年収を上げたい

地方移住の前に!地方都市・40代・子供あり家庭と年収のバランス

投稿日:2016年11月16日 更新日:


国土交通省の発表によれば、ここ数年地方から都市への移住傾向が再び強まっているようです。一方で、人口が増加している過疎地域の市町村もあり、その割合は横ばい、あるいは微増加傾向にあります。

データのみで、都市から地方への移住傾向を完全に把握することは困難なのですが、金銭的な豊かさだけでなく、自然との触れあいや地域との協調性を大切に考える若者も増えてきている、と指摘されています。

地方都市へ移住したい理由

内閣官房「東京在住者の今後の移住に関する意向調査」によれば、今後地方への移動を考えている人の割合は東京在住者の4割にものぼるそうです。その傾向は、特に20代の若年層及び50代男性に多いようです。

地方移住を考えるきっかけとして多いのは、若年層では「結婚・子育て」、「出身地へのUターン」。30代では転職・退職をきっかけとした「スローライフ」を求めて。60代男女では「退職」をきっかけに地方移住を考えることが多いようです。

それにまつわる不安としては、「仕事が見つかるか」、「日常生活や交通の利便性にかけるのではないか」といったことが挙げられます。これは事前に下調べをしておく必要がありますね。そのほかに見ておきたい点として、生活コストはどうか、医療・福祉施設の充実性などがあります。

何事も成功させるには、前もってよく準備することが大切ですよね?さて、ここからは脱サラして地方移住を検討している方と一緒に、40代で子どもがいる家庭を例に挙げて、年収とのバランスをどうしたら保てるのか、という視点で考えていきたいと思います。

東京都と地方都市との年収の差は?

まずは東京都と地方都市との平均年収の差について理解し、経済面での予測を立ててみましょう。転職サイトDODAの統計によれば、東京都在住の男性の平均年収は514万円40以上に着目すると年収600万円代がもっとも多くなっています。

それに対して地方都市の平均年収は?移動先として多いのは、岡山や鳥取、長野、島根、岐阜など。これらの県の平均年収を「年収ガイド」で調べてみます。

<移住先として多い県の平均年収>

  • 岡山県……453万5,000円
  • 鳥取県……369万円
  • 長野県……445万8,000円
  • 島根県……399万500円
  • 岐阜県……437万6,200円

ということで、地方の平均年収は400万円代に落ち込むことが分かります。場所によっては400万円に届かないこともあるようです。

覚えておきたいこととして、平均年収が低めの地域では、物価そのものが安いことがほとんどで、たいていは給与が低くても十分に生活できるということ。ただし、年収200万円下がるというのはとても大きなことですから、生活の仕方は変化させなければならないでしょう。

一家の稼ぎ頭なら、地方での年収でしっかり家族を養っていけるのか悩むものですね。そこで、ここでは年収400万円でどのように生活していけるのかシミュレーションしてみたいと思います。

年収400万円で3人世帯なら可能

年収400万円の場合、月収はおそらく25万円ほど、ボーナスは年に2回でそれぞれ50万円、といったところでしょうか。

この年収は決して低いものではなく、ローンのない持ち家があれば子どもが1人いても十分に生活していける金額だといえます。

しかし、地方に移動してもうひとり子どもを産もうかな……、と考えているなら、年収400万円では少し厳しいと思われます。共働きをするなどしてもっと稼ぐか、前もって貯金をしておいた方がいいかもしれません。

【関連記事】年収400万円と500万円とで手取り額、生活レベルはどう変わる?

年収400万円で子供2人は貯金が必要

子どもがまだ小さく、教育費の負担が少ない間に貯金をしておきましょう。貯金のカギは、住居費や自動車関連など、支出額が大きいものから見直していくことです。

住まい選びでは、住み心地にどうしても心が奪われがちです。家賃はいくら以内で、と決めていても、いざキレイな家を内見してしまうと「予算より1万円高くてもいいか……」、と思ってしまうものです。

でも、1万円の違いが数年後に大きな差を生み出します。ここは粘って、予算以内でも住み心地のよい住まいをみつけましょう。

自動車もそうです。普通車と軽自動車では、管理費に大きな違いがあります。夫婦で意見を合わせるのは大変なこともありますが、できる範囲で出費の少ない選択をしておくとあとあと楽です。

それと、考えておかなければならないのは子どもの教育費です。文部科学省の調べを参考にしたデータによれば、幼稚園から高校卒業までに必要な教育費は公立で約530万円私立の場合約1,800万円にもなります。

毎月平均として換算すると、公立で3万円弱という感じです。子どもの人数が増えるにしたがって6万、9万、と増えていきます。その他、食費、医療費、雑費が別に発生します。

考えすぎてしまうのも良くないですが、地方への移動に伴う年収減は慎重に検討したいものです。

住宅ローンと子育ての両立の難しさ

地方に実家がある場合のUターンは比較的簡単だといえます。しかし、郊外にマイホームを買うとなると厳しいかもしれません。年収400万円でマイホームを購入した場合の具体的な例について考えたいと思います。

購入したマイホームは総額3,000万円。住宅ローンは支払期間35年、ボーナス払いなしで組みました。月々の支払いは8万円。これまで東京の7万円程度のアパートに住んでいたとすれば、月々8万円のローンを組んだとしても生活にそれほど大きな変化はないと思われます。

ただし、新生活を始めるとなれば、最初はどうしても出費がかさみます。住まいをより住みやすくするために、家に手直しを加えたり家具を購入したり……。最初はどうしても出費を切り詰める必要があるでしょう。

さらに、マイホームを購入すると、固定資産税の支払い義務が発生します。この金額がまたけっこう大きいので要注意。4月から6月ごろに通知が届くので心の準備をしておきましょう。ボーナスは固定資産税に回すと考えておいた方がいいでしょう。

そのうえ子どもの教育費を支払い、将来の高校・大学のために貯金するとなると、子どものために月々6万円は必要です。年収400万円の場合、月々の給料はおそらく25万円ほど。そこから6万円を引くと19万円、そこから更にローン代8万円を引くと11万円が残ります。食費や光熱費、雑費はこの中からやりくりすることになります。

もしも子どもが2人以上いる場合、年収400万円でローンの返済があるというのはかなり厳しい状況だといえるでしょう。やりくりするためには周到な計画性と家族の協力が大切になります。

地方への移動に伴う年収減への対処法

ここまでで、地方に移動したら年収が400万円代に下がることを前提に考察をすすめてきました。最後に、年収を落とさない対処法についても考えておきたいと思います。

ひとつは東京に仕事を残したまま地方に移動する、という方法。地方で生活をしつつも、給与の高い都内の企業と契約をすれば年収を落とさずに生活することができます。

または、フリーランスという働き方も検討できるでしょう。最近ではネットでできる在宅の仕事も多いです。さらに、共働きを選択肢に入れることもできます。

子どもがいる家庭の地方への移住は、経済的な面だけでなく、子どもの転校なども大きな課題となります。子どものメンタルには十分な配慮が必要。家族一人一人の気持ちや考え方にも気を配りつつ、よく話し合って計画を練ることが大切です。

(文/河原まり)

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