(写真はもちろんイメージです)
国内だけでなく、世界的な知名度を誇っている、大人気漫画「ワンピース」。35以上の国と地域で流通しており、累計発行部数は2014年度末の時点で3億2000万部を突破しました。この数字は世界最多であり、「最も多く発行された単一作者によるコミックシリーズ」としてギネス世界記録にも認定。今や日本が誇るカルチャーのひとつです。
そんなお化け漫画の作者といえば、皆さんご存知「尾田栄一郎」。これだけ売れているなら、そりゃ大層なお金を持っているだろう、と私なんかは思ってしまうのですが、実際その通りでした。でも同氏の実情、それから漫画家業界を覗いてみると、「羨ましい!」と手放しで言うことはできず……。
年収30億円!?漫画家のあこがれ
ギネス世界記録にまで登録されたワンピースは、日本漫画の頂点に君臨する存在。作者の尾田さんは、まさに現代漫画家の“トップランナー”だと言えます。それだけに、年収もやっぱりすごいことになっていました。
公表されておらず、あくまで一説によるところですが……なんと「約30億円」にものぼるらしいのです。日本人の平均年収は大体400万円だとされるので、一般年収の約750倍にも及ぶ数字。日常とはあまりにかけ離れた金額ですね。
で、「お金持ち=豪邸」というイメージの通り、尾田さんも超豪邸にお住まいです。何十人も招待して大規模パーティーを開催できるほど広かったり、屋内に大人が複数人乗れる列車があったりするようで(!?)、漫画家だけでなく、誰もが憧れる生活を送っているように見えます。
約6,000人の狭き門の先には激務
尾田さんはスゴイ!しかし誰もがそのように活躍できるわけではありません。漫画家はそもそも、一定のポジションにつくために相当な苦労を要する職業です。
例えば、ワンピースが連載されている少年ジャンプを例にとると、新人賞を受賞した上で連載を勝ち取り、人気次第で打ち切られたりする厳しい世界。不確定要素ばかりですし、実際のところは、新人賞を受賞することすらかなり難しいといいます。
またトキワ壮PJの調査によると、漫画家として活動する人は、ここ5年間で毎年6,000人くらい。そして総務省が発表した、昨年2014年時点の就業者数は約6400万人。全体の労働者に対して、漫画家は0.009%しかいない計算になります。
この結果を見ても、漫画家は非常に狭き門であることが分かりますが、人気を博したとしても激務が待っている、とされるのが漫画業界です。日本のトップである尾田さんですら、1日に2~3時間しか寝ていないと自身で語り、ジャンプ編集部も「尾田さんは連載原稿の作成に6日間使って、残りの1日で単行本作りをしている」と某誌で話していました。
夢を与える職業 尾田栄一郎の心がけ
ワンピース担当編集者によると、尾田さんは漫画家のなかでもとくにストイックな方のようです。自分が好んで仕事をしているだけで、全ての漫画家が激務であるわけではないかもしれません。
ただ、成功したら大金持ちに、しかし激務に、そんな一長一短の現実があるのは事実。一方で、自分の作品がさまざまな人の目に触れて「面白い!」とか「感動した!」とか思われたり言われたりするのは、ほかの職業には魅力があると思います。
最後にワンピース担当編集者が語っていた、尾田さんのある言葉をご紹介しておきます。
「俺は新人漫画家の夢でありたいから、アシスタントさんが『俺も頑張って漫画描こう』って思える家に住みたい」
超豪邸に住んでいるのはこんな思惑があったようなのです。ずっと仕事をしているわけですから、豪邸の意味はどこに?と、ちらっと思っていたのですが……。激務でありながら、ワンピースでも私生活でも夢を与え続ける尾田さんは、漫画家の鏡かもしれませんね。