僕は高卒で就職をした。2003年かそこらの頃の話だ。
不景気といえばそうだったのかもしれないけど、僕は頭がいいし人当たりもいいし、嘘も上手なので就職面接はラクラク突破した。
就職先は都内の企業だったんだけど、当時の僕は九州在住。
普通なら面接も都内、ということになるんんだろうけど、このときはわざわざその企業が、人員を鹿児島まで派遣してくれたので、交通費もさほどではなかった。
うちは貧乏をしていたので、この気配りはありがたかったのを覚えている。
しかし、全ての企業がそういう優しさを持っているというわけではない。
就職活動、全国平均は16万円。関東で13万円!
株式会社VOYAGE GROUPの連結子会社で、新卒採用支援事業を展開する株式会社サポーターズが、2017年卒業見込みの全国の大学生545名を対象とした実態調査がある。
これが地方在住者の金銭的な負担について、非常に分かりやすく指摘されていたので、こちらでも紹介していきたい。
「就活にかかった平均費用」と題されているこの調査結果。全国平均は161,215円となっている。
交通費、それから滞在費に飲食代、スーツの調達など、諸々あわせて、平均でおよそ160,000円かかるというのが、日本の就活というわけだ。
もっとも、これは平均であって、地方によってはピンキリも多い。
たとえば焦点を関東に狭めれば、平均値からグッと少なくなって129,554円となってしまう。
関東在住の就活生が、わざわざ地方に就職することはそうそう多くはない。
関東の人は関東で働こうと思うものだし、そうなればこうして費用面でも、全国平均から30,000円ほどは安くなるのも当然というものだ。
地方の就活リスクは大きい!四国が際立って42万!
一方で深刻なのが、地方の就活の際に生じる費用の高騰だ。
目指す就職先が関東圏にあるのに、自分たちは地方も地方に住んでいるとなると、交通費が一気に膨らんで、大きな負担となる。
グラフでも北海道から九州が軒並み200,000円以上の金額となっているが、中でも際立っているのが四国の425,000円だ。何故ここまで四国は高騰しているのだろうか?
調査データには特に記述はないものの、やっぱり交通機関がそこまで発達していないところに原因があるように思える。
四国って、旅行しようと思ってもなんだか交通費が高くなりがちで、ついつい「じゃあもう四国いいわ。飛行機1本で行ける福岡でいいや」ってなってしまうし……。
就活費用の平均値を大きく上ブレさせている四国。
ここに住む就活生の家計は、決して安穏とは行かないだろう。
就活費用のみならず、内定したらさらに……
就活費用の全国平均。
その実態は、地方の利便性の悪さのせいで、なかなかに高騰していることが分かった。
今の時代、決して裕福な家庭は多くない。
しかし未だに、就職するには金が要るという風潮はそう変わってはいないし、地方ともなればなおのことだ。
就活はなんとか乗り切れても、その後もさらにお金が飛ぶこととなる。
部屋を探して、敷金礼金を振り込んで、それから引越し。これもそこそこの痛手となってしまう。
地方在住という場合、就活生本人にしてもストレスが多いだろうけど、それ以上に親御さんの金銭的な負担も大きい。
(文/松本ミゾレ)