「○○法律事務所からの、大切なお知らせです。過払い金には請求期限があります……」というテイストのCM、何年も前からしょっちゅう目に付くようになってきた。
過払い金返還請求についてのCMは、今や「しつこいCM」の首位に位置するほど、まあ〜いつだって目に入ってくる。一体なんだってあんなにしつこく宣伝されているのか。
今回は、ちょうど知人がこのCMを見て弁護士を頼った際の顛末が聞けたので、その話も織り交ぜつつ、色々書いていきたい。
そもそも過払い金請求とは何か?
過払い金返還請求という言葉で大体想像は付くと思うんだけど、過払い金というのは、これまで借金を返済していくうちに、消費者金融やカード会社に対して、余剰に払い込んでいた分のお金ということになる。
少し前まで、消費者金融は利息を今の何倍も多くとっていたし、利用する側もそれを承知で借金をしていた。
ところが現在になって、この払い過ぎた利息を返還請求することで、一気に取り戻せると謳って、全国の弁護士が広告を打つようになったのだ。弁護士からしたら、稼ぎの種のひとつというわけである。
過払い金が戻ってくる可能性が高い人は、通算で6年以上返済を続けてきた実績のある消費者とされている。この基準に当てはまっている場合は、大抵過払い金が生じているということだ。
過払い金の返還請求は法律で認められているので、この場合弁護士に依頼すれば、過払い金がどの程度あって、どれだけ戻ってくるかを調査してもらえる。
知人S、総額200万円を取り返す
ところで、この手のCMって食い詰め者の弁護士がしつこくアピールしている印象があるんだけど、実際に過払い金がある消費者は思いのほか多く、弁護士としてもこの手の依頼は断る理由はないようだ。
僕の知人に、Sという男性がいる。Sは以前、偶然にも飲みの席で知り合った弁護士に、過払い金について聞きたい情報を質問していると、話の流れで「ひょっとして、あなたも過払い金戻ってくるんじゃないの?」と言われたそうだ。
これも何かの縁だと見積もりを出してもらったところ、結局2,200,000円程、過払い金が戻ってきたとホクホク顔で話していた。正直、「昔の消費者金融って、マジでえげつなかったんだな」とゾッとしたものである。
僕は奨学金以外の借金をしたことがないので、この手の話題には本来縁がないんだけども、過去に借金をした経験があるという人は、いっそ弁護士に調査をしてもらった方がいいように思えてくる。
成功報酬もそこそこ良心的、相談してみては?
過払い金の見積もりそのものに、料金が発生するケースは少ない。Sの場合も無料で試算してもらったということだ。過去に借金を6年以上していたという方は、とりあえず最寄の弁護士に相談するのはアリだろう。
どうせなら少しでもお金が戻って来るに越したことはないし。ところで、流石に過払い金が戻ってきたら、弁護士にはそれなりにお金を払う必要が出てくる。
たとえばSの件では、成功報酬は20%だったが、大体この手の報酬は、15〜25%を推移しているそうだ。金額によっては高額な成功報酬になりがちだけど、この際仕方がないだろう。
と同時に、あれだけ毎日しつこく過払い金請求についてのCMが放送されている理由も分かる気がする。借金はしないに越したことはない。しかし状況によっては、生きるために仕方がなくする借金もあっただろう。
過去に覚えがあるという方は、一度相談だけでもしてみるのも悪くないのでは?
(文/松本ミゾレ)