お金を貯めるために定期預金は定番の方法です。しかし、定番であるが故にメリット・デメリットを理解せずに使う人もいるかもしれません。そこで、今回は今さら聞けない定期預金のメリット・デメリットをご紹介します。
定期預金のメリット3つ
定期預金は、普通預金よりも貯蓄に適しています。定期預金の主なメリットは以下の3つです。
1.利息条件が普通預金よりもよい
原則、定期預金は一定期間お金を引き出すことができません。その代わり、普通預金よりも利息条件を高く設定しています。一定期間は預け入れることが約束されているので、金融機関は資産運用にお金を使いやすいです。その分、預金したくなるように利息が設定されているのだと考えられます。
2.引き出しにくいので貯めやすい
定期預金を一度開設すると、基本的にはお金を引き出すことができません。解約手続きをするには金融機関へ出向く必要があるからです。引き出しにかかる手間を考えると、定期預金を開設したお金は手を付けずに取っておきやすいと思います。
3.元本割れしない
定期預金は元本割れをしない資産運用です。元本割れとは、損失が発生したときに元々預けた金額より減ってしまうことを言います。定期預金には元本割れの心配がなく、仮に金融機関が破たんしてもお金は戻ってきます。
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定期預金のデメリット3つ
一方、定期預金にはメリットだけでなく、デメリットもあります。定期預金の主なデメリットは以下の3つです。
1.利息条件が資産運用の中では低い
定期預金は、一般的に普通預金より利息の条件がよいです。しかし、株式やFX、不動産投資などの利回りと比べると、増える金額は見劣りします。大きく収入を増やすのには適さないのです。
2.低金利時代には適さない
かつては、定期預金でも1%程度の年利がつく時代がありました。しかし、日本の景気は長らく悪い状態が続き、金利についても0.0何%台から上昇する見込みがありません。銀行の中に預け入れておくだけで、厳しい言い方をしてしまうと資産運用とは言いづらいです。
3.インフレになると事実上資産が減少する
定期預金は、一度契約すると景気の動向に左右されず、一定のペースを保ちながらお金が増えます。資産運用としてはデフレや不況に強いというメリットがありますが、実は好景気のときに恩恵をあずかることができません。
インフレ時は事実上資産が減少してしまいます。特に、今の時代のように低金利の状態で定期預金を組むと、損してしまうことも多いので注意しましょう。
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定期預金は安全重視の資産運用
ここまでは、定期預金のメリット・デメリットをご紹介しました。実際の資産運用方法として考えると、株式やFX、投資信託などの攻めの資産運用をする傍ら、保険として定期預金を使うのがよさそうです。
たとえば、資産運用のポートフォリオを組んだとき、安全性を高めるために使えます。急激に景気が低迷しても元本が割れることなく、安心してお金をキープできるのです。
資産運用は100%積極的な投資に使うべきではありません。全額を元本割れするリスクが高い商品にしてしまうと、いざというときのリスクをカバーすることができないからです。
一部が定期預金になるだけでも安全性がアップするので、ぜひ定期預金を組み合わせるようにしましょう。
金融機関へ定期預金を預け入れるときは慎重に
定期預金は安全性に優れた金融商品です。しかし、「定期預金だから」と言って、何も考えずに無条件で使うべきではありません。さまざまな資産運用の選択肢のうちのひとつと考えるのがおすすめです。
もし、今まで定期預金以外の資産運用の方法を考えたことがないという人は、定期預金のメリット・デメリットを理解した上で利用するようにしましょう。
(文/三堂有人)
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