学生を対象に調査する就職希望企業ランキングで常にトップに挙がるのがメガバンクです。メガバンクは年収がそこそこよく、安定しているイメージがありますよね?
しかし、同じ銀行で働いていても、銀行員によってみな給料は異なり、差が激しいのが現実です。メガバンクに就職できても、初任給は10万円代と意外と低かったりします……。
メガバンクは未だに年功序列の傾向があるのでしょうか?ここでは、メガバンクの一つ「みずほ銀行」を例に挙げて、その年収と評価を検討してみたいと思います。
みずほ銀行の平均年収は?
まずは、平均年収についてまとめられている「平均年収.JP」というサイトを参考にしてみずほ銀行の平均年収を調べてみたいと思います。
- 平成27年の平均年収・・・758万円
- 平成26年の平均年収・・・750万円
- 平成25年の平均年収・・・725万円
- 平成24年の平均年収・・・673万円
- 平成23年の平均年収・・・671万円
上の表から分かるように、平成27年のみずほ銀行の平均年収は758万円。ここ数年のぼり調子だということも分かります。
みずほ銀行の年齢ごとの平均年収は?
みずほ銀行の平均年収について分ったところで、今度はみずほ銀行の銀行員の年齢ごとの平均年収を見てみましょう。上記に同じく、「平均年収.JP」というサイトを参考にします。
- 20~24歳・・・389.9万円
- 25~29歳・・・485.6万円
- 30~34歳・・・533.5万円
- 35~39歳・・・608.8万円
- 40~44歳・・・684.0万円
- 45~49歳・・・766.1万円
- 50~54歳・・・820.8万円
- 55~59歳・・・814.0万円
- 60~69歳・・・554.0万円
ちなみに上記の数字はボーナスを含めた年収です。こうして年齢別に見てみると、50代半ばまでは年功序列になっていることが分かりますね。
新米の20代は年収389.9万円。月額給与は24.4万円です。年収が一番高いのは50代前半の年齢層で820.8万円。月額給与は51.3万円。月額給与を比較すると2倍もの差があることが分かります。
しかし、年功序列による差は仕方がないとしても、気になるのは同期であるにもかかわらず年収の差が大きく開いてくることです。次に、みずほ銀行の同期の年収の格差について見ていきたいと思います。
同期同士で格差がある
一般的にメガバンクでは、みなが新米の20代では同期同士の年収の格差はないですが、30代が大きな節目となり、その後どんどん格差が開いてくるようです。
メガバンクの50代の同期同士の年収にどれほどの開きがあるのか、取材による証言をもとにまとめられたサイトがあったので参考にしたいと思います。
【メガバンク50代の年収差の例】
最低額 | 最高額 | 差額 | |
三菱東京UFJ銀行 | 1100万円 | 2200万円 | 1100万円 |
三井住友銀行 | 1000万円 | 2000万円 | 1000万円 |
みずほ銀行 | 800万円 | 1600万円 | 800万円 |
こうして見ると、同期同士の年収の格差はほぼ2倍の差があることが分かります。同時に銀行に入って一緒にがんばってきた同期と、これほどの差が開いてしまうのはさみしい気がしますね。
どこでこの差が生まれるのかといえば、30代で係長クラスに昇進する人が出始め、ここでまず年収に大きな開きが出ます。
同期の大勢の人が年収600万円程度の中、昇進した人は1000万円に手が届きそうになります。さらに、40代で課長クラスに昇進する人が出、50代になると部長クラスに昇進する人が出、昇進した人は年収がどんどんアップしていきます。
そのため、昇進した人とそうでない人との間に年々大きな開きが生じてしまうのです。
評価は年功序列の傾向が強い
銀行員一人一人の評価はどうなのでしょうか?
みずほ銀行の営業店に関しては、成果によって評価されるところもあるようです。しかし、本社の方では評価も年功序列のようなところがあり、特別成果を上げなくてもある程度出世できるようです。
ということで、みずほ銀行を例に挙げてメガバンクが年功序列なのか検討してみましたが、結論は、年収も評価も年功序列の傾向がある、といえそうです。
成果を上げた分評価される制度はやりがいがありそうですが、その分プレッシャーも大きくなりそうです。年功序列の方が楽なのか……。どちらが良いのかは考え方次第ですね。
(文/河原まり 写真/TK Kurikawa / Shutterstock.com)