昭和のころと比べると、専業主婦の数は減ってきています。それでも、依然として43%の女性が専業主婦を選んでいます。専業主婦を仕事と捉えて年収に換算するとどうなるのでしょうか?
専業主婦の割合は43%
厚生労働省のデータによれば、1982年の専業主婦の割合は62%。最近では43%に減りました。筆者は30代ですが、同年代の友人は結婚していてもパートタイムの仕事をしている人の方が多いです。でも、そんな中でも専業主婦を選んだ友人も数人います。
専業主婦は「仕事をしていない」というイメージがあるかもしれませんが、専業主婦が毎日していることを金額に換算するとどうなるのでしょうか?
専業主婦の仕事とは?
専業主婦の仕事は多方面に及びます。主婦の仕事を他の職業に例えるとどうなるのでしょう?子どもがふたりいる母親を例に挙げて考えてみます。
保育士 | 保育士さんの年収は400万円を超えます。お母さんは子どもの世話をするだけで、年に400万円もらうくらい価値のあることをしています。それに、もしもお母さんが子どもの世話ができず、保育園に預けるとなれば、月々20,000円~30,000円支払わなければなりません。 |
教師 | 子どもに社会人として必要なことを教えるのは親の責任。子どもと過ごす時間が多いお母さんは、必然的に教育者となります。それに、子どもが学校から帰ってきたら宿題をさせたりして塾の講師のようなこともします。子どもを塾に行かせたら、個別指導を週に2回受けるだけで月々20,000円~30,000円支払わなければなりません。 |
運転手 | 子どもが風邪をひいたらお母さんが診療所まで連れていきます。自宅からの距離にもよりますが、そのたびにタクシーを使ったら往復で1,200円くらいかかってしまうでしょう。 |
家政婦 | 食事、洗濯、家の掃除、整理整頓など。季節が変われば衣替えもします。家族の健康管理もします。もしも家政婦を雇ったら、1日(8時間)10,000円が相場。 |
料理人 | 専業主婦は朝・昼・晩の食事をつくります。家庭によってはお弁当が必要なことも。料理人の平均年収は300万円くらいです。 |
看護師 | 子どもや夫が風邪を引けば看護します。熱を測ったり水分補給させたり、消化のよいものを食べさせたり。看護師の平均年収は450万円前後。この年収を365日で割ると1日当たり12,300円。3日間看病したら、36,900円分くらいの仕事量になっています。 |
用務員 | 家の中のちょっとした修理や鉢植えの世話、銀行や郵便局での手続きなど、日常の雑用はいろいろ。専業主婦はお金の管理もします。ご近所さんとの付き合いや気配りもします。 |
それを年収にすると、合計で約1600万円になるともいわれています。時間に換算すると、専業主婦は週に約100時間働いていることになります。しかも休みがありません。みなさん、奥さんやお母さんが専業主婦なら、大いに感謝してください!
節約上手な専業主婦=夫の年収を増やしている
会社員と専業主婦という夫婦の場合、じっさいにお金を稼いでくるのは夫ですが、お金を使ったり管理したりするのは奥さんですね。奥さんが節約上手だと、夫の年収は変わらなくても貯蓄がどんどん増えていきます。節約上手な専業主婦は、夫の年収を増やしているともいえますね。
専業主婦を選んだ女性たちの理由とは?
専業主婦を選ぶ理由で多いのは
- 夫の意向だから
- 妊活のため
- 妊娠・出産を機に
- 転勤や引っ越し
- 結婚を機に など
ちなみに筆者の周りで専業主婦をやっている友人の中では、結婚を機に仕事をやめた、という人がほとんどですね。結婚するからには「家事に勤しむ良い奥さん」をしたいんです。
専業主婦が就きやすい仕事とは?
データによれば、専業主婦の8割以上は、いつか落ち着いたら仕事をしたいと考えているようです。そんな専業主婦が始める仕事に向いている条件は、
- 自宅から通いやすいこと
- 週末は家族と過ごせること
- 結婚前にしていたのと同じ職種だと再出発しやすい
- ストレスなく働ける職場環境が理想的
- お弁当屋さんやクリーニングの受付などは専業主婦の仕事内容に近いので始めやすい
もしも高年収を狙うなら、独学でとれる資格にチャレンジしてみるのもいいですね。
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(文/河原まり)