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なかなかお仕事が休めない…派遣社員に有休は与えられないの?

投稿日:2017年4月15日 更新日:


一般に、企業から直接雇用されている正社員や契約社員よりも、福利厚生面で、派遣社員が低い扱いを受けているというケースは数多くあります。

それでは、有休についてはどうなのでしょうか?派遣社員は、もし休みをとる必要がある場合、絶対に「欠勤」扱いになってしまうのでしょうか?

派遣社員でも有休は付与される

結論から言うと、派遣社員であっても、有休をもらうことができます。正確には、2つの条件を満たしている場合には、給付されることになっています。

  • まず、同一の派遣会社から、6か月以上の期間、継続して勤務していること。
  • 次に、労働日の8割以上を出勤していること。

これらの条件を満たしていれば、6か月の勤務期間を過ぎた時点から、10日間の有給休暇が付与されることになっています。それ以降は、1年ごとに1日ずつ日数が増えていき、最高で20日まで与えられることになっています。

これは、たとえ派遣社員であっても、認められるべきものとして、労働基準法で定められている権利です。

なお、有休に関する詳細な規定は、派遣元会社が規定を整備していることがあります。有休についての規定がどうなっているのかわからない場合は、まずは派遣元会社に確認をとる必要があるでしょう。

ただ、いずれにせよ、6か月の継続勤務条件と、8割以上の出勤条件を満たしているのに、そもそも有休が認められないということはありません。

派遣社員の有休のとり方

これは、一言で言えば、派遣元の担当者や、派遣先の所属部署の上司等との関係で決まり、ケースバイケースです。

派遣元の担当者によっては、「有休をとりたい場合には、派遣先に言う前に、必ずこちらへ相談して下さい」という担当者もいるでしょうし、逆に、「派遣先の上司からOKをもらった後で、事後報告していただく形で構いませんよ」という担当者もいるでしょう。

有休を取りたい場合の報告・連絡・相談方法については、あらかじめ、派遣元の担当者としっかり話し合っておくことをおすすめします。

仮の話ですが、もし、担当者と事前に話し合った通りの手順を踏んで有休申請しなかったり、派遣元や派遣先で提示されている規定に反した休み方をしてしまった場合は、最悪、無断欠勤扱いとなってしまう可能性もあります。

このような場合は、派遣社員の側に非があると認められ、有休の適用を主張したとしても、派遣元・派遣先の判断について、法的になんら問題はないとみなされてしまいます。

また、休みをとる手続きに問題があると、自分が職場で働きづらくなってしまいますし、損をしてしまいます。一時的に派遣されているだけの企業かもしれませんが、同じ部署の同僚や上司に配慮し、仲良くすることで、損するということはありません。

契約期間の延長や、直接雇用の話が舞い込んでくる可能性もあるわけですから、人間関係にも気を配りつつ、休みをとりましょう。例えば、いくら権利とはいえ、繁忙期とあらかじめわかっている時期に、「友達とハワイ旅行に行ってきますので、有休ください!」と言われたら、派遣先の上司・同僚・派遣元の担当者が、悪印象を持ってしまうのは仕方がないことでしょう。

空気を読みすぎて休みが取れないような職場環境も問題ですが、権利だからといって、あまりに空気を読まないのも、これはこれで問題なのです。

有休を消化しにくい現状

これは、派遣社員に限った話ではないのですが、一般に、日本の会社では有休が取りにくい雰囲気が蔓延していることが多いです。正社員であっても、認められた有給日数をすべて消化している人は、日本ではあまりいないのではないでしょうか。

仮に取ったとしても、年に数日だけ、風邪などの病気や、どうしても欠かせない所用があって、やむを得ず休むだけ、という人はたくさんいます。正社員ですらこのような状況の中で、当然の権利とはいえ、有休を申請してよいものか、迷う方もいらっしゃるかもしれません。

有休を認めないと言ってしまえば、明白な労働基準法違反になってしまうので、職場の上司がそう明言することはないけれども、なんとなく、会社や職場全体に、有休を取ってはいけないような雰囲気がかもし出されているというケースは、非常にたくさんあります。

2016年には、あまりに忙しく働いていた電通の女性社員が自死してしまった…という、不幸な事件もありましたね。

ただやはり、そうは言っても、有休は労働者に認められた権利です。自分がどうしても有休を取る必要があるにも関わらず、認めてくれないような会社であれば、契約が更新されない可能性を恐れてビクビクするのではなく、こちらから「そんな会社で勤め続ける価値はない」と、見限るくらいの気持ちを持ってもよいのではないでしょうか。

ただし、このような心構えは、あくまで内心に留めておくべきです。派遣元の会社に迷惑がかかってしまう可能性がありますし、そうすると、問題アリな人物として、他の会社にも派遣してもらえなくなってしまう可能性すら出てきます。

内心は、そういった会社や職場をブラックとみなしつつも、こちらから契約更新を断る場合、体裁上は、あくまでも「一身上の都合」ということにしておきましょう。相手のメンツを潰してしまっては、穏便に進む話も進まなくなってしまうリスクがあります。

では、双方の合意のもと、派遣の期間終了が近づいてきたときに、有休消化をしたいなという場合には、どうすべきなのでしょうか。

この場合、派遣先の職場をもうすぐ離れるわけですから、あまり人間関係に気がねする必要なく、有休申請してしまってよいと思われるかもしれません。しかし一方で、派遣元の担当者が、派遣先から「期間いっぱい働いてほしかったのに、最後、有休をとられてしまった」と文句を言われ、最悪、取引を切られてしまうというリスクもあるわけです。

こうした場合、担当者からは「(有給を消化するなんて言わないで、)なんとか出勤してもらえないですか」というお願いをされることになります。それを聞いて、担当者の顔を立てる形で、あえて有休を消化せずに勤務を続けるか、担当者の顔を立てることなく、構わず有休取得を強行するかは、皆さん次第です。

引き続き、同じ派遣元から職場を紹介してほしいという場合には、担当者の顔を立てておく方がよいのかもしれません。

おわりに

以上で紹介したとおり、有休は、一定の条件を満たした上で、派遣社員にも認められる権利です。

派遣先の上司や同僚、派遣元の担当者へは、規定に沿った形で報告・連絡・相談をしっかり行い、その上で、堂々と権利を行使して休みましょう。

まとめ

  • 派遣社員にも有休は認められる
  • 有休が認められるには、6か月間、同じ派遣元から派遣され勤務を継続していることと、労働日の8割以上出勤していることが条件になる。これらを満たせば、10日の有休が認められる
  • 有休に関する条件の詳細については、派遣元や派遣先に規定があることも多く、それらも確認すべき
  • 有給取得の報告・連絡・相談方法については、派遣先・派遣元の担当者と、あらかじめ確認しておくべき

(文/tdom)

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