先進国で問題になっているのが年収格差です。日本でも取り沙汰されているのですが、30代、40代の問題だけではありません。すでに20代後半から年収格差が現れているケースもあります。
もし、現在の勤め先に不安を感じているなら、転職時のキャリアアップで勝ち組を目指しましょう。
「転職の成功=資格」神話の崩壊
転職サービスの人たちの間では、すでに資格は転職の成功を左右するものではないと言われています。
例えば、TOEICスコアがその一例です。語学力はないよりもあったほうがよいですが、TOEIC700点以上のスコアを持つ人はめずらしくなくなりました。
ビジネスシーンで英語を使った経験がない限り、英語に関する資格はアドバンテージになりません。
業務自体に資格を必要とするものでない限り、有資格者が有利になることは少ない時代です。勉強する能力の高さを証明することはできますが、資格を持っていることが転職市場における優位性ではなくなりました。
例えば、実用性の有無を考えずにさまざまな資格を持っていても、転職に成功することは難しいと思います。
実務経験が求められるアラサー転職市場
転職の成否を左右する要素は資格ではないことがわかりました。では、どのようにすると給与がアップするのでしょうか。
28歳転職限界説という考え方がありますが、実際にはリミットではなく、転職を考える時期の目安とするのが正しいようです。現実問題として、30歳を過ぎても転職することは不可能ではありません。
しかし、20代が自らの適性を探す時期だったのに対し、30代はビジネスパーソンとして確立された時期を過ごします。そのときに備え、28歳頃までに「自分はこのままでよいのか」と考えておくことが大切です。
28歳はスキルと経験に磨きがかかる時期なので、転職市場で価値が高いことは事実です。ただし、そこから先は転職できないというわけではありません。採用ニーズが高まる時期なら、転職活動も高い確率で成功すると思います。
マネジメント経験を積むための転職を目指そう
28歳転職限界説を見てもわかるように、資格よりも実務経験のほうが転職市場における価値は高いです。
「次の職場では長く働きたい」とは誰しもが思うものですが、もし、ビジネスパーソンとしての自分の価値を高めるなら、マネジメント経験が積める職場を選びましょう。
マネジメント経験はさらなるキャリアアップに直結します。一度転職するときに中間管理職やリーダーなどを経験していたという実績があると、転職時の人材としての価値は高くなります。
将来のキャリアアップに向けて高いステージを目指すことができるため、転職するたびに上の役職で働けるようになるのがよいのです。20代後半から30代前半にかけて、このようなことを考えておくとよいでしょう。
管理職を任されると仕事内容に対して与えられる裁量が広がります。しかし、多くの人の考えや気持ちに気付き、彼らを束ねなければなりません。
もし、管理職のマネジメントスキルが不足していると、会社経営や事業運営における問題点が生じてしまいます。管理職としての年収アップにはそれだけのプレッシャーが付いて回るので、転職するときにはあらかじめ押さえておきたいポイントです。
言い換えれば、それだけのプレッシャーをはねのける人とそうでない人は、年収格差が広まることが予想できます。
年収格差を乗り越えて転職の勝ち組になろう
年収格差が生まれる原因は、転職時の努力の方向性であることがわかりました。もし、新しい仕事を探すときは、常にキャリアアップを想像しながら動くようにしてください。
実務経験とマネジメントスキルがあれば、多くの困難を乗り越え、勝ち組転職に成功するはずです。
(文/三堂有人)