【この記事の目次】
自分の記事がパクられた!!??
先日のことだ。
僕が何となくネットサーフィンをしていると、とある、まとめ系アフィリエイトブログが、書き出しから句読点にいたるまで、限りなく僕の書く文章に似たものを記事としてアップしているのを発見した。
「へえ~、世の中には似たような人が3人いるっていうけど、こういうことってあるんだね~」とそのまま何事もなく……放置するはずがない!以前僕の書いたもののコピペではないかと確認することにした。
見ごとに、過去に僕が自分のブログにアップした文章であることを証拠とともに、「無断での引用は法的措置をとります」という警告を、そのブログ管理人に送りつけた。
最後は和解金を取ることに
何度かのやり取りを経て、最初こそすっとぼけていたこの管理人だったけど、動かない証拠をこちらは握っているし、何よりパクられた当人である。
完全に頭にきてしまい、最終的には小額ながら和解金をぶんどってやった。
他人の稼ぎの種を無断で拝借して、それで儲けようというその魂胆が、何よりも嫌だったのだ。
そしてこういうケースは、何も特別なことじゃない。
現在、アフィリエイトブログを運営している管理人の中には、他人の発信した情報を盗むことに、何の罪悪感も抱かない者が相当数いる。
アフィリエイトブログってなに?
そもそもアフィリエイトとは何か。まずこれを簡単におさらいしていきたい。アフィリエイトとは“成功報酬型広告”と呼ばれるマーケティングのことである。
ネット上に用意したブログやウェブサイトに広告を設置し、このブログを経由して閲覧者が広告商材を購入することで、広告媒体から報酬が振り込まれるというスタイルになっている。
閲覧数の多いブログやサイトの場合は、それだけ広告を経由して商材を購入する閲覧者も増える。
これによって、アフィリエイトブロガーは、パソコンやスマホで目を引く記事を量産するだけで収入を得ることが可能となるわけだ。
アフィリエイトブログの問題点
ただその記事の量産スタイルに問題がある。
まず、アフィリエイトブログで食っていこうと思う心構えそのものは、特に悪いものじゃない。
自分にしか書けない魅力的な文章で閲覧者を増やし、その結果広告収入を得るのだから、立派な労働である。
問題なのはそのようなコンテンツを自ら創出できない人々だ。
ライターは自力で記事をひとつひとつ書いている
冒頭で僕が被害に遭ったように、アフィリエイトを利用し、閲覧数を稼いで広告収入を得るブロガーのなかには、他所から勝手にデータを引用し、稼ぎに貢献させる者もいる。
僕は個人事業主で、キチンと媒体ごとに契約を交わして記事を入稿している。適当に書いて出し、というわけではない。
そして僕個人が自己満足で書いているブログ記事だって、閲覧するどこぞの編集者が、仕事の打診をする際の文章力を判断するための目安として機能している。そんなものを易々パクられちゃあ商売にならないのだ。
最低最悪!信念とリテラシーなきアフィブロガー
被害に遭っているのは、僕の身近にも少なくない。
ある媒体などは、プライバシーポリシーの全文からコンテンツとして用意してある閲覧者向けの情報まで、丸ごとパクられたことがある。
これらの情報をパクった犯人は、いけしゃあしゃあと自分のブログでこれらを公開しており、「独自に入手した情報」としているのだ。
こんな馬鹿なことが許されて良いはずはない。
まさにハイエナだ。
そうしたハイエナのような連中と、ネットを利用する上での最低限の倫理観をも持ち合わせていない人間を、もう何十人も見てきた。
やってることは犯罪!訴えられる前に足を洗え!
ことに僕はアフィリエイト報酬のために、手当たり次第に他所から情報を盗んで、偉そうにブログで公開している人間を憎んでいる。
実際に被害を受けているので、憎んでも憎んでも仕方がないほどだ。
しかし、いざ訴訟を起こしたところ、相手方はことの重要性をイマイチ理解していなかったようだ。
「他人の作り出したコンテンツを盗んで、何が悪いのか?」という顔さえしていた。このブログ管理人は、他人から勝手に盗んだ情報を掲載するだけで、月に100,000円程度の収入を得ていたという。
もちろん原告としては、はらわたが煮えくり返っているわけなので、絶対に罪を償ってもらおうと思って弁護士を雇用する。
証拠も揃いに揃っている。匿名でやっているブログと言っても、成果報酬は管理人の銀行口座に振り込まれる。口座は大抵本人名義となっているし、そうでなくとも足は付く。
どうあっても訴えられれば無罪放免にはならない。
アフィリエイトで稼ぎたいのなら正々堂々と!
僕のようにコピペ被害に悩んでいる物書きや媒体は星の数ほど存在している。
中には我慢しかねて突然法廷闘争を要求する場合もあるのだ。
ところで、ネット上を検索しても、そのような判例の一部始終を知ることのできるサイトは少ない。
しかし、目に見えない範囲では、僕のような被害者が怒りに任せて怒涛の反撃をしている。反撃を受けたアフィブログは、大抵数日ほど謝罪文を掲載した後、消える。
だから事例としてネット上に残りにくいだけなのだ。
「ググってみたけど訴えられることもなさそうだし、大丈夫っぽいな。よしコピペしまくろう!」と安心するのは早計だ。
アフィリエイトで稼ぎたいなら、正々堂々とするべきだ。
「俺はこれはセーフだと思うから大丈夫」と思っていても、判断するのは盗用されていることに気付いた情報の権利者なのだから。
(文・松本ミゾレ)