不景気が続く中で給料もなかなか上がらず、毎月の生活費がぎりぎりで貯金がゼロという家庭が増えてきています。
ですが貯金がなければ急な出費に対応することができず、借金をすることも多くなり、お金がないことで気持ちのゆとりなどもなくなってしまいます。
そこでぎりぎりの生活の中でも1円でも貯金をすることができる方法を紹介しましょう。
【この記事の目次】
3割が貯金ゼロ(0円)って本当?
2015年11月5日に金融広報中央委員会が発表した調査結果によると金融資産がゼロという世帯が全体の30.9%を占めることが明らかになっており、この10年で貯金がゼロの世帯は増加傾向にあることがわかっています。
逆に世帯の貯金額の平均を見てみると金融資産を保有している世帯の平均額は1819万円となっており、いったいこの差はなんなのか?と思う人もいるでしょう。実はこれにはからくりがあります。
平均というものは例えばA、B、Cという3人の人がいてAとBはそれぞれ貯金額100万円と200万円、そしてCの貯金額だけが1億円あるとします。
Aの貯金額 | 100万円 |
Bの貯金額 | 200万円 |
Cの貯金額 | 1億円 |
平均貯金額 | 3400万円 |
この平均貯金額は3400万円となるのです。100万円、200万円と少ない貯金額が多数を占めているのに1億円の貯金を持っているCが入るだけで平均貯金額は大きく跳ね上がってしまいます。
ですから貯金額の目安が知りたい時には平均貯金額ではなく全体の真ん中となる中央値を見ることが重要になります。中央値については、「現実に近い貯蓄額は中央値を見ないと分からない」という記事に詳しいので読んでみてください。
同じ発表で中央値を見てみると20代で183万円、30代で415万円となっているので、このあたりの数字を見ると貯金がゼロの家庭があってもおかしくはないのではないかと感じます。
とは言っても家庭の貯金額がゼロとなれば冠婚葬祭など急な出費に対応することができずに家計は立ち行かなくなってしまいます。
貯蓄ゼロ世帯が急増する原因は?
貯蓄ゼロの世帯が増えたことには、いくつかの原因が考えられます。
増税の影響で支出は増えているのに収入は増えない、2011年の東日本大震災の影響で会社が倒産・給料が減った……、その結果貯蓄に回す余裕がなくなる、貯蓄を切り崩すしかなくなったなどの原因が考えられます。
しかし収入が多い家庭なら貯蓄もたくさんあるわけでもなく、収入が少なくても貯蓄できている世帯もあります。貯蓄の有無は収入だけでなく、貯蓄できる人とできない人の差もあるということです。
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年収が低いから貯金ができない?
貯金額にはもちろん収入の低さや高さが影響してくるものであり、貯金ゼロの世帯の割合は年収が低いほど高くなっています。
年収が高いからと言って貯金ができているのか?と言われるとそんなことはなく、年収1000万円以上でも貯金ゼロという世帯が1割以上存在していることから、年収が高くても貯まらない人は貯まらないものであるようです。
貯金ができない人の思考を3つ挙げてみましょう。
1.大きく貯めないと意味がないと思っている
貯金をする上で100万円、500万円、1000万円など大きな目標を設定していませんか?また大きく貯金ができないと意味がないと思っていませんか?今まで貯金を作ることができなかった人は一年で100万円を貯めようと意気込んでもなかなか上手くいきません。
はじめは小さな金額で確実に貯めることをおろそかにしてしまっているのです。
2.少額の貯金は無意味と思っている
貯金ができない人全員が貯金をする気がないというわけではありません。貯金をしようと思っていてもできないという人ももちろん存在します。
中には収入が低いことから毎月貯金に回すことができるお金がないという人もいるでしょう。貯金に回せるお金が少ないから貯めても対した貯金額にはならない、そんな貯金は意味がないと思っていませんか?
これは貯金ができないただの言い訳であり、月に5,000円でも一年間で60,000円、10年続けると60万円になります。少額の貯金ができないのであれば大きく貯めることもできません。
3.お金を使うとストレス解消になると思っている
貯金ができない人の中にはストレスを解消するために衝動買いをしたり、突発的に飲みに行ったり行き当たりばったりの生活をしていることが多くあります。
ですが実はお金を使うと返ってストレスを貯めてしまうのを知っていますか?買い物や食事などで散財をすることでお金を使いすぎてしまったことによる罪悪感が生まれてしまいストレスになってしまうのです。
年収が低いから貯金ができないという人もいますが年収が高くても貯金はゼロという家庭も少なくなく、まずはこういった思考に陥っていないかを振り返ることが大切です。
貯金上手が楽しく実践している貯金術
自分の普段のお金や貯金に対する思考を見直したら、次に始めるべきなのが支出の把握です。
何にどのくらい使っているのか?としっかりと把握することができるのが家計簿です。家計簿をつけた経験がある人の中には面倒、数字が合わないからイライラする、毎月赤字で面白くないという思いをしたことがある人もいるでしょう。
家計簿は数字を合わせるためにつけるものではありません。赤字に関してはつけるだけでは赤字は改善されません。家計の収支を改善するためにつけることを目的としてお金の流れを把握したり、赤字を改善させたりするために活用するものです。
ではそのようにすることで楽しく家計簿をつけ続けていくことができ、貯金に繋げることができるのでしょうか。
1.ゲーム感覚で家計簿をつける
最近ではスマートフォンなどでも家計簿をつけることができるアプリなどがあります。食費や交際費、雑費、住居費、光熱費など大まかな項目にわけて入力するだけのタイプやレシートを写真に撮るだけで項目分けしてくれるものなどもあり大変便利です。
2.具体的なアクションと結びつける
家計簿はただ漠然とつけているだけでは赤字は改善されず、継続することも難しくなってしまいます。ですからちょっとしたアクションを起こすことで家計簿に嬉しい効果をもたらし、モチベーションを保つことができるようになります。
例えば「外食の回数を減らしたら前の月よりも多く貯金することができた」などです。缶コーヒーでもタバコでもいいでしょう。普段の生活の中でゼロにするのではなく3回に1回は自炊にしたり、水筒を持参したり、健康のために禁煙したりすることで目に見えて家計簿ではプラスになります。
見えることが家計簿をつける上で重要なポイントとなり、楽しんで続けていくことができるのではないでしょうか。そして家計簿の数字を見てどこに無駄があるのかを把握し削ることでお金を貯めることができるようになります。
スマホをいじるだけで月2万円の貯金
貯金ができない人が楽しく貯金を始められて、スキマ時間を利用できる貯金方法がアンケートモニターです。
移動時間や、休憩中などのすきま時間にスマホを操作するだけで、月2万円お収入を得ることが出来ます。
楽をして貯金できるため、今まで貯金できなかったという方も、変わるきっかけになるかもしれないです。
ゼロから始める貯蓄法
貯蓄を始める時には、まず貯蓄の目的を決めます。結婚資金、家の購入資金のため、老後のため。目的によって目標金額が異なります。
周りの貯蓄額も気になるところですが、そこを気にしだすときりがありません。まずは自分に必要な額の貯蓄を目指しましょう。
例えば5年後までに結婚資金で300万円貯めたいとします。そうすると、1年に60万円、1ヵ月に5万円を貯蓄していくことになります。
ゼロから300万円というと先が長いように思えますが、1ヵ月に必要な額が分かればゴールも見えやすく貯蓄の意欲に繋がるでしょう。
特に大きな目的はないけれど、いざというときのためにお金を貯めておきたいのなら、区切りの良い100万円から目標にしましょう。通帳に貯まった100万円に達成感と自信が得られるはず。
貯蓄のコツは「先に貯蓄に回す」こと
貯蓄するときのコツは「先に給料から貯蓄額を引く」ことです。毎月の支出から残った額を貯蓄に回そうとすると、手元にお金がなければ貯蓄できません。
貯蓄できない人というのはお金の管理が苦手な人なので、手元にお金があるとつい使ってしまいがちです。それを防ぐために、先に貯蓄に回してしまうわけです。金額は無理せず10,000円くらいからでも良いのです。
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モチベーションが長続きしない人は?
貯蓄ゼロの人は、当然ですが貯蓄が苦手という人が多いです。ついお金を使って貯められないという人は、目標額を低めに、短い期間で達成できるものにしましょう。達成するまでの期間が長いと、貯蓄に慣れていない人は途中でいやになってしまうからです。
例えば3ヵ月で10万円貯めるとしましょう。貯蓄額を決めたら、1ヵ月あたりどれくらい貯蓄したら良いかが計算できます。この場合は1ヵ月に33,000円ほどということになりますね。このくらいの額なら、そこまで無理せず貯められるのではないでしょうか?
ムダ遣いしていないのに貯まらないときは?
自分が貯蓄できない理由がどうしてもわからない、そんなときは思いきって第三者に相談してみましょう。ムダ使いしている人はその自覚がない人も多いのです。
ハッキリと意見を言ってくれる第三者に、一度お金の使い方についてみてもらってください。自分が周りよりもムダにお金を使っていることが分かるかもしれませんよ。
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無理のないペース配分で
貯蓄する時のポイントは、何度か繰り返していますが無理をしないこと。生活を切り詰め切り詰め、我慢ばかりしていると嫌気がさして途中で投げ出してしまうかもしれません。
さらに一定額が溜まったとしても、今までの反動で散財してしまうかもしれません。そうならないために。ほんのちょっとだけ無駄を減らすくらいから始めたほうが、長く続きやすいでしょう。
極端な話、1日100円からだって構わないと思います。始めることが大切です。
何があるか分からない将来への安心につながる
私自身、将来のことは漠然としか見えていませんが、自分の身に何かあったとき、老後の生活資金などを考えると貯蓄が必要だなと感じています。
まだ危機感がないため、しっかりと行動に移せていませんが、こういったことを調べると改めてきちんとしなくてはと実感するところです。
(文/中村葵)