皆さんは、ちゃんと自分の頭の形に合った枕を使っているだろうか。
枕は安眠を得るためには、かなり大事な要素になっている。
体に合わない枕を使い続けていると、睡眠中に体が痛くなったり、あるいはあまりに高過ぎる枕を使うことで、アデノイド顔貌(※)になってしまうリスクまであるのだとか。
※アデノイド顔貌…上咽頭にあるリンパ組織の塊が大きくなることで、鼻呼吸がしづらく口が常に開いている状態になり、顔下部の形が変わってしまう。
最近では枕をオーダーメイドで作ってくれるお店もある。
少々値は張るが、背に腹は変えられない。快適な眠りのために、一品モノの枕をこしらえてもらってはどうだろうか。
さて、枕といえば枕営業である(強引)!!
枕営業、その起源とは?
枕営業と言えば現代においては、主に芸能界で立ち位置を獲得するために売り出し中のグラドルあたりが身を落としている行為として知られている。
その起源はいつから始まっていたのか。
実は資料によれば、少なくとも江戸時代には既にその兆候は見て取れたようだ(諸説あるうちの一つとして)。
当時は今のようにプロダクションもなければマネージメント業も確たる形態で整っていたわけではないが、売れっ子になろうと思えば役者小屋の主やら贔屓の金持ちやらと懇意になることは比較的避けられなかったようだ。
当然、気に入ってもらえればそれだけ露出も増えるし収入だって倍増する。
役者にとっては生活の糧としての賃金はどうしたって譲れないものであったが、ここを突く形で、夜伽を共にすれば愛人にして生活を楽にしてやる、という提案を持ちかける金持ちはいたという記録がある。
中でもマニアックな性癖を持つ者は、役者に舞台衣装のまま寝室に来るように要求するものもあった。
世間の人々が羨望する花形役者の、一番輝いている姿を抱く。これもまた金持ちにしか出来ない贅沢の一つであったということだろう。
100万ぐらい出してあのアイドルと寝れるなら、安いもの?
正確な枕の報酬はグレードによっても異なるが、まあ現在の価値で100万円ぐらい出して抱けるのなら、痛くも痒くもなかったに違いない。
今で言えばA〇Bあたりのアイドルに、テレビでよく見る衣装を着用させたままホテルに来てもらうといったものか。
なんとも贅沢な性嗜好であるが、それに比べて今はどうか。
何百万と「お布施」をしても、所詮はいちファン。金を積んだからと言って、観客がアイドルを抱く機会はほとんどない。
夢のない時代になってしまったものである。
枕は案外そこら中にあるよね
そうそう、枕営業って、別に芸能界だけにはびこるものではない。
筆者には可愛い可愛い女弟子がいるが、彼女曰く、結構著名な編集者が仕事をする上で厚遇を約束する条件として、枕を要求してくることもあったという。
名前を聞いたら、業界関係者の誰もが「え、あの人が!」と幻滅すること間違いなしの、割と人格者で通っている男である。
そんな要求を突きつける最初の相手がうちの弟子であるはずはない。
きっと日常的に、色んな女性ライターを抱くための口実として使っているんだろう。
業種は様々あるが、枕を要求するおっさんなんて、どこにでもいるものだ。
男という生き物は、どうしたって性欲を切り離せない。
ちょっと金と権威を手に入れてしまうと、そういう邪念が沸くようになるのかもしれない。
(文/松本ミゾレ)