少し前、匿名の人物が書いたとされる「保育園落ちた、日本死ね」という品のないブログが某女性議員によって国会に取り上げられ、話題になったことがある。
あんな一個人が書いたとされるブログを、よくもまあ偶然見つけたという体裁で国会に出せるものだと呆れたものだが、そうは言っても都心部では保育園の数は足りていない。
待機児童の数は確かに増え続けている。厚生労働省によれば、27年の10月時点で、22,148人。待機児童問題が深刻なのは、人口過密地域だ。
そのため、都心部では認可外保育施設に子供を預ける世帯も増えている。そこで今回は、認可保育園と認可外保育施設の、コスト面、そして安全性の違いについて書いてみようと思う。
認可保育園の平均月謝は2~3万円
まずは認可保育園の保育料が、おおよそどの程度かかるのか。これを見ていきたい。またまた厚生労働省の調査データを引用させてもらうと、児童1人あたりの平均保育料は、毎月20,491円となっている。
割合を見てみれば、「2~3万円未満」という世帯が31.9%。もっとも多い数値となっている。おおよそ、20,000円から少し足が出る程度が相場のようだ。
安全面はどうだろう。認可保育園と聞くと、なんとなく安心して子供を任せることができるように思うけど、保育士も人間。そして人間は誰でも100%完璧な仕事はできない。
過去、認可保育園に預けられていた児童が、保育士の不注意によって怪我をしたり、死亡事故を起こした事例は枚挙に暇がない。
完璧な保育を求めるのも酷という話になるし、少なくとも認可保育園だから安心してOKと考えるのは早計ということだ。
ただし、なんせ認可保育園は月謝が安い傾向にある。口コミなどを目を皿のようにしてチェックし、過去に重大な事故に児童を巻き込んだことがないかを、しっかりと確認してから子供を預けるのがいいだろう。
無認可保育園は、率直にいえば高すぎる!
続いて、無認可、認可外保育園について書いてみたい。無認可保育園とはそもそもなにか。それはざっくり書くと、国が認めている認可基準を満たしていない施設のことである。
その基準を満たしていない原因は、施設そのものの広さに依存することが多い。
どちらにせよ、認可外保育園は国からのお墨付きを得ていないので、公的な補助を受けられない独立した施設というわけだ。フリースクールみたいなものである。
そして、公的補助を受けていないため、当然収入源の大半を、子供を預ける親に依存する。これは仕方のないことだ。月謝はまちまちだが、特に人口過密地域では、毎月100,000円以上かかることも珍しくない。
とにかく高い!それが認可外保育園の最大の特徴だ。
安全面について書くとなると、これも正直認可保育園と同じような結論になってしまう。事故を起こすこともあるし、死亡に至るような、取り返しのつかないミスを犯したデータも出ている。
こちらもやっぱり、人間なので100%安全に保育をしてくれるわけではないということだ。
一番の違いはコスト!
というわけで、今回は認可保育園と、認可外保育施設の違いについて書いてみた。人が運営している以上、どちらの施設にしても、安心してわが子を預けられるというわけではない。
認可だろうと、認可外だろうと、やっぱり起きてほしくない事故は起きてしまう。
もっとも大きな違いは、やはり保育料だ。公的な補助を受けている施設は、そんなに家計を圧迫することもないが、一方で認可外施設はかなり高くなっている。
認可保育園に入れることができなかったため、子供を認可外施設に預けているという家庭にとっては、毎月の支払いはまさに地獄のようなものだろう。
こういう状況を改善することは、率直に書くとそう簡単な話ではない。少子高齢化が進むこの国では、子供のことを一番に考える施策というのものは、今後ますます後手後手に回るようになるのかも知れない。
(文/松本ミゾレ)