「旅しつつ音楽で稼ぐ」と言った馬鹿に5万円やって改心させた話

節約・貯めたい        2017年02月09日

(この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。)


  • いきなりだけど、僕は自由を愛する身だ。

    特定の職場に足しげく通うのは非常に苦痛だ。

    会社に向かうための電車移動なんてのも気が遠くなる。

    だからと言って根無し草もダメだ。

    足元はしっかりと固めておかないと、いざという時に窮地に陥る。

    僕の言う足元とは、つまり自宅のこと。

    自宅兼事務所。ここが僕にとっては最高の職場である。

    先日、そんな僕と似ているようで、ちょっとだけ毛色が異なる男と出会った。

    今回はその話をしたい。

    ナオト・インティライミに憧れる30代不細工シンガー登場

    それは昨年12月のこと。

    新宿で飲み会をしていた際に、見慣れない不細工男性が参加していた。

    テンガロンハットに、どっかの民族衣装っぽいポンチョを身にまとった彼は、ナオキと名乗った。

    音楽をやっているが、お金は手にしていないという。

    憧れる人物について、こっちは聞いてもないのにナオト・インティライミと話して聞かせるナオキ。

    彼は現在、ある壮大な計画を立てているという。

    なんでも、日本中を行脚して、音楽で生計を立てるというのだ。

    まず、初対面の人間にそういう話をする時点で「こいつ色々迂闊だな」という印象を抱いてしまうんだけど、なぜかその場にいた別の参加者は「いいねえ~!」とか言っていた。

    こいつらマジか。

    他人の人生だからって軽く物事を考えすぎではないだろうか。

    ナオキは現在30代。

    見た目も、掘り起こしたばかりのさつまいもを、ちょっと崩したみたいなルックスをしている。

    歌は上手いかもしれないが、あのルックスではちょっと売れる線が見えない。

    浅薄すぎる人生プランに失神!現実を理解していない同世代に辟易

    しかし、僕が無謀だと思っているだけで、ナオキにはナオキなりに、人生の必勝プランというものがあるのかもしれない。

    そのあたりを詳しく聞いてみると、まあ~ひどかった。

    まず、宿については「Twitterで募集したホームスティ先で滞在する。滞在中は家の手伝いもするし、地域を元気する!」という。

    ここらでいい加減頭が痛くなってきたので、僕は「お前のようなイモを誰が家に泊めるんだよ」と言ってしまったが、後悔はしていない。

    地域を元気にするという発言の趣旨も分からない。

    彼は音楽で身を立てたいのか、吉本の地域住みます芸人になりたいのか、どっちなのか。そこがブレてしまうと本当に理解に苦しい。

    しかも地域を元気にしている間、ずっとTwitterで知り合った奴の家に居座るわけだし。

    なぜナオキはこれほどまでに無鉄砲というか、野風僧なのか。

    色々と掘り下げて聞いてみたけど、決定的な原因というものは見えなかった。

    恐らく、あまり深いことを考えないまま生きてこれた、幸せな人なんだろう。

    酒の席で大人気なく言いくるめて改心させました

    職業柄、僕は色んな人々に会うチャンスがある。

    中には、必死で生きてきたけどホームレスに転じてしまった人もいる。

    こういう人の話を聞くと、人生の不条理さに涙をぬぐうものだけども、ナオキの話には重みも深みもない。

    なんなら、あるときの取材で出会った、遊ぶお金を稼ぐために風俗をしている女の子の方が、まだ内面が大人だった。

    ちょっとお酒のせいで気が短くなっていたこともあって、僕はまずナオキがルックス面でも精神面でも音楽に向いていないという点。

    僕はナオト・インティライミが大嫌いという点(これは余計だけど)。

    それから、最低限の責務である納税すらも親任せにしてふらふらしているという話を聞かされたので、これについても激怒をした。

    なんで僕らがヒィヒィ言いながら青息吐息で納税しているのに、コイツは親にまかせっきりなのかと。そういう僻みから来る怒りが爆発してしまったのだ。

    その上で財布の中に入っていた50,000円を叩きつけて「この金やるから親に渡せ!お前みたいな親不孝は、音楽がどうだ旅がどうだ言ってる場合じゃねえぞ!」と詰め寄ってしまった。

    ナオキは号泣していたが、それよりもその一部始終を見ていたほかの参加者が「松本さん言い過ぎだよ」とナオキの擁護に回っていたのが癪だった。

    世が世なら、その場で全員成敗していたところであるが、それもできないので「二度とお前らとは遊ばん」と言って抜けてきた。

    馬鹿は馬鹿とつるむ。馬鹿の眼に映る世界は、馬鹿みたいに単純な構造をしているようだが、その世界を維持しているのは、真面目に生きている私たち1人ひとりの日々の苦心だ。

    (文/松本ミゾレ)

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    松本ミゾレ
    2011年活動開始。恋愛コラム、パチスロホール取材記事、某大手企業専属ライティングなどを手広くこなす、ゆるふわ系三文ライター。著作出版の経験も意欲もない、地方都市在住の意識低い系物書きを是非応援してください。ちなみに特技はタイピングと、松前漬けをほぼ無尽蔵に食べ続けることです。

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