毎月の月収は20万円オーバー、ひとり暮らしだけれど家賃は60,000円でそれほど高いわけでもない。それなのに、毎月毎月給料日前はお財布の中はからっぽ、銀行口座にもお金が残っていない……。そんな、「どうしてお金がないのかわからないけれど、なんとなく毎月ピンチになってしまう」という人は、星の数ほどいるでしょう。
「何に使ったのかわからないのにお金がない」ということは、「使途不明金が多い」ということで、特に珍しいことではありません。しかし、中には「気を付けなければいけない浪費癖」が潜んでいることも。
【この記事の目次】
浪費癖は病気のひとつ
精神の病の中に、依存症というものがあります。浪費癖があるな、と感じている人は、自分の浪費がたんなる散財なのか、それとも病的な依存なのか、消費傾向を見直してみましょう。
お金を浪費してしまう依存症には、「買い物依存症」や「ギャンブル依存症」などがあります。買い物をしたりギャンブルをしたりしてストレス発散をするというのは、一般的によくあることで、買い物やギャンブルをしたからといってすぐに依存症というわけではありません。
しかし、次のような事柄に心当たりがある場合は、依存症の可能性があります。
- 「これ以上使ったら生活費がなくなる」とわかっているのに止められない
- 借金をしてまで買い物やギャンブルをしてしまう
- 家族のお金や友人のお金を使ってでも買い物やギャンブルがしたいと思う
- 何をしていても買い物やギャンブルのことを考えてしまいがち
- やめたいと思っているのにやめられない
- ショッピングやギャンブルをしている間は楽しいのに、後からやめれば良かったと後悔する
このように、自分の心と行動のコントロールができなくなってしまう状態が「依存症」です。依存症かもしれない、と思ったり、周りの人から「ちょっとおかしい」と言われたりしたら、精神科の受診を検討しましょう。
依存症外来のある医院は特にお勧めですが、一般の精神科や心療内科でも依存に関する相談を受け付けています。また、特に依存症になる人の多いパチンコに関しては、専門の相談フリーダイヤルもありますから、そういったところに電話してみるのもお勧めです。
浪費癖をコントロールするために
浪費癖がある人は、自分の行動を正当化してしまいがちです。例えば、「これは必要な買い物だった」「今すぐいるものではないけど、お買い得だったからいい買い物をした」「ストレスが溜まっていたから、発散しなくちゃ」などです。
誰でも時にはこういう言い訳を自分にしたことがあるでしょう。それが時々であるならば、こうした言い訳も悪いことではありません。しかし、その頻度が、毎月、毎週、毎日となってしまうと、依存度が高まり、依存症になってしまう可能性があります。
浪費癖は、ある程度の年齢までに直しておく必要があります。20代、30代のうちは多少無茶な遊び方をしても取り返しがききます。しかし、40代にもなって浪費を続けていると、周りの人からの信用もなくなっていきますし、自己破産や離婚などの深刻な問題に発展する可能性も高まります。
そうならないためにも、浪費が依存症にならないよう、早めに節約癖を付けておくことが大切です。
浪費をやめるコツ
浪費をやめるために大切なのが、いきなりゼロにはしないということです。今まで日常的に行っていた買い物やギャンブルをいきなりやめてしまうと、リバウンドを起こす可能性があります。まずは、「お金を使わない」のではなく、「お金を管理する」生活を目指してみましょう。
毎月何にいくら使っているのかを記録して、余分のお金でショッピングなどの娯楽を行うというのが、本来あるべき消費姿勢です。「どうしてお金がないのかわからない」という人は、月々の支出と収入を把握することから始めてみてはいかがでしょうか。
(文/平野恵子)