会社やアルバイトがつらくて辞めたいと思っていても、なんとなく勤め先に気を遣って辞められないという方もいるでしょう。
退職を行動に移すにはそれなりのストレスがかかります。そんな時、「代わりに誰かが退職の意思を会社に伝えてくれたらなぁ」と考えたことはありませんか?
そんな方の希望を叶え、退職を代行してくれる「退職代行サービス」というものがあります。自分の口からは言い出しにくい退職の意思を、代わりに会社に伝えてくれるのです。
この記事では、そんな退職代行がいったいどんなサービスなのか紹介します。メリット・デメリットについても徹底的に解説していきますので、退職をお考えの方は参考にしてみてください。
退職代行サービスとは?
退職代行サービスとは、退職を希望している本人に代わって、その意思を会社に伝えてくれるサービスのことです。
このサービスに依頼すると、退職に関するやりとりを退職代行サービスの担当者が会社側と行ってくれるため、上司や同僚と気まずいコミュニケーションを取る必要がなくなります。
このようなサービスは10年以上前からありますが、2017年にネットで「EXIT」という退職代行業者が話題になり相談件数が急増したことから、現在大きな注目を集めているビジネスです。
退職代行サービスのメリット
退職代行サービスは依頼者に代わって、会社に退職の意思を伝えてくれる便利なサービスです。ここからは、具体的なメリットについて見てみましょう。
職場に行く必要がない
パワハラやいじめなが横行するブラック企業に勤めていたり、女性の場合はセクハラ問題に頭を抱えていたりと、会社を辞めたいと思う理由はさまざまでしょう。できることなら会社へ行かずに退職したいと考える方も少なくないはずです。
退職代行のサービスを利用すれば、依頼者が職場に出向くことなく退職の手続きを進めることができます。職場に行くことが苦痛になってしまっている方にとっては、大きなメリットになります。
上司・同僚とのやりとりの必要がない
会社を辞めるために上司・同僚とコミュニケーションを取るのは体力を使いますが、退職に必要な電話でのやりとりも退職代行業者が行ってくれます。
会社とのやりとりを退職代行業者に任せることができれば、退職にともなうストレスを軽減することができるでしょう。
残業代・有給消化についても伝えてもらえる
日本人は性格上、退職に本来感じる必要のない後ろめたさを感じてしまいがちです。そのため、退職に加えて残業代や有給の消化を要求するのは、ずうずうしいと考えてしまいます。
しかし、それらは労働者に与えられた当然の権利です。退職代行業者に頼めば、残業代・有給消化の要求を依頼者に代わって会社に伝えてもらうこともできます。
即日退社が可能
退職代行業者に依頼し、費用の入金が済めば、すぐに依頼者の退職の意思を勤め先に伝えてくれます。午前中に代行業者に連絡し、夕方には退社が完了するということも不可能ではありません。意外とあっけなく退職が済んでしまったと感じる方も多いようです。
退職代行サービスのデメリット
希望者がストレスなく退職できるようにサポートしてくれる退職代行サービスですが、いくつかデメリットもあります。退職代行サービスを利用する前に、一度立ち止まって、デメリットにも目を向けてみましょう。
退職に費用がかかる
退職は自分で会社に申し出をして、手続きをすれば費用はかかりません。一方、退職代行サービスを利用すると当然のことながらお金がかかります。業者や業務内容によって利用料金はさまざまですが、3~10万円が一般的な相場です。
高いと感じるか安いと感じるかは、人それぞれでしょう。
退職が癖になる可能性がある
退職代行サービスを使えば、少ないストレスで会社を辞めることができます。お金さえ払えば簡単に会社を辞めてしまえるため、退職が癖になってしまう可能性があるのです。
ちょっとしたことで会社が嫌になり、退職代行サービスですぐに辞めてしまうのは、責任感がないともいえます。簡単に退職ができるようになると、自らを省みるタイミングを見失うことにつながるのです。
法律にかかわることなどにはアドバイスをもらえないことがある
退職代行業者は、依頼者の代わりに退職の意思を会社に伝えてくれますが、法律の専門家ではありません。
稀なケースですが、会社から損害賠償請求をされた場合は、退職代行の範疇を超えてしまっているため対応してくれない可能性があります。弁護士とアドバイザー契約を結んでいるか、弁護士事務所が行う退職代行サービスを選ぶようにしましょう。
どんな人が利用するの?
便利な退職代行サービスを利用する方の特徴を紹介します。ひとつでも当てはまり、なおかつ退職したいと考えているならサービスの利用を検討しても良いでしょう。
・内向的な性格
・意見を押し殺してしまう
・上司が怖い
・会社ともめたくない
・辞めたい旨を伝えているのに、しつこく引き止められる
・出勤するのもつらいくらい追い詰められている
自分を追い込んでしまう性格の方はなるべく早く、退職を決断したほうが良いでしょう。自分では大丈夫だと思っていても、心と身体を壊してしまってからでは遅いのです。
退職代行を利用する際の心構え
退職代行サービスは、退職希望者の退職をサポートします。電話やメール、LINEなどさまざまな方法で問い合わせ・相談ができるのも特徴です。しかし、退職代行業者が退職にかかわるすべての手続きをやってくれるというわけではありません。
この項目では、退職代行業者が行ってくれることと利用者が自分自身でやらなければいけないことについて紹介します。退職代行サービスを受ける際に、準備しておくこともあわせて確認していきましょう。
退職代行業者が行ってくれること
退職代行業者が行ってくれることは以下の通りです。
・退職までの会社とのやりとり
・残業代・有給消化の要求
・離職票を送ってもらう
自分で対応しなければならないこと
続いて、自分でやらなければならないことを見ていきましょう。
・離職票の記入
・会社から支給されている備品などの返却(郵送で対応可能な場合も多い)
・会社が残業代・有給消化の要求に応えなかった場合の交渉
退職代行サービスを受けるにあたって準備しておくこと
退職代行業者に頼んでスムーズに退職するために、あらかじめ準備しておいた方が良いことを確認しましょう。
・勤め先の情報(連絡先など)
・退職届の作成
・支給品・貸与品をまとめて郵送できる状態にしておく
「退職代行でストレスのない退職ができるかも!」
今回は、今話題の退職代行サービスについて紹介してきました。退職は、勇気のいる決断ですが、苦痛を感じる職場にいつまでも居続けることは、良いことではありません。
自ら会社に退職を告げることにストレスを感じるなら、退職代行サービスを利用してみましょう。転職支援を行ってくれる退職代行業者もあります。
退職代行サービスのメリット・デメリットを理解し、実際にサービスを受けた人たちの体験談などを参考にすれば失敗する恐れも少なくて済むはずです。しっかりとした知識を身に付け、退職代行サービスで次の人生の第一歩を踏み出しましょう。
・退職代行サービスは自分では言い出しにくい退職の意思を依頼者に代わって会社に伝えてくれるサービス
・退職代行サービスを使えば、めんどうな会社とのやりとりを請け負ってくれる
・法律にかかわることは、対応してくれない場合がある
・退職代行サービスは退職にかかわることをすべてやってくれるわけではない