突然ですが、皆さんは『LINE』をご存知でしょうか。もちろん、知っていますね。
現在、数あるコミュニケーションアプリのなかでもダントツの人気を誇っていて、総務省と東京大学が実施した国内調査(2014年)によると、10代の約80%、20代では約90%、30代でも約70%は利用しているそうです。もはや国民の“常識”ともいえる驚きの利用率。確かに周囲でも使っていない人のほうが珍しい気がしますし、使っていない人が蔑まれた目で見られた瞬間を見たことすらあります。
そんなLINEですが、ここ数年人気を集めているツールがあります。それが今回のテーマである『クリエイターズスタンプ』です。今までスタンプをあまり使ってこなかった私が、クリエイターズスタンプのおかげで素敵な気分になった話をしたいと思います。
【この記事の目次】
昨年度の販売総額、12.3億円超!
早速本題、といきたいところですが、その前に。クリエイターズスタンプについてざっと説明します。
クリエイターズスタンプとは、LINE内のプラットフォーム『LINE Creators Market』で販売される、世界中のユーザーがオリジナルで制作したスタンプのことです。職業、年齢、個人などの障壁が一切なく、誰でも制作・販売できる「手軽さ」が大きな魅力。
2014年5月のサービス開始後、およそ3ヵ月で登録クリエイター数14万9,000人、販売総額12.3億円を突破して、一躍LINEを代表する存在になりました。
開始から1年後の2015年5月には、登録クリエイター数39万人(約25万人増)、販売総額に至っては89.4億円(約78億円増)にも及び、今もっとも熱いコミュニケーションツールのひとつだと言えそうです。
されど120円?果たしてコミュニケーションに影響するのか?
さて本題です。LINE株式会社の元代表取締役・森川亮氏は次のようなことを言っていました。
「ネットワークにおける従来のコミュニケーションはインフォメーションだったが、スタンプの登場によってエモーションが加わり、“エモーショナルコミュニケーション”が可能になった。現代社会に足りないエモーションが、コミュニケーションをよりリッチにする」
つまり、スタンプを使えば、よりコミュニケーションが充実するということです。でも、果たして本当にそうなのか疑問に思いますよね。とくに私はスタンプをあまり使わない派なのでなおさらです。
そこで! 実際にスタンプでコミュニケーションが充実するのかどうか、今もっとも熱いコミュニケーションツールの「クリエイターズスタンプ」を使って、自ら試してみました。検証方法は以下のとおりです。
- 対象者:10名(ここ数カ月~数年連絡を取っていなかった人)
- 内容:テキスト・スタンプ共に挨拶でスタート
- A.テキストで連絡 ⇒ 返信がなかった人は翌日スタンプで連絡(6名)
- B.はじめからスタンプで連絡(4名)
- ※スタンプはクリエイターズランキングNo.1(2015年10月時点)の「市原悦子は見た!」を使用。
結論から言ってしまえば、驚くべき成果が表れました。
A.テキストで連絡⇒返信がなかった人は翌日スタンプで連絡(6名)
テキストで連絡した6人中3人に、なんと“既読スルー”されました(かなりつらかった)。しかし翌日、スタンプを使って改めて連絡したところ、全員から返信があったんです。以降の会話もスムーズに運んだことから、スタンプでコミュニケーションが充実したと言えそうです。
B.はじめからスタンプで連絡(4名)
4人を対象にしたBパターンですが、そのうち3人はスタンプですぐに返信がありました(1人は既読スルー)。「スタンプはスタンプで返す」みたいなルールがありそうです。その後の反応もおおよそ順調だったので、スタンプは最初のきっかけ作りにとても適しているのかもしれませんね。なんとなく話題を振りやすいようにも感じました。
【番外編】感動したパターン
こちらAパターンですが、テキストでもそこそこなコミュニケーションがとれています。ただ、会話は途中で切れてしまいました。翌日、改めてスタンプを送ってみたところ、すぐに返信がきて、しかも既読スルーについて謝ってくれたんです! 私は感動しましたね、ほんとに。スタンプすごい。
120円の価値は…… 試してみる価値はアリ?
全体の結果は、以下のとおりです。
・Aパターン
- テキストだけで3名の返信、3名の既読スルー。
- 翌日のスタンプで、既読スルー3名全員から返信。
・Bパターン
- 3名がスタンプで返信。反応なしが1名。
もしかして、スタンプってすごいコミュニケーションツールなのでは……。テキストで返信があったのは3名のみ。一方、スタンプで返信があったのは6名です。テキストの2倍です。
Aパターンで既読スルーしたけど、翌日返信してくれた加藤さん(仮名)は「明るくて楽しそうだと思って返信した」とBパターンの佐藤さん(仮名)は「スタンプが面白くて返信したくなった」と言っていました。
LINE株式会社の元代表取締役・森川氏が話したように、私に足りていなかったエモーションをスタンプが表現してくれたのかもしれません。あと威圧感がありながらも親しみやすい市原悦子スタンプも、返信のしやすさに影響したようですね。さすがクリエイターズスタンプNO.1。
ちなみにテキストで返信してくれた、とても優しい岡本さん(仮名)がスタンプについて「絵文字で充分かな。音声付きとか、すごいと思うけど」と言っていました。少なからずこういう人もいるということをお伝えしておきます。ただ、岡本さんはクリエイターズスタンプを買っていました。なんて矛盾。
とりあえず、今回の結果から私が言えるのは“返信が欲しければクリエイターズスタンプを使うといい”ということです。ベーシックなスタンプでも一定の効果が見込めそうですが、バラエティ豊かなクリエイターズスタンプのほうが自分の個性を出せて、相手の興味を引きやすい気がします。
例えば、好きな人からの返信がこなくて困っている方は、ぜひ買って送ってみてください。今よりもずっといい関係になれます、きっと。ただお金がかかりますので、自己責任でお願いしますね。
(文/吉松京介・エストリンクス)