春は花見や歓迎会、夏は海でのBBQ、秋はハロウィン、冬はクリスマスからお正月。私たちお酒好きにとって、お酒を飲む機会というものは途切れることがないのである。
そんな真のお酒好きは、たとえイベントがない日でも特別な理由がない限り1年365日飲み続ける。今日はそんな酒漬けの生活を見直した私の経験をお伝えする。
【この記事の目次】
ほぼ毎日、ビールを1リットルほど飲み続けてきた
私は飲酒歴約20年のアラフォーである。ほぼ毎日、ビールにして平均1リットルほどを休みなく飲み続けてきた。自宅の晩御飯でもビールの350ml缶は必須で、調子が良ければ平日でも2缶、3缶と空けた。
ひとたび居酒屋に入れば平均して5杯以上は飲んだ。ビール、ビール、ワイン、熱燗、締めにもう1杯ビール。ジョッキやグラスが空けば自然に注文した。
飲まない日があるとしたら熱が上がってぶっ倒れた日か、年に1回の健康診断の前夜くらいだ。要はほぼ毎日欠かさず飲み続けてきたのである。
30代中盤から翌日への持ち越しを実感
確かにお酒は楽しい。飲んでいる最中はこの世の全てが許せるほど気持ち良くなるし、一緒に飲んでいる相手がどんどん良い人に見えてくるし、だんだんと饒舌になる自分のことも好きになってくる。確かにお酒は楽しい。
しかし、私の場合は30代中盤になった辺りから、翌日へのアルコールの持ち越しがつらくなってきた。眠気が取れない、体が重い、頭がまわらない、当然、仕事にも少なからず影響し始めていた。とはいえ全く仕事にならないほどではなかったため、そんな自分をだましながら飲み続けていた。
前日に飲み会でしこたま飲んだ翌日なのに、晩飯の時間になるとつい開けてしまう缶ビールを飲みながら、「やっぱり飲み過ぎた翌日のビールは美味くないな~。」と思いながら飲んでいた。かくして私は完璧な悪循環に陥っていった。
痛風とは「足の親指をペンチで潰されるほどの激痛」
そんな私が休肝日(お酒を飲まない日)を設けようと思ったきっかけは、会社の健康診断だった。前年6.8mg/dLだった尿酸値がとうとう7.2mg/dLの黄色信号に突入したのだ。理由は明らかだった。
ほどなくして痛風を実際に患ったという私の友人から、身の縮むような痛風の恐ろしさを直接聞くことができた。
曰く「親指をペンチで潰されて、そのまま90度ひねられたような痛さ」とのことだった。それを聞かされた私は言葉を失うしかなかった。
この恐怖体験も引き金となり、私は約20年ちかくほぼ毎日飲み続けたお酒をまったく飲まない日を設けてみようと生まれて初めて思った。
これは「絶対に止めてやる!」というほど固い決意ではなく、「試しに止めてみたらどうなるのだろう?」という好奇心の方が強かったかもしれない。
禁酒は3日目から効果を自覚
そんなわけでスタートした禁酒生活だが、1日や2日ではほとんど何も変わらなかった。しかし3日目になると明らかに体調が良くなったことに気付き始めた。
一番うれしかったのは、それまで私がお酒を飲んだ翌日に必ず味わっていた、何とも言えぬ鬱な気分がしなくなったことだった。実際にお酒を止めてみることでこの鬱な気分の正体がアルコール以外の何者でもないことを思い知ったのである。
それ以外にも眠気や体の重さがなくなり、頭の回転などが好転したことは言うまでもないが、自分にとって何よりの収穫だったのはこの「目覚めに鬱な気分がしなくなったこと」に尽きる。
何より酒代がまるごと浮いたことが収穫
以来、私は「原則、平日はアルコールを摂取しない」という自分ルールを定めた。飲むのは休日か休前日のみ。これだけで休肝日を自然に設けることができた。
そして何より今までお酒にバカみたいに使っていたお金がまるごと浮いたことが収穫だった。前月比で計算しても平均して15,000円、多い月で20,000円ほど浮かすことに成功している。というか私は今までどれだけ飲んでいたのだろうか。
この話は毎晩どれだけ飲んでも体調はまったく変わらないという酒豪の人には当てはまらない話であろう。しかし、「わかっちゃいるのに止められない」という悪循環にはまってしまっている人にはもしかして改善のヒントになればと思い、このたび筆を執らせていただいた。
(文/HOW MATCH編集部)