今の働く日本人の平均年収は約400万円、ビジネスマンにとって年収は自分の価値を知るスケールの1つであり、そのため平均年収というのはついつい意識してしまうものです。
そんな気にしてしまう『平均』。年齢も性別も、そして仕事内容も関係なく均した結果ですが、年収ごとに調査するとどうなるのか、気になりませんか?あるアンケート調査によると年収100万円以下が約3割という驚きの結果が出ました。
2009年から下がり続ける平均年収
自分の年収が多いのか少ないのか、働いている人ならば誰もが気になる点です。平均年収は2009年からマイナス傾向があります。一度2013年にプラスに転じましたが、やはり2014年にはマイナスとなり2015年もマイナスとなりました。
職種別平均年収ランキング
年収は職種によって異なり、職種を89種に分類した平均年収ランキングでは、
- 1位が「投資銀行業務」
- 2位が「MR」
- 3位が「経営企画/事業企画」
となっています。海外進出や投資拡大がビジネスキーワードになっているため、特に管理部門は大幅に年収がアップしたようで、「営業企画」「財務」「不動産企画/プロパティマネジメント」が特にアップしました。
企業のグローバル化への取り組みの加速や、事業拡大のための投資に向けた資金調達などが実際に行われていることを如実に表わす結果です。
業種別平均年収ランキング
業種でいうと67業種に分類した平均年収ランキングでは
- 1位が「医薬品メーカー」
- 2位が「投信/投資顧問」
- 3位が「医療機器メーカー」
となっています。今年は訪日外国人の急増と円安による国内旅行の人気がニュースを騒がせましたが、その情報通り「ホテル・旅館・宿泊施設」は平均年収がグッとアップしたようです。
また、サービスの中でも「ホテル・旅館・宿泊施設」は業績が堅調に推移した様です。
他にも予防医療や再生医療の実用化に向けた研究・開発が進んでいるため、「バイオ関連」「メディカル」で働く人たちの年収もアップしているようです。
平均年収の壁は400万円!
国税庁が発表している「民間給与実態統計調査」から、2015年の民間企業で働く人たちの平均年収は約415万円、若干の増減はあるもののこの平均年収は何と1997年からあまり変わっていないのです。
この平均年収は昭和の終わった年である昭和63年と同じ水準であり、平成以降は変化がないことから「失われた20年」と揶揄されています。
それどころか2008年に起きたリーマンショックをきっかけに、賞与を減額する企業が一気に増加、年収が一気に落ちて、結果ローン返済が滞る家庭増えたようです。
労働人口は年々下がり、平均年収も年々下がる、日本の生産力はダウンしているのです。
この平均年収ですが男女および年齢関係なく均すと約400万円となりますが、男女で見れば1.5~2倍の差があり、年齢で見れば一般的な年収のピークである50代前半と、20代以下および60代以上を比べるとこれも1.5~2倍の差があります。
女性の賃金が伸びない理由
女性の給与が男性のように賃金が伸びない要因の1つは、日本では女性に育児を任せる考え方が欧米より強いためです。
女性は出産や育児で休むとキャリアが分断され、職場復帰が難しい傾向があります。しかし、医療従事者を中心に女性の年収も上昇傾向がみられるため、女性が活躍し始めてきたと分析する人もいます。
年収100万円以下が何と3割!
当Webサイト、HOW MATCHが年収と貯蓄額についてアンケートを実施しました結果、平均年収は約400万円となりますが、何と年収100万円以下が3割という驚きの結果になりました(400万円台以上も約3.5割いるので平均年収は約400万円台。)。
国税庁の調査とは異なり、このアンケートの回答者は民間の会社員以外、公務員や自営業、そして専業主婦やパート従事者も入っています。
どの職業が100万円以下の年収なのかは分かりませんが、平均年収では分からない、実態が分かる調査結果だと感じられます。
(文・高橋亮)