住宅を購入する際には補助金がもらえるのをご存知でしょうか?
新築だけでなく、中古住宅を購入する場合にも、購入費用のうち一定の給付額を支援してもらうことができます。
定められた控除額による減税を受けることも可能ですし、リフォーム工事を行った際にも、一定条件を満たせば補助金が出る制度もあります。
この記事では、知らないともったいない中古住宅の補助金について詳しく紹介します。もしもこれから中古住宅を購入しようと考えている人は、ぜひ参考情報としてお役立ていただければと思います。
補助金や税制優遇はこんなにある!
住宅を購入すると、土地代と建物代、工事費用と、多額の費用が必要となります。
基本的には住宅ローンを組んで月々決まった金額を返済していく人が多いかと思いますが、家計の中でかなりの割合を住宅費用が占めることになります。
そのため、少しでも負担を軽減するために、さまざまな支援制度があるのです。いずれも申請制となっているため、申請書を出し忘れないように注意が必要です。
今回紹介するのは、住宅購入時に知っておきたい補助金として、
- 住宅ローン控除
- すまい給付金
- 長期優良リフォーム補助金
- 住宅ストック循環支援事業補助金
- エコリフォーム補助金
- 介護保険で住宅改修
の6つを解説します。
制度の名前は何だか難しそうに思えるかも知れませんが、それぞれの意味を知ると、それほど複雑ではありませんので、「こんな補助金があるんだ」というぐらいの軽い気持ちでお読みいただければと思います。
10年間お得な「住宅ローン控除」
まず最初に抑えておきたい制度として、「住宅ローン控除」があります。住宅ローン控除とは、住宅を取得した時に、一定基準を満たせば、所得税から控除を受けられるという減税制度です。
時々、固定資産税や贈与税との因果関係を考え、頭がゴチャゴチャになるという人がいらっしゃいますが、所得税からと知っておきましょう。具体的には不動産を取得した年の年末で、住宅ローンの残高の1%が控除され、10年に渡って控除を受けられる制度なのです。
たとえば、ローン残高が2,500万円の場合、25万円が控除されて戻ってきます。それが10年続くと合計250万円の控除となるのです。
対象となるのは新築住宅だけでなく、中古住宅の購入や、リフォーム・リノベーションなどの改修も対象なので、住まいを手に入れる場合や改修する場合には、ぜひともチェックしておきたい制度です。
現金支給の「すまい給付金」
すまい給付金は、消費税が適用される住宅を買った時に、消費税の負担軽減を目的に導入されている制度です。現金が支給されますので、もらう側にとってとても嬉しい制度だといえるでしょう。
すまい給付金がどれくらいもらえるかは「給付基礎額×対象不動産の持分割合」の計算式で算出することができます。
といっても、何のことかよく分からないという人もいらっしゃるかと思いますので、ざっくりとした目安を紹介したいと思います。
消費税8%の場合
年収425万円以下の場合 | すまい給付金の目安は30万円 |
年収425万円から475万円の場合 | すまい給付金の目安は20万円 |
年収475万円から510万円の場合 | すまい給付金の目安は10万円 |
消費税10%の場合
年収450万円以下の場合 | すまい給付金の目安は50万円 |
年収450万から525万円の場合 | すまい給付金の目安は40万円 |
年収525万円から600万円の場合 | すまい給付金の目安は30万円 |
年収600万円から675万円の場合 | すまい給付金の目安は20万円 |
年収675万円から775万円の場合 | すまい給付金の目安は10万円 |
ざっくりとした目安ではありますが、参考にしていただければと思います。
3分の1が支給される「長期優良リフォーム補助金」
リフォームをした場合に補助金がもらえるのが長期優良リフォーム補助金です。
ひと昔前まではリフォームという言葉は聞きなれませんでしたが、最近は人気テレビ番組でリフォーム業者による改修工事が紹介され、工事内容の詳細まで見ることができます。
その結果、リフォームという言葉が浸透し、ただ単にデザイン性を上げるための改修工事だけでなく、耐震性に不安のあった人が耐震改修工事を兼ねてリフォーム会社に依頼したり、冷暖房のエネルギーを削減する省エネ改修工事(省エネリフォーム)を行うなど、住宅の性能を上げるリフォームも盛んです。
特に、耐震基準に満たない古い住宅の場合は、事業者に耐震工事を含めたリフォームをしてもらうことで、より安心して住むことができるでしょう。
そのような、耐震化・省エネ化・長寿命化工事とあわせてリフォームした場合に、費用の3分の1の補助金が、200万円を限度として出るのが長期優良リフォーム補助金です。リフォームの際にはぜひ活用しましょう。
環境住宅に適用される「住宅ストック循環支援事業補助金」
住宅ストック循環支援事業補助金とは、エコ住宅に建て替えたりリフォームする場合に補助金が支給される制度のことをいいます。
エコ住宅とは、環境への負担を軽減する住宅のことで、太陽電池や高効率給湯器、LED証明などの使用により、二酸化炭素の排出量を減らすものを指します。
エコ住宅の補助金は、住宅の構造によって異なりますが、基本的には1軒につき30万円で、状況によって最大50万円まで加算されます。
環境保全がささやかれている中、時代のニーズに合った補助金制度といえるかも知れません。
40歳未満が対象の「エコリフォーム補助金」
住宅ストック循環支援事業補助金は、エコリフォームとも呼ばれ、40歳未満の人が中古住宅を購入した上で、質の良い住宅にリフォームした場合に受けることができる補助金です。
補助金は1軒あたり5万円という基本的な額に加え、工事の内容によって最大65万円まで支給されます。
具体的には家の入口の断熱リフォーム、壁や天井などを含む内装の断熱リフォーム、住宅設備の改修などが適用条件となっています。
また、これらに合わせて実施するバリアフリーリフォームや、エコ住宅の設備の設置、木造住宅の補強や耐震改修、リフォーム瑕疵保険への加入も補助の対象とされており、幅広いリフォームに対して補助してもらうことができます。
介護保険で住宅改修
介護保険とは、介護によって必要となった負担額の9割を、国からの補助で負担してもらう保険制度で、広く知られているかと思います。「介護保険で住宅改修」と聞くと、「介護保険と住宅改修と一体どのような関係があるの?」と疑問に思われるかも知れません。
実は、介護のために住宅改修を行った場合には、住宅改修費用の9割相当が支給されるのです。限度額が20万円であるため、その9割の18万円までが補助されます。
たとえば手すりを付けたり、バリアフリーにしたり、トイレを洋式にするなどの工事に活用できるため、知らないともったいない制度といえるでしょう。
まとめ
中古住宅購入による補助金について解説させていただきましたが、実はこんなに補助金の制度があるのです。もしも知らなければ取りこぼしてしまう可能性が高く、全て実費となってしまいかねません。これらの情報は知っている人ほど得をするという内容ばかりですので、一定額以上の大きな出費がある時には、補助金の有無をチェックされることをオススメします。