喫煙スペースがどんどん失われ、世間からの目も決して良いものではなくなっている「たばこ」で、なんと1箱で人生の4時間半が削られるといいます。健康に悪い、お金がなくなる、といったデメリットばかりですし、昔に比べて現代はより禁煙が推奨される時代となり、もはや喫煙者とは時代遅れな存在なのかもしれません。
かくいう私は、喫煙者です。吸いはじめたきっかけは、イギリスのSSW(シンガーソングライター)「ローラマーリング(Laura Marling)」。金髪、色白、華奢、可愛いという4拍子揃った完璧なビジュアルでありながら、渋い声でフォークを歌い上げるというギャップに心を奪われてしまったのです。そんな彼女がたばこを吸っていたんですね(今は分かりませんが)。それだけでたばこを吸ってしまうような、男は単純な生き物です。
先に言っておきますが、私はとくに禁煙するつもりはありません。ただ、「たばこはお金にも命にも悪いらしいですよ」と皆さんに改めてお伝えしたいのです。
たばこ価格、2000年以降に4回も増加
ご存じのとおり、たばこは複数回の価格改定を経て現在の価格になっています。例えば、日本のたばこの代表銘柄である『セブンスター』は、2003年、2006年、2010年、2014年の4回にわたって価格改定を実施しており、2015年時点での価格は460円、なんと2003年時点と比べて180円も高くなっているんです(2003年時点では280円)。
ここでセブンスターを元にした、1ヵ月あたりのランニングコストを考えてみましょう。
1日1箱吸う人であれば、現在13,800円かかります(460円×30日)。2003年時点で考えると、1ヵ月で8.400円(280円×30日)。昔と比べると1ヵ月で「5,400円」、年間でいうと「64,800円」もたばこ代が増えているんです。結構な金額だと思いませんか。
1本で13分、1箱で4時間半も寿命が縮まる?
たばこ文化が根付くイギリスやアメリカでは、タバコに関する健康リスクについて、大規模な統計学的・疫学的調査を行っています。イギリスの医学雑誌「BMJ」によると、喫煙者はそうでない方に比べて、平均寿命が10年程度短いようです。死亡率でみてみると、喫煙者の男性は2.21倍、女性は2.61倍にも及ぶとか。
またアメリカのWebサイト「Treatment4addiction」は、たばこ1本につき13分48秒が人生から失われると発表しています。1箱で約4時間半も寿命が短くなることに。
日本人の1日の喫煙本数は、男性で平均23本、女性で17本という調査結果もあるので、年間で「2ヵ月弱」の寿命がたばこで失われているんです。「たばこは身体に悪い」とよく言われますが、さすがにここまでくると怖くなりますね……。
失うのは現金だけじゃない 早めの禁煙でリスクを軽減
ここまでの事実をまとめると、たばこはお金がかかる上に寿命も短くなるので、本当にいいことがありません。しかも、日本国内のたばこ価格は世界的にみるとまだまだ低いです。
イギリスやアメリカではすでに、1箱1,000円を超えるケースも珍しくはありません。先進国をはじめとした国々が禁煙を推奨している現状では、日本でも今後はそれほどの価格になる可能性があり、さらなる出費を強いられることでしょう。
少し不安になってきた方に朗報ですが、禁煙をすれば健康リスクをおさえることができるようです。先述した「BMJ」は、35~44歳の間に禁煙すれば、
これだけたばこが悪いこと知っておきながら、禁煙に向かう気配が全くない私がいうのもなんですが、少しでも早いうちにたばこを止めることが、身体にとっても財布にとっても優しい判断になります。まさにたばこは、「お金と命のダブルパンチ」ですので、早め早めの禁煙をぜひ目指してください。私もそのうち止めようと思います。
(文/吉松京介・エストリンクス)