少子化が叫ばれて久しい今日この頃。もし人口を増やしたいならば夫婦1組あたり3人以上は子どもを育てなければいけない計算になります。
しかし、それは平均的な年収400万円の家計で実現可能なのでしょうか。詳しくシミュレーションしてみましょう。
子ども3人を育てるためのお金
中学までに1人の子どもを育てるのに必要なお金は1,740万円と言われています。
「そんなにかかるの?」と、思った人もいるかもしれません。しかし、特別なことをしなくても
- 未就園児は年間84万円
- 中学生になるまでには年間155万円
と約倍近くの金額が必要になり、それらを合算するとゆうに1,000万円を越えてしまうのです。
単純計算したとしても、
- 未就園児3人で年間252万円
- 中学生3人で年間465万円
が必要ということになり、その負担はけっして小さなものではありません。
これらにプラスして高校や大学の教育費も必要になります。第1子が誕生してから第3子が大学を卒業するまでおよそ30年かかったとして、その間、親としては気を緩めることができない状態です。
未就学児の保育料
以上のような金額を鑑みても、子ども3人を育てるには共働きがおすすめとも言えます。
しかし、子どもを預けて仕事をしようとなると、当然のことながら保育料がかさみます。認可保育園ならば2~3万円の負担で済みますが、なかなか抽選に当たらず困っている家族は少なくありません。
認可外保育園は園によって保育料が異なります。たとえば企業・院内保育施設ならば福利厚生の一環としてリーズナブルに利用することができます。
しかし、一般の認可外保育園は高額なところも多く、妻の給与がほぼすべて保育料に消えてしまうというケースさえあるのは、今後改善されるべき点と言えるのではないでしょうか。
年収400万円/子供3人の家計簿シミュレーション
内閣府が実施した「平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査」によれば、夫婦2人の生活費の平均は月額17万円、子ども3人では25万円とのことでした。
2歳(未就園児) | 月額7万円 | 年間84万円 |
6歳(小学1年生)および10歳(小学4年生) | 月額9万円 | 年間115万円 |
かかるという結果が出ています。もしこれを、家計簿シミュレーションしてみるとどうなるのでしょうか。
夫の毎月の手取りが22~25万円、妻のパート収入とあわせて夫婦で30万円弱の月収がある、年収400万円の家があったとしましょう。
子どもは未就園児1人、小学生2人とすると、毎月子どものために15万円は必要な計算です。家計の約半分は子育て費用に消えてしまうのです。
家賃 | 6万円 |
夫婦の食費 | 3万円 |
水道光熱費 | 2万円 |
通信費 | 2万円 |
ガソリン代 | 1万5千円 |
日用品 | 1万円 |
としてもギリギリの計算となり、暮らしに余裕はないことは明らかです。
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児童手当
「そんなカツカツの生活をしなくてはいけないなら、子どもは3人もいらない」そう考える人が多いのももっともなことです。このままでは少子化を食い止めるのは難しいと言わざるを得ません。
もちろん、現在でも子育て支援はいくつかあります。たとえば児童手当などを利用してみるのも一つの方法でしょう。児童手当の対象となるのは日本国内に住む0歳から中学卒業までの全児童です。
支給額は年齢やきょうだいの数によって異なってきます。
たとえば、3歳までは一律月額1万5千円ですが、3歳から小学校終了前までは
- 第1子・第2子月額1万円
- 第3子以降月額1万5千円
と、きょうだいの多さに応じて多少お得になっています。中学以降はまた一律月額1万円の支給になります。また、年収960万円以上の所得制限世帯は月額5,000円と一定額に固定されています。
もし、小学生の子どもを3人育てていたとすれば、3万5千円が支給される計算になります。3人目特典が反映された金額になるのです。
しかし、子どもが全員中学生になってしまうと3万円となり、きょうだいが多いからといってお得になるわけではありません。児童手当の3人目特典は小学生というほんの一時期、しかもわずか5千円というのも改善されるべき点と言えるかもしれません。
家計の節約・やりくり術【支出を減らす】
以上のように年収400万円で子どもを3人育てるというのは並大抵のことではありません。できるだけ節約術を活用して賢く乗り切りたいところです。
①食費
食費を月1万円節約する。まずは自炊をこころがけましょう。
要らないものは買わないように、ドレッシングや調味料等含め食材の買い置きをしない事で支出を少しずつでも削ることです。
そして、冷蔵庫の中身も最低限に減らすようにします。
②通信料
スマホなどの通信料も月々の支出として馬鹿にはなりません。
家庭内でキャリアをまとめより安くなるプランにする、格安SIM に乗り換える、PCの回線見直しをする事で
サービスや使用内容が大幅に変更せずとも支出を減らすことだ出来ます。
③育児費・教育費
育児日の一か月の上限を決めてみましょう。また大きくなるにつれて、どこまで子どもの教育費をかけるのかというのも、夫婦で一度じっくり話し合いたいものです。
習い事の有無、大学は通わせるのか、学校はそれぞれ公立なのか等様々な選択肢もあります。
それぞれの選択に合わせて現状の使う支出、貯金の必要性などが具体的になり、無駄な支出をおさえるようになります。
また子どもの成長に合わせ、ベビーグッズなど一定期間しか使用しないもの借りる、譲り受ける、フリマ、メルカリのようなフリマアプリなどをうまく利用して
安くすませるようにしましょう。
④保険料
いくら家計を切り詰めたいと思っても、まったく保険に加入しないというのもリスクが大き過ぎます。掛け捨ての保険を選択すれば、いくらかは安くすることもできます。
保険会社にすすめられるまま高額商品を契約していないかどうか、今一度見直してみることをおすすめします。
保険は保険会社や、商品によって現在のお金周りだけでなく将来的な資産形成にまで大きくかかわってきます。
早い段階から今の保険をもう一度見直しておくことは重要です。
おすすめは「保険見直しラボ」です。
無料で相談できるのはもちろんのこと、収入や家族構成、今後の人生計画にピッタリな保険プランを的確に見極めることが出来ます。
自宅でも行える副業【収入を増やす】
少しでも収入を増やしたいという方に、自宅でも出来るふくぎょうをいくつか紹介したいと思います。
・クラウドソーシング
…crowd(群衆)とsourcing(業務委託)が合わさったのが、クラウドソーシング。専門のサイトには、アンケート回答からデータ入力や記事作成、コンサルティングや相談まで幅広い仕事内容があり、
難易度・報酬も幅広く、また自分が行えるタイミングで取り組めるのがポイントです。
クラウドソーシングを始めるならば【ランサーズ】日本最大級のお仕事マッチングサイト がおススメです。
・モーニングコール
…1件につき50~100円で、朝に起きられない人に電話をするというもの。一見安価で地味なようですが、塵も積もれば山となります。
・ハンドメイド
…趣味の延長線上から始まる方も、最近ではSNSやアプリなどを有効活用するころで、人気ハンドメイド作家になることも夢ではありません。
製作時間や量も自分の裁量なので、無理せず続けられるかと思います。
終わりに
いかがでしたでしょうか。日本人の平均である年収400万円で子どもを3人育てようというのは、なかなか挑戦的な試みではあります。まわりを見回しても、子どもは多くて2人というご家庭がほとんどなのではないでしょうか。
ひとりっ子も現在はけっして少数派ではありません。きょうだいが多い=正しいというわけでも、もちろんありません。これだけ子どもの数が少なくなると、たくさんのきょうだいの中で育った人は「抜け目ない」と、必ずしも肯定的に見られないこともあります。
それでも、親としては将来たくさんの孫と賑やかに過ごすこともできるかもしれませんし、3人以上の子どもを育てればそれなりに楽しいことも待っています。
困難は多いかもしれませんが、3人以上の子どもを育てるというのはやりがいもあることです。家計を工夫するなど知恵を絞りつつ、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
日本の少子高齢化にストップをかけるためには、3人以上の子育てをしている家族がもっと増えなくてはいけないのは歴然とした事実であることに変わりはないのです。
(文/川端まり)