年収を上げたい

派遣社員の年収の実態。派遣は本当に給料が安いのか?

投稿日:2017年4月16日 更新日:


仕事を探そうと求人情報を眺めているうちに、派遣会社が登録者を募集しているのを目にして、登録しようか迷っている…という方、多いのではないでしょうか?

この記事では、派遣社員の年収推移や、派遣社員が抱える不安、高年収を目指すための条件など、派遣社員にまつわるアレコレを徹底解説していきます。

派遣社員の年収推移

厚生労働省が発表した資料によれば、派遣社員・契約社員・パート・アルバイトなどの非正規の昇給率はかなり低く、生涯を通じて百万円台後半から二百万円台前半であることがわかります。

一方、正社員は、50代までは、年齢が高くなればなるほど賃金も上昇します。つまり、一般的に、年齢が高くなればなるほど、正社員と非正規社員との賃金格差が高くなっていくことがわかります。総じて、非正規雇用の人間が労働者平均の所得を得るのは難しい、と言えるでしょう。

こうした資料で示されているデータは、実体験に照らし合わせて考えると、より理解が深まります。例えば、派遣やアルバイトとして、コンビニで働くケースを考えてみましょう。

地域によって多少の差はありますが、おおむね、時給は1000円前後であるはずです。勤続期間が長くなれば、時給が数十円、あるいは百円二百円くらいアップすることはあるかもしれません。ただ、時給が2000円・3000円になることはないでしょう。

そしてこれは、若者だろうと年寄りだろうと、一律で同じです。つまり、派遣やアルバイトとしてコンビニで働き続ける限り、「生涯、ずっと、時給は約1000円」ということを意味するのです。

上記の時給を前提に、年収を試算してみましょう。

仮に、

  • 時給1000円
  • 1日8時間労働
  • 20日間勤務
  • それを12か月間続けた

とします。そうすると、

1000円×8時間×20日×12か月=192万円

という結果になります。

つまり、約200万円です。上の掛け算の式で、「1000円」という時給が「1100円」であろうが、「月に25日」勤務しようが、いずれにせよ、四捨五入すれば「約200万円」です。

これは、厚生労働省が発表しているデータと、ぴったり合うことがわかります。

派遣社員で高年収を得るには

ただ、全ての非正規社員が、時給1000円であるということはありません。

実は、上記のコンビニ店員といった仕事は、あまり高度な技能がなくてもできる仕事と考えられています。言い換えれば、「誰にでもできる」仕事であるからこそ、賃金が低く抑えられているのです。

逆に言えば、「誰にでもできるわけではない」仕事ができるようになれば、「時給が約1000円」という呪縛から解き放たれる可能性は高くなっていきます。

例えば、オフィスでの一般事務で広く使われている、マイクロソフト社の各種ソフトウェア(ワード、エクセル、パワーポイントなど)を使いこなせる方は、オフィスの事務員として、時給約1500円以上で働いている方も数多く存在します。

2017年現在で、「非正規社員でも賃金が高い」職種の代表例として、

  • IT関係の技術者(プログラマーなど)
  • 金融系の専門資格者(フィナンシャルプランナーなど)

の所持者などが挙げられます。こうした専門職となるためには、もちろん、ある程度の高いハードルが存在するわけですが、高いハードルが存在するからこそ、「誰もができる仕事」ではなく、ある程度の高い賃金が見込めるようになっているわけです。

そして、例えばプログラマーの例で言えば、現場経験と実績を積んでいけばいくほど、フリーランスや派遣社員でも、月収が50万円〜100万円以上の方がザラに存在する、という世界になっていきます。

派遣社員の抱える不安

ただし、コンビニ店員などの低賃金の派遣社員はもちろん、プログラマーといった高賃金の専門職であっても、派遣社員である限り、正社員とは異なる不安が常に存在します。

まず、一番大きな不安は、雇用が不安定ということです。

1日8時間、例えば10時〜19時(1時間休憩込み)という形で、決められた時間で働けるのは正社員と同じなのですが、正社員の雇用期限が無期であるのと異なり、派遣社員には、雇用の期限が存在します。

期限が来ても、まだ需要が存在すれば雇用関係が継続するかもしれませんが、不要と判断されれば、雇用契約が更新されない可能性は十分にあり、それでも文句を言うことはできません。

また、正社員が、定期的に昇給・昇格が見込みやすいのとは反対に、派遣社員が昇給を見込むのは難しいケースが多いです。また、上述の通り、雇用関係も不安定ですから、収入に自信がなく、結婚して家庭を持ち、子どもを産んで育てるという決断に踏み切れない方が数多く存在します。

さらに、病気や出産という状況になった場合でも、例えば正社員であれば、病気休暇や産前産後休暇という社内制度を利用できるケースが多いのに対し、派遣社員では、同様の制度を利用できないことも多いです。

派遣会社がマージンを取りすぎ問題?

派遣社員として働くには、派遣会社に登録し、そこから派遣先に派遣されて働く、という形をとります。そうすることで、派遣会社は派遣先の会社からマージンを受け取って利益をあげているわけですが、そのマージンの取り分が高すぎるのではないか、という指摘もされています。

業種により幅はありますが、派遣会社が受け取るマージンは、約25%〜40%とされています。

つまり、例えば、派遣先から派遣元に支払われる派遣料金が月間35万円、支払賃金が25万円というケースがザラにあるということです。

これはつまり、派遣先が、自分の仕事に35万円支払う価値があると考えているのに、10万円分が、派遣元の会社経費や利益として吸い上げられてしまう、ということになるわけです。

派遣社員から高年収を目指すためには

このような中で、派遣社員から高年収を目指すには、どうすればいいのでしょうか。ここでは、大まかに分けて、3つの方法を紹介します。

まず、既に説明した通り、誰にでもできるわけではない専門職となるため、スキルと実戦経験を積んでいくことです。

例えば、2017年現在、特定のプログラミング言語を書ける専門技能を持ったプログラマーは、多くのIT企業から、喉から手が出るほど欲しがられています。

次に、紹介予定派遣として、正社員を目指すことです。

紹介予定派遣とは、「将来的には正社員になることを前提に、まずは派遣社員として働いてもらう」という制度です。もとよりそういう条件で働くわけですから、きちんと成果を出すことができれば、正社員として雇用されることになります。

最後に、正社員を目指さず、派遣として働き続けることを希望するのであれば、より条件の良い大手企業に勤め、年収の水準アップを目指すことです。それまでに自分が身につけたスキルを元に、派遣元ともよくよく相談し、希望する条件で大手企業から募集がかかったら、積極的に応募するようにするとよいでしょう。

おわりに

派遣社員は、やはり賃金や待遇面で、正社員よりも劣ることが多いです。低い賃金や待遇から脱却するためには、意識的に、専門的な技能や職務経験を積んでいく必要があります。

どのような技能や経験を身に着けていくのか、自分で戦略を立てつつ、派遣元などとも相談して、キャリアパスを考えるようにしましょう。

まとめ

  • 専門的技能がない派遣社員は、生涯を通じて低賃金のまま終わる可能性が高い
  • 専門的技能と職務経験を積むことが、高い賃金への鍵
  • 紹介予定派遣制度を利用したり、待遇がよい大手企業での就業機会を狙うのもアリ

(文/tdom)

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