日本の借金は毎年増えている状況で、2009年の段階では合計675.8兆円。これが2015年度では1038兆9150億円。
国民の一人にして換算すると、817万円にもなる。理由としては、年金制度や医療による支出が割合として大きいことが挙げられる。
しかし、「3人に1人が高齢者」という高齢化となった今の時代なので、労働人口で換算すると、1人あたりにかかる金額は実質1000万円になる。
国の借金って、誰から借りているものなの?
ご存知のように年金や医療費を賄うにはどこかからお金を借入する必要があり、そのために政府は国債を発行するわけだが、財政法では国がこの国債を無茶に発行することを禁止している。そのため国は「特例法」を利用して特別に国債を発行しているわけだ。この国債の93.90%は、民間企業や地方自治体などの資産である。つまり、政府は自らが抱える法人からお金を借りているわけだ。
こうして世代を超えて国の借金が増え続けるということは、私たちの息子、孫世代からお金を借入していることになる。これは返済を先伸ばししているわけで、しかも残念なことにこの負債額は下がることなく年々上がり続けている。
そのため日本政府としては今の現段階で消費税や相続税を値上げするなどして、未来の日本からお金を借入しないように、消費税や相続税の力を借りて、バブルの時代に貯まったツケを今の時代に支払っているということなのである。
つまり国債が増える限り、このマイナスのサイクルを止めることはできない。
世界からは三流と評価されている日本の政治
この国債を日本がはじめて発行したのが1965年のこと。1990年代初頭にバブルが弾けてからは、毎年20兆円以上も国債を発行し続けてきた。
以来その蓄積が毎年続き、現在にいたるわけである。実際は多くの政治家、官僚、また天下りを目的とした民間企業等が、国のお金を自分たちの利益としたいがために借金をしているのである。
また、急速な高齢化の進展による社会保障関係費の増加も国の政策ミスによるものであろう。また、バブル崩壊以降の景気対策として利用したお金なども、大きな借金の要因ともなっている。
国の借金をゼロにしたドイツやブラジルは日本もお手本にするべき
今後、国の借金返済のために上がるであろう税金は「消費税」、「自動車税」、「相続税」、「所得税」で、今の段階で日本の多額な国債、発行を止めようとする動きもある。
我が国の資産から負債を差し引いた対外純資産は320兆円ということで世界的にはお金持ち国家であるが、政府が主に民間金融機関から借り入れていることで国の借金は増え続けているのだ。
一方、共産国家は実は借金の割合が非常に少ない。特に国の借金をゼロにしたドイツやブラジルは日本もお手本にするべきであろう。
今、歳出削減に取り組まない限り日本国の国債は増える一方だ。消費税も上がって国債が増えている近年の状況は国の政策に問題がある。