頃から高収入が期待できるらしい」というような安易な考えで就職してしまうと痛い目に遭うかもしれないという点は覚悟しなければいけません。新入社員の頃から実戦に投入されると心得て下さい。楽をしてたくさんの報酬を得ることができると思ってはいけません。
若くても期待も責任も大きいことがリクルートの仕事の特徴なのです。
バリバリ稼ぎたいという人にはイチオシの企業
いかがでしたでしょうか。リクルートの高収入は徹底した実力主義に依ります。それだけに、目標が達成できないとインセンティブが入ってこないなど、つらい状況が続く可能性もあるということです。
月給が減額したわけではないのに、毎月のインセンティブ込みの金額に慣れていると落ち込んでしまう人もいるかもしれません。そこで一念発起できるような打たれ強い人ならば、リクルート向きの人材と言えるでしょう。実際、すでに退社している「元リク」の人でも、いかにもそういう「リクルート」という雰囲気の人は少なくありません。
独特の企業文化に馴染めるかどうかも問われるリクルートですが、若いうちからバリバリ稼ぎたいという人にはイチオシの企業であることは間違いありません。
(文/木野きのこ)