こういう水筒や、携帯型のマグカップをこまめに持参してお好みのお茶やコーヒーを入れてきたりするのは男性よりも女性の方が多いのではなかろうか。
特に男性諸氏にかぎっては、「そんな1日100円や150円くらいの負担を気にして毎日水筒(ケータイマグ)を持ち歩くのも面倒じゃ!俺は好きなドリンクを好きなときに買って飲みたいんじゃ!」という声が聞こえてきそうである。
たしかにそれもその通り。だからこそオフィスにある自動販売機やコンビニに並ぶペットボトルはいつまでも売れ続けるわけだ。
しかし、今日はせっかくこの記事で出会えたのも何かの縁、いつも買っているペットボトルのコストと、こういった水筒(ケータイマグ)で飲み物を持参した場合のコストを比較して考えてみよう。後半ではこのようなケータイマグ、魔法びんのパイオニア、サーモス社の製品についても紹介する。
【この記事の目次】
ペットボトルだけで年間50,000円以上使っているかも
あなたが毎日150円のペットボトルのお茶を買い続けていると想定しよう。単純計算だが、平日も休日も毎日1本は買っているとすれば、1ヵ月で4,500円、それが1年続けば54,000円だ。
一方、お茶を自宅で淹れてケータイマグで持参した場合のコストはどうなるか?まるまる1年、1回もペットボトルを買わずに過ごすというのは至難の業であるが、いまは単純計算で比較してみる。
東京都茶協同組合のWebサイトによれば、ペットボトルのお茶は急須で淹れたお茶にくらべて3倍のコストがかかると言われている。つまり、1日150円が50円で済む。それが1年続けばこっちはたった18,000円だ。その差36,000円。
この36,000円であなたなら何をするか?36,000円でできることをざっとググッてみたところ、
- ジョエル・ロブションのディナー
- エミレーツ航空でヨーロッパ往復
- LenovoのタブレットPC
- 東芝の真空かまど炊きIH炊飯ジャー
- ヒルトン東京のジュニアスイートキングのシングルユース
こんなところである。つまり、ペットボトルを毎日買うのをやめるという行為はこれだけの価値があるとも言えるのだ。
価格だけではない、驚きの保温性能
魔法びん構造のケータイマグを使うメリットは何も値段だけではない。そう、魔法びんの最大の特徴である保温と保冷性能にこそ価値があるのだ。夏は冷たい飲み物が長時間冷たく、冬は温かい飲み物が長時間温かいまま保温できる。この点はペットボトルはどうあがいても太刀打ちできない。
実際、私も今回の取材用にサーモス社から最新のケータイマグ(JNS-350)をお借りして試してみたのだが、今朝の9:00ごろにオフィスで入れたホットコーヒーが、昼過ぎの14:00ごろまではずっと熱い状態で保たれていた。
これはいちいち温度計を入れて温度を測ったわけではないが、分かりやすく言えばこの時間まではゆっくり飲まないとアチチッとなるほど十分な熱さが保たれていたのである。現在、17:30くらいであるが、この時間までくると量が減っているのもあってさすがに冷めてきている。
競合に比べてなぜ保温効力の数値が低いのか?
魔法びんと言って思い浮かぶメーカーはいくつかある。今回は敢えてサーモスだけの紹介になるのだが、それには理由がある。
私が先日、某量販店にてこのようなケータイ魔法びんが一同に介している売り場が目にとまり、そこで各社のケータイマグを順番に手に取って見てみたところ、サーモスの数値的な保温効力が他社にくらべて明らかに低い数値だったのである。
この点がどうしても解せなかった私は、サーモス社へ取材を申し込んだところ、快く受けていただいたのでこの疑問をぶつけてみたところ、胸を打つような返答が返ってきた。
「サーモスは品質基準がとにかく厳しいんです」
サーモスのケータイマグの保温効力は、他社に比べて低い数値となっている。最新型の製品にもかかわらずである。
魔法びんの命と言ってもいいこの保温効力で、どうしてこの低い数値になってしまっているのか、私はどうしても聞きたくてその疑問をそのままサーモス社へぶつけてみた。
「サーモスは製品の自社の品質基準がとにかく厳しいんですね。品質や安全性に関することは徹底的に検証し、厳しい基準をクリアしたものを商品化しております。」
なんと……驚いた。品質のために敢えて厳しい道を選んでいたのである。私なら競合を意識して、少しでも性能を良く見せるための道を選ぶと思うのだがここはどうやら違うようだ。
この事実を知らなかったら、私はサーモスの商品を選ぶことはなかっただろう。販売戦略としては難しい道を選んでいると思うが、いやはや、なんとも実直な会社である。
「ネット上のレビューは、よくチェックしてます」
また、サーモスは常により良い商品にできないかという点にもこだわっていて、ネット上の口コミや一般のブログでのレビューなどには目を通し、そこで言われている要望は積極的に取り入れる姿勢を大切にしているのだ。
「新商品のケータイマグで、ボディをスリム化したり、ワンアクションで開けられたりする仕様はそういうお客様の声を反映させた結果なんです。」
このワンアクションで開けられるのは慣れると実に機能的だ。親指ひとつでポンと簡単に開けることができる。
で、飲み終わったらまた親指でフタを閉めれば密閉状態になる。それ以外にも飲み口を洗う際に外しやすくするためにフタパッキンにツマミを付けたり、熱い飲み物でも飲みやすいように飲み口を少しだけ長くしたりなど。枚挙に暇がないとは、まさにこのことである。
「ステンレスの魔法びんはサーモスが開発したものなんです」
その性能や姿勢に感心することしきりな私に、サーモス社はトドメの一言を私に告げた。
「世界初のステンレス製の高真空の魔法びんを開発したのは私たちなんです。それまではガラス製だったので割れる心配がありましたが、ステンレス製にすることで割れずに、さらに軽量化することができました。」
びっくりした。今やどの会社も当たり前にステンレス魔法びんを発表しているがそれを発明したのがまさか日本の会社だったとは。
「それ以外にも口を直接つけて飲む水筒も日本ではサーモスが最初なんです。実は当初、あまり売れませんでしたが、徐々に売れ始めまして今やどの会社の製品も直接飲むタイプが主流になっています」
そうだったのか。まさに、水筒界のパイオニアだ。使う人のことを第一に考えて実直に製品開発してきたブレない姿勢がいたるところで感じられて、私は取材を忘れてサーモス社が好きになってしまった。
サーモス社は111周年。世界規模ではトップシェア
以上、長々と書いてしまったが、要は「ペットボトルを毎日買うよりも水筒を持参した方が年間で36,000円も得する」ということと、「ケータイマグなら断然サーモスがいい」ということの2点が私が今回お伝えしたかったことだ。
世界規模で見ればサーモスの水筒はトップシェアを誇っており、その揺るぎない品質から多くのユーザーに愛され続けている。そして今年はそのサーモスブランドが発売された1904年から数えて111周年という実に記念すべき年だ。
111周年を記念イベントを六本木ヒルズで開催!
さる2015年11月12日、「サーモスブランド 111周年記念イベント」が六本木ヒルズ内にあるヒルズカフェにて催された。
会場には沢山の報道陣が訪れ、イベントは盛り上がったのだが、今日はそのイベントで伝えられたサーモス社の想いや理念なども交えつつ、後半に登場したタレントのSHELLY、料理家のコウケンテツのトークの内容も交えてお送りしよう。
ホットも冷たいのも「おいしい温度。」を目指す
イベント最初に登場したのはサーモスの樋田章司社長。技術者上がりという社長はやや緊張した面持ちながらも、サーモスが一環して大切にし続けた理念について、丁寧に語ってくれた。
「海外ではサーモスという言葉が辞書に載っているほど有名なんです。ヒットしてすぐ消えるような商品ではなく、気づいたらどの家にもサーモス製品があった、というような自然な身近さをこれからも大切にしていきたい。」
と、今も昔も変わらぬサーモスの使う人を大切にする姿勢が言葉の端々に感じられた。
そしてサーモスのキャッチコピーとして掲げられていた「おいしい温度。」という言葉。短いながらもこれほど端的にサーモスの目指すものが伝わる言葉はないのではなかろうか。
SHELLY「妊婦でカフェイン飲めない今、ケータイマグは重宝してます」
続いて登場したのはタレントのSHELLYと料理家のコウケンテツ。ふたりとも衣装はサーモスのステンレスの魔法びんにちなんで銀色を中心にコーディネートしたというのだから面白い。司会者も交えて3人で和気あいあいとしたトークが繰り広げられた。
「今、絶賛妊婦中なので、カフェインの入ったコーヒーが飲めないんですね。だから仕事でもサーモスの魔法びんに飲み物を入れてかならず持参しています。」
と幸せいっぱいのお話を聞かせてくれたのはSHELLY。そんな彼女に料理家のコウケンテツはハチミツその他で淹れられた特性のお茶を作って持ってきてくれたのである。もちろん容器はサーモスの魔法びんだ。
「このお茶、今朝の7時に仕込んだんですけれど、今この時間(13:30ごろ)でもまだまだアツアツなんですよ」
と、サーモスの魔法びんの保温性能について語ってくれた。そのお茶を美味しそうに飲みながら、SHELLYはさらに中高生のころの驚きのエピソードも聞かせてくれた。
「私が学生のころはお弁当だったんですけど、母がサーモス製品が好きでお弁当にカレーライスを持たせてくれたんですね。ご飯にラップを張って、その上にカレーがかかっているという(笑)。周りの友だちが普通のお弁当を食べてる中で私だけアツアツのカレーライスを食べていたんですよ。」
さすが、これはサーモス社も予想しなかった使い方ではなかろうか。サーモスの魔法びんの保温性能があってこその温かいエピソードである。
おまけ。ストローマグだって妥協のない品質
品質にこだわるサーモスは赤ちゃん用のストローマグだって妥協しない。いたずらざかりの娘(9ヵ月)のために買ってみたが、これがどれだけ倒しても一切漏れてこないから非常に重宝している。
(取材協力:サーモス株式会社)
(取材・文/HOW MATCH編集部)