FXと呼ばれる外国為替証拠金取引と呼ばれる投資は、少ない金額から誰でも扱うことのできる投資です。また、FXは株式投資などのその他の金融商品や投資商品と比べて、取引頻度が多くなりがちで非常にアクティブな投資と言えるでしょう。
特に、FXの場合、FXデモトレードといって、仮想トレードを行いFX取引に慣れることができる仕組みを多くのFX取引業者は備えています。こうしたお金を使わないデモトレードは、デモ口座を口座開設するところから始まる、非常に実践的な仕組みになっています。
さて、こうした初心者にもやさしい仕組みが備わっているFXですが、そのお金の増やし方とはどのようなものなのでしょうか。確認していきます。
FXのお金の増やし方を確認
FXでお金を増やす方法は大きく分けて2つです。それについて少し詳しく解説していきます。
売買でお金を増やす
FXは通貨を取引することでお金を増やすことができます。そのシチュエーションは、買った通貨の価値が上がる、或いは売った通貨の価値が下がるというものです。買った通貨の価値が上がるというのはイメージしやすいのではないでしょうか?
例えば、1ドル100円が1ドル120円になったとします。1ドル100円の時に1万円を100ドルと交換して、1ドル120円の時にこの100ドルを円に交換すると1万2千円になりますね。2千円お金が増えました。
つまり、買った通貨の価値が上がり、上がったところを見計らって売れば、その差額が利益になります。一般的なFXの利益の上げ方であり、多くの人がイメージしやすい利益の上げ方といえるでしょう。
一方で、売った通貨の価値が下がることで利益を上げるというものがあります。これは、なかなかピンとこないのではないでしょうか?FXでは、空売りと呼ばれる行為が可能です。
ここでいう空売りとは、自分が所持していない通貨を売ることができるという仕組みです。端的に言えば、これから下がりそうだなという通貨を予約で買っておくとイメージしてください。今売って、後で買うんだよということですね。
数字に強い人は、マイナスの資産を持つと考えてもいいかもしれません。例えば、ユーロが今後弱まりそうだと考えて、1ユーロ140円の時に空売りし、その後1ユーロが130円になったとしたら、140円で売って130円で買いなおしたという取引が成り立ちます。
これでも利益が発生となるわけです。
FXは自分がどういうタイミングでどういうアクションをとるのかによって、通貨自体の価値が上がろうが下がろうが利益を出すことができます。こうした取引による利益を為替差益と呼びます。
金利差でお金を増やす
FXは為替レートを活用した為替取引であるということしか知らないと、先述の為替差益のみがFXのお金の増やし方であると考えがちです。FXにはもう1つ、お金を増やす方法があります。それがスワップ金利・スワップポイントを活用したお金の増やし方です。
超低金利政策中の日本に住んでいるとピンと来ないかもしれませんが、そもそもお金は銀行などに預けておくと金利が発生し、勝手に増えていきます。FXでは海外の通貨を持つことになるので、その通貨の金利もその通貨に即した割合になっていくのです。
こうした通貨の中には日本とは比べ物にならない金利が付いている通貨があります。これを高金利通貨と呼びますが、南アフリカランドやトルコリラなどが有名です。こうした通貨の金利は、年利にして5%を超えてくる上に、毎日金利が発生します。
こうした金利をスワップ金利・スワップポイントと呼び、FXでお金を増やす仕組みの1つとして認識されています。
2017年8月、南アフリカランドは1日当たり、10万通貨で160円付きます。南アフリカランドはだいたい8.095円でしたので、10万通貨買うには、80万9千5百円が必要になります。80万9千5百円をアフリカランドにして1日保有すると160円の金利が発生します。
さて、このまま金額が一切変わらず1年間経過した場合の金利を計算してみましょう。
単純計算で、160円×365日=5万8千4百円。
なんと、7.21%の年利を受け取ることになるのです。
スワップ金利は先述の為替差益とは全く別物としてかかるものになっています。そのため、為替差額で利益がマイナスになっていても、スワップ金利が毎日ついてくるため、1年間のトータルではプラスになったということはよくあることなのです。
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売買でお金を増やす方法
売買でお金を増やす、すなわち為替差益を積極的に狙っていく方法について3つご紹介しましょう。今回ご紹介する3つの注文方法・取引方法は、自身の生活スタイルなどと相談しながら選択していく方が良いかと思います。
デイトレード
FXは毎分毎秒と値が動きます。また、場合によっては、1時間程度で大きく揺れ動くこともしばしばです。
デイトレードとは、新規注文から決済注文までを1日で済ませるスタイルで、こうしたFX相場の変動を巧みに利用する非常にアグレッシブなスタイルです。また、このスタイルは、翌日に通貨を持ち込まない、長期保有を想定していない非常に短期的なトレードを中心としています。
何個もモニターのあるパソコンの前で取引画面に張り付いているトレーダーというイメージはまさにこのデイトレーダーでしょう。
このスタイルの注目ポイントは、自分が取引から離れている時に、テロや内戦などである通貨の信用が大きく揺れ動いてしまったなどの自分がコントロールできない事柄に対してのリスクヘッジがしやすいという点です。
また、FX相場はトレンド変更と呼ばれる所謂価格の傾向が長続きしない相場でもあります。例えば、明日日にはその日のうち日本時間の13時まではずっと上昇していたが、その後は下降を続け、結局日本時間の9時と18時を比較してみると価格はほとんど変わっていないなどということもよくあることなのです。
こうしたトレンドに左右されない取引がデイトレードの強みであり面白さと言えるでしょう。
FX相場は、オセアニア市場から始まり、東京市場、ロンドン市場、NY市場と続いていくことで1日が終わると考えられています。デイトレードでは、NY市場が終わる前に全ての決済を終了させ、市場から資金を引き揚げるのが一般的です。
スイングトレード
スイングトレードとは、2日程度~1週間ほど少し長めに通貨を保有して利益を上げていく方法です。
FX相場は確かに刻々と変化していくものではあるのですが、意外と大きなトレンドというものが存在します。この大きなトレンドをうまくつかむことができると、1日1回程度の緩やかなアクションで利益を上げることができるのです。
FXトレードを行っている人の多くはデイトレードを活用していますが、ゆっくりとトレードを楽しむことができるとスイングトレードを選択する人も一定数います。
スイングトレードで大事なことは、出来る限り勝ち馬に乗っていくという姿勢です。特に最初の投入資金が少ないうちは、この姿勢は非常に重要でしょう。
自動売買システム
FX会社の中には自動売買システムを導入している会社・取引所もあります。これについて簡単にご説明しましょう。
自動売買システムは、基本的にユーザー・利用者が必要なデータを打ち込みFX口座から証拠金などの資金を投入して起動させると、後は自動でプログラムに準じた方法で取引を行ってくれるという取引ツールです。自動売買システムは、すでに1万近くも種類があり、利益を上げているシステムもあれば上げていないシステムもあります。
自動売買システムはユーザーが見ていないうちに利益を上げてくれるシステムトレードですが、一方で、その時のトレンドに対して相性なども関わってきます。
必ず利益を上げてくれるプログラムはまだできていません。そのことを忘れずに利用しましょう。
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金利差でお金を増やす方法
日本は超低金利です。一方で、海外の通貨の中には高金利が付いている通貨もあります。この差額を利用してお金を増やそうというのが、このスワップ金利を活用したお金の増やし方です。
一般的には外貨預金と考えてもらって構いません。スワップ金利は年単位ではなく1日単位で発生するので、デイトレードやスイングトレードに比べて動きは少ないものの、基本的には半年以内にポジションを変更していくことが一般的です。
長期保有に適した通貨ペアとそうでない通貨ペアがあるので、ある程度通貨やその国自体のことを知っている方が成功率は高いと言われています。
注意点としては、売りから入ると、マイナスの資産を持っていることになるのでスワップ金利もマイナスになります。
ただし、スイスフランなど、もともとスワップ金利がマイナスとなっている通貨もあり、この場合は、売りによるスワップ金利はプラスになります。
このあたりのことがピンとこない様であれば、売りによるスワップ金利に関してはまだ手を出すべきではないということになりますね。焦らずゆっくりと情報量を増やしていってください。
損切についての考察
FXだけでなく株式投資などにも通じてくる話として損切があります。これは一種のリスクヘッジです。
どの様な素晴らしいトレーダー・投資家であっても、損が出ないということは一切ありません。これは、例えば超一流のプロ野球選手のイチローの打率が10割ではないことと同じですね。
最も素晴らしいトレーダーは最も負けた経験のあるトレーダーであるという言い方もあります。大事なことは、その損を致命傷としないということなのです。
多くの場合、相場が一敗地に塗れると、自分のお金が目減りしたというプレッシャーからメンタルが揺れ動きます。失敗したトレーダーと成功したトレーダーの決定的な違いはこのメンタルです。
相場は冷静さを失ったものが負けていきます。どのくらいの損失までは自分は耐えられるのか、そしてどのくらいの損失であれば盛り返せるのか。相場に適したメンタルを維持する方法として、そしてトータルでの勝ちを得る方法として、成功したトレーダー・投資家は口をそろえて損切の重要性を説いています。
まとめ
FXでお金を増やすということは非常に現実的な方法です。同時に、必ず稼げる方法というものは存在しません。
自分のメンタルやライフスタイルに合ったトレードを見つけだし、情報や勉強を積み重ねて相場を楽しみましょう。そういった姿勢こそが、勝つトレーダーとなるための近道です。