【この記事の目次】
「ブレンドコーヒー」とは一体何なのか?
私たちが普段よく見かける「ブレンドコーヒー」。なんで「ブレンド」っていうのかよく分からずに飲んでいる方も多いのではないでしょうか。そんな私も今までそうでした。
しかし、ブレンドコーヒーが誕生した背景を知ると、あなたも今まで以上にきっとコーヒーを美味しく味わうことができるに違いありません。
今日は私たちが毎日のように飲むものでありながら、なぜかその実体についてはよく分かっていないコーヒーのあれこれについて、存分に見ていきましょう。後半はあなただけの究極の1杯を味わうための方法について探っていきます。
コーヒー豆の価格は6倍も跳ね上がることがある
ブレンドコーヒーについて知る前に、その材料であるコーヒー豆について知る必要があります。コーヒー豆には大きく分けて、
- アラビカ種
- ロブスタ種
の2種類あります。アラビカ種とは、生産量の70%を占めるもので、あなたがコーヒー豆専門店で見かけるコーヒー豆は、この「アラビカ種」がほとんどです。香りは上品で酸味が豊かなのが特徴です。一方、ロブスタ種は酸味が強く、味がしっかりしているのが特徴です。
アラビカ種はコロンビア、モカ、ガテマラ、マンデリンなど、単独で使われることがありますが、ロブスタ種は缶コーヒーやカプチーノなどに使われることがあります。
こういったコーヒー豆によって作り出される味が一定に保たれていればいいのですが、実際は気候が原因で不作になることで市場・流通側の価格が不安定になってしまうものなのです。実際、IMFが出した統計によると、過去に2001年から2011年までの10年間に、コーヒー豆の価格が6倍も跳ね上がってしまったという事実もあるほどなのです。
そういう事情から、味のクオリティを均一に保つことを目的に生まれたのが「ブレンドコーヒー」なのです。ブレンドコーヒーは、ロースターというコーヒー豆のブレンドの専門家がそれこそ5種類のコーヒー豆を配合し、毎年変わることのないコーヒーの味を作り出しているわけです。
つまりブレンドコーヒーとは秘伝のタレみたいなもので、その作り手であるロースターの腕前がおおいに影響してくる世界なのです。
コーヒー豆の「焙煎」について知ろう
では、そのロースターによるコーヒー豆のロースト、つまり焙煎とは何なのでしょうか?さすがにここまでくると、私も自力でネタを集めるのが限界なので、コーヒーメーカーの販売金額では全世界トップシェアを誇るデロンギ社に教えを請いに行ったのでした。
「焙煎には焙煎度というものがあって、それによって酸味が強くなったり苦味が強くなったりと、味が大きく変わります。」
淡々と、力強い口調でそう語ってくれたのはデロンギ社のマーケティング担当・木村健二さん。
「焙煎はこのようにライトローストからイタリアンローストまで8段階ありまして、それぞれこのようにコーヒー豆の色になるんです。」
「ここにありますように、ハイローストからイタリアンローストの苦味が強いタイプはエスプレッソ向き、シナモンローストからフルシティローストの酸味が強いタイプはレギュラーコーヒー向きとなっています。」
と、ここまで聞いて、さっそくコーヒー豆の奥深さを感じずにはいられませんでした。自分が買うコーヒーもせいぜいモカかキリマンジャロか、それに悩んだらとりあえずスペシャル・ブレンドにしておこうというくらいの知識しかなかったので、これだけでかなりコーヒー通になってしまった気がしてきました。しかし、木村さんはさらに続けました。
「焙煎の次はグライディング(豆挽き)です。これも抽出方法にあった粒度(りゅうど)というものがあります。」
CMでも聞く「粗挽き」とは何なのか?
「粒度は粗挽きから極細挽きの5段階ありまして、焙煎と同じように粗挽きは酸味が強く、極細挽きは苦味が強くなるんです。」
そういえば缶コーヒーにも「粗挽き」とか書いてあるのを見たことはないでしょうか?しかし私もその意味まではまったく分かっていなかったのでなるほどこれで納得です。
「そして真ん中の中細挽きがドリップコーヒー、そして一番下の極細挽きはエスプレッソ向きとなっています。極細挽きは豆が細かくなりすぎていて、ドリップコーヒーだとお湯が通らないんですね。」
ふんふん、そうかそうかと納得しながら聞いていましたが、ふと、私はドリップコーヒーとエスプレッソコーヒーの違いについて、きちんと理解していなかったことに気づいてしまったのです。その点を聞いてみることにしました。
「エスプレッソは圧力をかけて抽出するんです」
「ドリップコーヒーは家庭でもよくやるように、フィルター(ろ紙)を使って重力で抽出するあのやり方ですね。一方、エスプレッソコーヒーは圧力抽出と言いいまして、9気圧をかけてギューっと急速に抽出するんですね。いわばコーヒーの一番だしだと思ってください(笑)。ドリップコーヒーが豆の香りを味わうのに対し、エスプレッソコーヒーは豆の旨みや濃厚な味わいを味わうことができます。」
「エスプレッソの起源は今から100年前と意外と若い歴史でして、1906年のミラノ万博で出されたのが最初と言われています。エスプレッソとはイタリア語で、語源は英語でいうExpress(急速の)からきています。」
エスプレッソという言葉はよく聞きますし、実際にコーヒーショップで飲んだこともありますが、ちょっと苦いコーヒーというイメージしか今まで持っていませんでした。しかし、ドリップコーヒーとはここまで違うものであることを聞くとさらに納得です。
しかし、ここで木村さんはまたも衝撃的なひとことをおっしゃるのでした。
「カプチーノやカフェラテはエスプレッソからしか作れないんですよ。ドリップコーヒーでは作れないんです。」
「本物のカプチーノをお見せしましょう」
これはこの日の取材でもっともびっくりした事実でした。カプチーノやカフェラテはエスプレッソからしか作れないとは!私たちが普段、家庭用のドリップコーヒーでミルクをたっぷり入れて「カフェラテ♪」とかやっているのはあれが厳密にはカフェラテとは言わないのだそうです。
「ここにありますように、カプチーノとはエスプレッソコーヒーに泡立てられたスチームミルクとフォームミルクが加えて作られたものなんです。それ以外にもカフェラテをはじめカフェモカ、キャラメルラテなど色々ありますが、すべてはこのエスプレッソがベースになっています。」
この図を見ると分かると思いますが、カプチーノもカフェラテもコーヒーとミルクがきれいに3層になっているのを見ることができます。ましてやここまできれいに泡立ったミルクを手動で作るのは至難の業でしょう。
「エスプレッソコーヒーを作るには9気圧をかけなくてはいけないので、専用の機械が必要です。また、カフェラテやカプチーノも、ここまできれいに作ろうとするとかなり難しく、バリスタの技術が必要となりますが、今ここで本物のカプチーノを作ってみましょう」
本物のエスプレッソとカプチーノを味わってみた
と、ここで登場したのが、デロンギ社の全自動エスプレッソマシン、「マグニフィカS」なのでした。
「まずはエスプレッソから淹れてみます。砂糖をスプーン一杯入れて飲んでみてください。」
普段はブラック派の私なので、砂糖を入れることには少し抵抗がありましたが、ここでは砂糖を入れてもらって飲んでみました。
確かにこっちの方がコーヒーの旨みやコクがより味わえました!本場イタリアではこのようなエスプレッソコーヒーをカウンターで1杯だけサッと飲むスタイルみたいです。
また、コーヒー豆も好きなものが選べるのが全自動エスプレッソマシンの楽しみ方のひとつ。デロンギ社ではイタリアの老舗ロースター、ムセッティのコーヒー豆を推奨しておりました。
「次はいよいよカプチーノを淹れてみましょうか。エスプレッソマシンのここにミルクを入れて、あとはスイッチを入れるだけで簡単に作ることができますよ。」
木村さんがスイッチを入れましたら、またたく間にクリームのようなきめ細かいミルクの泡が作り出されました。この泡立ちの良さをどうやって実現できたのでしょうか?
「泡立ちミルクの美味しさは蒸気の量や温度など、さまざまな要素に左右されますが、デロンギ社の特許である「ラテクレマシステム」によって、ミルクにとって最適な温度である60℃~65℃にすることでこのきめ細かさを実現しています。また、ここにあります「フロス調整つまみ」で、泡の大きさとミルクの温度も微調整ができるようになったのも大きな特徴です。」
かくしてここに、本物のカプチーノができあがったのです。本当にエスプレッソと泡になったミルクがきれいに分離されているのを確認することができます。
期待に胸を膨らませながら一口まずは味わってみました。まず驚いたのが、ミルクの泡が口に当たるこの感触がここまで気持ちの良いものとは!というものでした。本当に、上唇をフワッと包み込んでくれる感触が優しくて、それだけで癒されます。
そのあとでエスプレッソとスチームミルクとフォームミルクが絶妙に混ざった味がスーッと舌に流れ込んできます。私は40年生きてきて今日はじめて理解しました。カプチーノってこういう味だったんですね。
究極の味を指一本で実現できる、全自動エスプレッソマシンという選択
すっかりエスプレッソとカプチーノの魅力に取り憑かれてしまった私は、この全自動エスプレッソマシンについて色々聞いてみることにしました。
「コントロールノブでコーヒーの濃さを設定して、最後に抽出ボタンを押すだけの簡単操作です。カプチーノが淹れたければ自動カプチーノボタンを押すだけで良いんですよ。」
簡単すぎます。これを人力でやろうとすると、まず泡立てをマスターするだけでかなりの年月がかかることでしょう。「ボタンひとつで本格カフェメニューが楽しめる」というのは本当のことだったのですね。
上からコーヒー豆を入れて、左側にミルクを入れれば、あとはボタンを押せばできあがってしまうんです。たったこれだけであれほどのクオリティのものができてしまうのだから、これはもうコーヒー好きにはたまらないものではないでしょうか。また、お手入れについて聞いてみましたら、
「電源を入れたときに自動洗浄が行われるようになっています。あとは中のトレイのカスを取るのとミルクのチューブを洗うくらいで大丈夫です。」
と、お手入れも実に簡単に行えることが分かりました。家庭用ではあるものの、現状は少々大きめなこの全自動エスプレッソマシン。今後はサイズの小型化にも取り組むようです。
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1杯あたりのコストは20円から40円未満!
ここまで完璧な全自動エスプレッソマシンとなると、HOW MATCHとしてやはり気になるのはお値段ではあるのですが、今日ここで紹介したECAM23460Sというタイプだと150,000円くらいするそうです。しかし、2015年10月に新発売されるECAM23260SBという新機種だと実売価格は約130,000円とのこと。この新機種でも同じようにエスプレッソやレギュラーコーヒー、カプチーノ等を作ることができます。
約130,000円と聞けば、やはり多くの人が高いと感じるでしょう。ところが、あなたが毎日のようにコーヒーショップで1杯あたり400円ちかくするカフェラテやカプチーノを買って飲んでいるとして、その価格と比較してみましょう。デロンギ社によると、この全自動エスプレッソマシンで1杯を作るのにかかるコストはかかってもたった40円なのだそうです。その点を比較してみますと、
- コーヒーショップ 400円×毎月30杯×12ヵ月=144,000円
- 全自動エスプレッソマシン 40円×毎月30杯×12ヵ月=14,400円
と、店で買うコストの10分の1で済んでしまうのです。毎日飲む人であれば、1年も使っていれば十分元がとれてしまう価格になります。
そしてなによりこの全自動エスプレッソマシンを手に入れる価値というのはその「味」に尽きます。コーヒーショップでは時期や店によって微妙に味が違うこともありますが、自宅で淹れる全自動エスプレッソマシンであれば、豆からミルク、濃さまですべてあなたがコントロールすることができます。
この機会に全自動エスプレッソマシンの味を、そして本物のエスプレッソやカフェラテ、カプチーノの味をぜひ味わってみてください!
(取材協力・画像提供/デロンギ・ジャパン株式会社)
(取材・文/HOW MATCH編集部)