一般に、業種が変われば年収は下がりがち、といわれます。新しい仕事を一から勉強し直すのですからこれは仕方のないこととも言えます。
しかし、逆に業種変更を機に年収アップが目指せるケースもあります。今の年収に不満があるなら、年収アップを求めて転職したくもなりますね。さて、転職の適齢期はあるのでしょうか?年収アップが期待できる転職のポイントとは?
普通は年収は下がることが多い
まずまずの年収を稼いでいて、まったく畑違いの業種に転職した場合、ほとんどは年収が下がる傾向にあります。
自分にとって新しい業種への転職なら、おのずと初歩的な勉強から始めなければならないのでそれは仕方のないことだとも言えます。
また、最初の就職先は、自分が持っている技術を生かせる企業を選ぶことが多いですね。そこからの業種変更となると、自分が持っている技術とは関係のない職場への移動となる可能性が高いです。
業種変更をするとなると技術と無関係の職に就くことになりやすく、結果として年収は下がりがちになります。
年収がアップするケースも
しかし、逆に業種変更することで年収アップが期待できるケースも少なからず存在しています。例えば、業種が変わったとしてもこれまでのキャリアを生かせる仕事なら、年収アップが期待できるかもしれません。
例を挙げるなら、業種は電気機器から製薬会社に変わっても、営業職という職種は変わらない、といった場合です。
同じ営業職でも、電気機器の会社から製薬会社に転職することで年収アップが期待できます。製薬会社は全体的に年収が高めだからです。この場合、以前の会社で培った営業のスキルを生かすことができるでしょう。
また、業種変更で年収がアップしやすい企業を知っておくと、狙いを定めやすくなります。
転職支援サイトDODAの統計結果によれば、転職後の年収アップ率が高かったのは金融関連専門職種で、そこに転職した人のうち年収がアップしたのは20.6%。平均で92.6万円アップしています。
次に年収アップ率が高かった転職先は医療系専門職種(医療/介護/福祉)で15%。平均67.6万円年収アップしています。
3番目に年収アップ率が高かった転職先は技術系職種(建築/土木/プラント/設備)で14.9%。平均65.2万円年収アップしています。
それに次いで営業職や技術系職種(素材/化学/食品/その他)への転職も、約14%の確率で年収アップが期待できます。
交渉次第で年収が上がることも
転職先を探すに当たって、年収について自分の希望を伝えるのは大切なことです。自分で応募して見つけたのなら、1回目の面接の時点で「想定している給料はどれくらいなのか」尋ね、希望金額とかけ離れているなら要望をはっきりと伝えましょう。
エージェントを通して見つけた仕事なら、給料についての交渉は最後でも大丈夫です。なぜなら、エージェントはこちらの年収に対する要望を知ったうえで転職先を紹介しているはずだからです。
転職の適齢期とは?
一般に、転職の適齢期は20代後半といわれます。転職支援サイトDODAの統計をみても、転職による年収アップの成功率がもっとも高かった年齢は28歳(9.4%)。次いで29歳、27歳が多く、やはり全体的に見て20代後半までが年収アップの成功率が高い、ということができます。
でも、20代をとっくに過ぎていても希望を捨てることはありません!転職は35歳までなら間にあう、とも言われます。
また、場合によっては40代、50代でも、年収アップが期待できるケースもあります。それはこれまでに培われたマネジメント能力やリーダーシップなど、管理職としての能力を、転職先で生かせる場合です。管理職への転職は、年収アップにつながりやすいと言えます。
転職しやすい時期がある
年齢のほかにも、転職時期について押さえておきたいポイントがあります。毎年、3月~4月と9月~10月は求人情報が増える時期です。
転職に不利な年齢であっても、この時期なら転職先が比較的見つかりやすくなると考えられます。選択肢が多ければ、それだけ年収アップがのぞめる転職先が見つかりやすくなりますね。
(文/河原まり)