私はアパレル業界に対して華やかなイメージを持っています。おしゃれじゃないと働けない、実際に働くのは大変そうというイメージもあります。
そして自分とは縁遠い世界でもあるのですが、だからこそアパレル業界の裏側がどのようなものなのか気になるところです。自分の知らない世界って気になりませんか?
そこでアパレル業界で働く人たちの年収がどれくらいなのかなど、アパレル業界に興味がある人の役に立ちそうな情報を集めてみました。
アパレル業界全体の年収は平均507万円
アパレル業界と一口にいってもたくさんの企業があり年収にも差がありますが、全体の平均年収は2013年の時点で507万円です。同年のサラリーマンの平均年収は414万円で、サラリーマンと比べると少し良いことになります。
ちなみに過去9年間の平均年収の推移をみてみると、アパレル業界の平均年収は一時期落ちこんだ時期もありますが、ほぼ横ばいです。
しかしトップ企業なれば伸び率は横ばいながらも、平均年収は998万円にもなります。それに対して下位の企業だと、平均年収は483万円。トップ企業に就職できるかどうかで、年収は大きく変わることになります。
職種によっても給料は変わる
アパレル業界と一口にいっても、販売員から企画製造、本部系など職種はさまざまです。
アパレルの販売員
私はアパレルというと店舗の販売員をすぐに連想するのですが、販売員の平均年収は400万円ほどで、販売員のままではそれほど収入アップは狙えません。
店長クラスに昇進してもそれほどの収入アップは見込めず、トップ企業でも500万円ほど。現場で働く人たちの給料は、全体の平均からみると良いとはいえなさそうです。しかも店長クラスになると時間外手当が付かなくなることもあるので、場合によって給料が減るという可能性もあります。
販売員以外の職種
それに対して企画製造の職種は給料相場が高め。企画製造系の職種はスキルや実績によって大きな昇給もねらえます。
またアパレルの花形職種といえばプレス。プレスは広報やPRを行ういわばブランドの顔となる職種なので、給料相場は高めです。実績によるボーナスなども出るため年収500万円以上という企業も多く、大手企業ともなると年収800万円となることもあります。
アパレル販売員、実力によって収入は大きく変わる
販売員は自腹で服を買う
現場以外の職種はスキルアップや実績で年収アップが見込めるのに対し、販売員はそれほど年収アップに繋がらないことを前述しました。しかし、販売員の収入も実力によって大きく左右されるというからくりがあります。
実際のお店の顔となるのはそのお店の服を売る販売員。販売員はそのお店の服を着るのが普通です。この服を支給して貰える企業なら良いのですが、自分で購入しなくてはいけない企業も多くあります。
せめて社割で購入できれば出費を抑えられるから良いのですが、服の購入だけでシーズンごとに数万円の出費となります。
ノルマや売上達成によるインセンティブ
しかし、自分のコーディネートに対して手を抜くことはできません。ノルマや売上達成によるインセンティブがあるからです。
ノルマがある企業ではノルマが達成できないとその分の洋服の買い取りをしなくてはいけないことがあります。アパレル販売員になるときは、事前にノルマについて確認しておかないと、思わぬ出費に泣かされることになりそうです。
インセンティブとは売上成果に対するボーナスのようなもの。売り上げの3%~5%のインセンティブとして上乗せする企業が多いようです。比率の高い企業に就職するのはもちろんですが、自分の接客の腕次第で給料を増やすことができます。
このように販売員は自分の腕次第で、収入を増やすことができるだけでなく、減ってしまう可能性もあります。まさに実力次第です。
年収アップのポイントは、やはり実力次第
販売員だけでなく、ほかの職種にももちろんボーナスや昇給があります。それはすべて自分の実績次第です。
そして、そもそも就職する時点で給与の高い企業、ボーナスの良い企業、ノルマによる買い取りがない企業、洋服の支給がある企業などに入れるかどうかも年収を大きく左右するポイントです。良い企業に入れるかどうかも、実力次第ですね。
一見華やかな業界も、働く人たちはやっぱり大変そうです。
(文・朝水)